第120話 秘密の密会
早朝、美化委員が中庭で水遣りをする時間
私は第四倉庫の隠し部屋へと向かう
この部屋の中は誰も見れない
誰も聞こえない
私とイシュタル先生だけの契約の三十分
私達しか知らない
秘密の時間
私が第四倉庫に向かうとイシュタル先生は既に来ており、私達は隠し部屋へと入る
「おはよう。マナさん。」
「おはよう。イシュタル先生。」
「早く会いたくて一時間も早く着いてしまったよ。」
「私は行きたくなくてバックれようと考えていましたよ。」
「でも来てくれた。」
「義理堅い女なの。」
「私のことなんて見捨てればいいのにね。マナさんは慈悲深い。さすがは最強の聖女様です。」
「本当にね。見捨てられる強さが私にはなかっただけよ。私が慈悲深いからじゃない。」
「理由はなんでも構わないです。私はマナさんに救われたそれが全てです。」
「ハァ…。こんな変態救ったダメなのになぁ…。」
私は鞄から黒の袋に入っているブラジャーを取り出す
「約束のブツです。」
「わぁ!!本当に!!持ってきてくれたの!?」
「私は義理堅い女なので…」
イシュタル先生が袋から取り出して匂いを嗅ぐ
「洗濯済みかー。少し残念だけど…このほのかに香るマナの残り香がたまらないね。」
「ねぇ!!目の前で嗅いだりしないでよ!!気持ち悪いから!!」
「私は契約違反をしていないからいいじゃないか。」
「この変態教師!!最低!!」
「そんな罵倒は寧ろご褒美だよ。」
「キモイ!!」
「そんな変態教師からプレゼントがあるんだよ。」
イシュタル先生は大きな白の袋を持ってきていた
サンタかよ
袋の中身は大量のコスプレ衣装が入っていた
「…これは?」
「マナが着るコスプレ衣装だよ。なんでも着てくれるって言うから大量に用意したんだ。」
「そうなんだ…。」
メイド服、チャイナ服、バニーガール、ロリータ服等大量のコスプレ衣装が雪崩のように袋から出てきた。一日でこんなに用意するなんてドン引きだよ。
「マナが決めて。」
「着る服をですか?」
「そう。マナが何を選ぶのか楽しみだなー!」
「じゃあこれで…」
「じゃあここで生着替えを…」
「反対向いて!」
「えぇ…触らないならセーフなのに。」
「うるさい!いいから見ないでよ!」
「まぁいいよ。楽しみは後に取っておこう。」
そう言ってイシュタルさんは後ろを向いて待っている
私は衣装を着る
「出来ました…」
私がそう言うとイシュタル先生はこちらを向く
「うおおおおおおおお!素晴らしい!!最高に似合ってるいるよ!さすが聖女様だね!!」
私はシスター服を着た。一番エロくない気がしたから。でもこんなに興奮して喜ばれると不安になる
「ありがとうございます…」
「髪型を変えてみないか?黒髪で長髪ストレートはとても綺麗だけれどアレンジしている姿はあまり見たことがないからね。」
「髪型セットするの面倒臭いからね。」
「三つ編みにしようよ。」
「いいですけど…」
私は三つ編みにしようとするが、鏡がないので上手く出来なくてモタモタしてしまう
私は不器用だから髪型をセットするのが苦手だ
「ねぇ。上手く出来ないからイシュタル先生がやって。」
「えぇ!?触ってしまいますよ?」
「髪だけならいいよ。」
「ありがとうございます!」
イシュタル先生は私の髪の毛を櫛でとかす
「ハァ…ハァ…ハァ…髪をとかすだけでいい香りがするよ…」
「ねぇ。黙ってやってくんない?キモイから。」
頭部と髪の毛を触られてるだけなのにゾクゾクしてしまう
触り方がやらしいからだろうか
「ひゃ…」
くすぐったくて声が漏れてしまった
「あぁ…今の声だけで今夜のおかずになるよ…」
「だから黙っててよ!気持ち悪い!!」
イシュタル先生は器用に私の髪を編み三つ編みにしてくれた
「あぁ…可愛い…最高だよ…マナは神様の最高傑作だね…」
「それはどうも。」
「シスター…。私は懺悔します…。私は罪を犯してしまいました。自分の欲望が抑えきれず…体操服を盗んでしまったのです…。この変態教師をどうかお許しください…。」
「許すわけないじゃん。この変態教師。私の体操服返せよ。クズ野郎。」
こうして私達の第一回秘密の密会が終了した。