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第124話 執事喫茶

今日は文化祭

午前中はクラスの出し物を手伝う予定だ

私のクラスは執事喫茶

我がクラスのイケメントリオもとい攻略対象者トリオでもある

クリス、レックス、ニックの三人が人柱となり今日は馬車馬の如く働いて稼いでくれる予定だ

この世界が乙女ゲームでよかった

私がメイド喫茶とかすることになったら悲惨なことになるからだ

私はめちゃくちゃ鈍臭いのでホールの仕事は絶望的に向いていない

今回はキッチンで引き篭もってひたすらクッキーを焼く係だからよかった

料理は得意だから

今回の主役はイケメントリオであり

私は裏方でひっそりと仕事が出来る喜びを感じていた



「練習がしたい。」

クリスが営業前、突然言い出した

「大丈夫だって。たかだかクラスの出し物なんだから失敗してもいいし。」

「完璧にこなしたい。練習に付き合ってくれ。」

「んー。まぁまだ時間あるしいいけど…。」

「絶対にときめかせてやるからな。」

「それはとても楽しみですね。」

そう言って私は席へと着く

「お嬢様。本日はご来店して頂きありがとうございます。」

「どうも。」

「こちらメニューになります。」

「ありがとうございます。ではこのハーブティーをください。」

「マナはハーブティーが好きなの?」

「うん。しかもこのハーブは私のお爺ちゃんが作ってる畑のハーブを使用しているのよ。めちゃくちゃ美味しいんだから。」

「マナの好きなものの情報が増えて嬉しいよ。」

クリスはハーブティーを持って来て目の前で注ぐ

「ハーブティーです。」

「ありがとうございます。」

「それではここからはオプションになります。」

「オプションいらないです。」

「練習にならないだろう!?」

「えぇ…仕方ないなぁ…」

「①五分お話コース 三千円

②五分お話+ボディタッチあり 五千円

③お姫様抱っこ 三万円

どのコースにしますか?」

「めちゃくちゃぼったくるじゃん。」

「良心的な価格設定だと思います。この王子の俺がこんな真似をしなくてはいけないのだから安いぐらいだ。」

「まぁそれもそうか…じゃあ①で…」

「フルコースをご希望で!!畏まりましたー!」

「…。」

「マナ。マナの瞳はどんな高級な宝石にも敵わない美しい輝きをしているね。」

「どうもありがとう。」

クリスは私の頭を撫でてから髪の毛を掬い上げて髪の毛にキスをする

「俺の大事なお姫様。マナを一生愛すると誓うよ。」

「大事なお嬢様に恋愛感情を向けるなんて執事失格じゃない?」

「禁断の愛は燃えるだろう?」

「…貴方が王子様なら良かったのに。」

「…え?」

「禁断の愛なんかじゃなくて貴方と堂々と愛しあいたい。禁断の恋も秘密の恋も辛いよ…。ねぇ。クリス。今すぐ私を攫ってよ。私のこと…愛しているんでしょう?」

「愛してる。世界で一番愛してるよ。マナの望みならなんだってするよ。」

「嬉しい。幸せ。貴方と二人でいられるなら何も怖くない。」


クリスが顔を近づけてキスしようとしてくるので

私はクリスの顔を押し返す

「ちょっと!!過剰なスキンシップはNGです!!」

「何故拒む!?俺達恋人になれただろう!?」

「執事喫茶の練習でしょう?こっちも演技してあげたのに。」

「演技だと!?」

「当たり前でしょう!?」

「お前は演技で愛を囁くのか!?」

「クリスだってそうじゃない!」

「俺は本心しか言ってない!」

「執事喫茶の練習って言ってたくせに!」

「そんなの口実に決まってるだろう?マナを口説き堕とせると思ったからやったんだ。まさか返り討ちにあうとは思わなかったよ。他の人には絶対練習でもそんな真似するなよ。」


「え?俺も不安だからマナに練習付き合って貰いたいな。」

「…俺も。」

レックスとニックが言う


「いいよ。やろうか。」

私は二人に練習相手になると答えた。


「ダメダメダメダメ!愛を囁くのは俺にだけにしろ!」

「そんな我儘言わないの。皆平等にしないと不公平だからね。」

「このアバズレ!!節操なし!!」

「うっさい!バカ王子!!私を口説き堕とすなんか百億光年早いわ!!」


私はその後、レックスとニックにも練習相手をした

そんなことをしているうちに開店の時間になり

執事喫茶はあっという間に大盛況になった

私はひたすら裏でクッキーを焼いて午前の仕事は終わった


午後になり、私とニックは吹奏楽の演奏の為に抜けてステージへと向かう





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