表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/282

第12話 おねだり大作戦

「まずは普通にお願いしてみましょう。俺になんかお願いすることありますか?」

 そんなこと急に言われても…しかも今は現実を教えられた後だ。まずは自信を取り戻すお願いをしてみようか…

 「じゃあ…私のこと可愛いって言ってくれる?」

 うぅ…自分がブサイクと自覚してからこのお願いは自分がイタイ奴な感じがして辛い…でも入れ替えは回避したいからまずは自信を取り戻す…

 レイが急に私を抱き抱えて

 「なんですか!?そのお願い!!可愛いすぎますよぉ♡毎日言ってるじゃないですかぁ!マリアお嬢様が世界で一番可愛いって!!」

 レイに頬擦りをぐりぐりされる。

 「こりゃ精霊もイチコロだと思うんだけだなぁ」

 「レイはマリアお嬢様に何をされてもお願い聞くんだから練習になりませんよ…。」

 アリサが言う

 「じゃあ次はアリサにお願いしてみようか。アリサはお願いほとんど聞いてくれないから練習になるだろ?」

 「私はアーネルド家らしく教育することが目的なだけですので…練習には向かないと思います。」

 「こういう時のマリアお嬢様には弱いとかグッとくるとかないの?」

 「いや…仕事ですしそういう感情はちょっとよくわからないですね…。」

 「レイがお願い聞きすぎなだけで、アリサは私のお願いよく聞いてくれるよ?私が好きなお茶菓子とか紅茶とか部屋に飾ってる花とかもぜーんぶ私の思うようにやってくれたし。」

 「それが私の仕事ですから…。」

 「あ!俺めっちゃいい練習相手思いつきました!」

 「誰?」

 「旦那様ですよ!!」

 「お父様!?絶対無理だよ!私のこと結構避けてるし嫌われてるもん…。」

 「だからこそ練習になるんじゃないですか!お父様に成功したから精霊相手にも大丈夫ですよ!」

 はぁ…マジか…お父様は私がアーネルドらしくない野蛮人だから明らかに私を避けてる。挨拶ぐらいは返してくれるけどすぐにどっかに行くし、私と話たくないみたいだし。お父様は皇室のお仕事をたくさんやっていて忙しそうであまり家にもいないし正直あまり会話した記憶もない。

 「ハードルが高すぎるよぉ。せめてお母様にしようよぉ。」

 「奥様なんてめちゃくちゃマリアお嬢様に甘いじゃないですか!?練習相手不足です!!」

 いやその奥様にさっきめっちゃ現実教えられたのですが…

 「ハァ…わかったよ。じゃあお父様にお願いを成功させることを目標にしましょう。」

 「じゃあ次は何をお願いするか決めましょう!」

 「んー…じゃあ私の婚約者を探して…」

 「ダメです。」

 食い気味に否定された。

 「ねー♡レイ♡おねがーい♡いいでしょ♡」

 めっちゃあざとくお願いしてみた。

 「ダメです。」

 「そんな…私このままだとお嫁に行けなくなっちゃう…お願い…」

 涙目で目を潤ませ上目遣いでお願いしてみた

 「ダメです。」

 「私の貯金全部やるから!お願いします!!」

 もうヤケクソだ。

 「ダ・メ・で・す」

 百戦錬磨のレイに否定されたのだが…この作戦本当に上手くいくのか?

 「お願いする内容が全然ダメです。他のお願いにしましょう。」

 何事もなかったかのように流されてしまった。他にお願いしたいことなんてないんだけど…

 「うーん…でも欲しい物とか特にないし…」

 「お嬢様物欲ないですよね。」

 「前世は普通の平民だからね。贅沢はもっていなく感じてしまう。服とかアクセサリーとかそんなにいらない。」

 「お嬢様…社交界には流行りというものがありまして…」

 アリサが言う

 「どうせ宝石店とか服飾店が儲かる為に戦略的に流行らせてるだけじゃん。それに貴族が踊らされてみんな毎年同じような服着てさー私そういうの苦手なんだよねー」

 「六歳の言う言葉ではないですね。」

 「十六歳だからね。今世と合わせたら二二歳?」

 「お嬢様は六歳の子供ですよ。前世は関係ないです!」

 レイが言う

 「まぁそんなどうでもいい話は置いといて。お父様のお願いどうしよう。」

 「簡単なことはダメですよ!可愛いって言って欲しいとか!!」

 「いや…お父様はそれさえも難しいと思うけど。」

 「とにかくちょっと無謀なお願いを考えましょう!」

 お父様と距離を感じるから仲良くなれるようなお願いにしようかな

 「じゃあ一緒に演劇を見に行くとかはどう?」

 「簡単すぎません?もっとこの世の全てを手に入れるような鉱山を貰うとかはどうです?」

 「レイ。そんなこと王様でも出来ないわよ。演劇に誘うのはいいと私は思いますよ。旦那様はお忙しい人ですし、お嬢様の演劇ごときに時間を取るとは思えないですからね。」

 「アリサめっちゃハッキリ言うじゃん。」

 「私は結構無謀なお願いだと思うので。いいんじゃないでしようか。」

 「うーん…確かに旦那様には厳しいかもな。」

 「じゃあお願いが決まったから実行するだけね。」

 「まだです!ここで練習してください!」

 「練習ならさっき三パターンしたよ?どれがよかったかな?」

 「俺はめっちゃ可愛く言うのが一番いいと思います!」

 「私は泣き落としの方が効くと思いますね。」

 「じゃあさっきと同じで可愛く言ってから泣き落とししてみるか。」

 今日もお父様は夜遅くに帰ってくる。六歳の年齢では寝てる時間だけど眠れなくてバッタリ会って廊下でお願いする。これが今日のおねだり作戦の計画だ。

 上手くいくとは…到底思えないけど…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ