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第116話 犯人探し

「これはこれは。生徒会長ガーネット・スリー様。いらっしゃると思っていましたよ。新聞部へようこそ。狭い部室で申し訳ございません。そちらのソファへとお掛けください。」

「久しぶり。相変わらず怪しいことをしているようだね。新聞部長カーコック・エド。」

「怪しいことだなんて…ただの情報収集ですよ。」

「マナをつけ回すように指示しているらしいじゃないか。」

「聖女様の情報はこの世界で一番の重要事項だからね。仕方がないんだよ。」

「その聖女様の体操服を盗んだ犯人を教えて欲しいんだ。」

「残念ながら、昨日の事件の犯人は流石にまだわからないですね。」

「へぇ…。嘘をつくんだね。」

「どうして嘘だと?」

「この学園で起こったことでエド様が知らない情報はないよ。」

「買い被りすぎですよ。」

「犯人から口止めされてるのか。相当貴重な情報と取引したようだ。犯人は中々厄介そうだね。」

「犯人の片棒を担ぐような真似するなんてリスク高いことしませんよ。知っていればすぐに教えてますよ。」

「君が知らないなんてあり得ない。どんな情報でも取引を持ち掛けるエド様がキッパリと知らないと答えるということは犯人が直接口止めをした可能性が高い。」

「…。」

「教えてくれたらラッキーという気持ちでしかなかったから別にいいんだけどね。エド様の好きそうな情報を持ってきたけれど、取引にさえ応じないのなら仕方ないな。」

「それは甘美な情報だね。是非教えて欲しかったけれど…犯人はわからないから残念だ。スリー様は優秀であるが故に色々なことを知ってしまっているだろうから。私の知らないこともスリー様はたくさん知っている。羨ましいよ。私もスリー様のように優秀になりたかったな。」

「エドは十分優秀だよ。私だけが知っている情報とエドだけが知っている情報の量は雲泥の差があるからね。」

「能力を高く買ってくれて嬉しいです。」

「犯人をすぐに見つけて捕まえたらマナは安心するだろうなと思ったからここに来たけれど…まぁいいよ。時間をかければ私は見つけられるからね。犯人を捕まえたら犯人を庇ったエド様も罰則を受けるだろうね。」

「挑発には乗らないよ。私は何も知らないんだ。罰を受けるわけないだろう?」

「捕まった後の犯人は自白すると思うけど?」

「しないよ。そういう取引だ。」

「ほら。やっぱり取引してるじゃないか。」

「あ。こんな初歩的なミスをするなんて私らしくないな。重大な情報を手に入れて浮かれてるみたいだ。」

「口を割るつもりはないか?」

「ないね。そう言う取引だ。どんな拷問を受けても話さないよ。客からの信用を失うとこの仕事は出来ないからね。」

「何の為にそんなことをしているんだ?」

「それは勿論。情報を得る為さ。」




私は新聞部から生徒会室へと帰ってきた

エドと取引をして犯人を教えて貰えれば即時に解決出来ると思ったが…口止めされていたか

聖女様に危害を加えるなんて国への反逆と同じだ

やはり用意周到に犯行に及んだようだな

スカーレット学園のセキュリティはかなり高く、外部からの犯行はほぼ不可能に近い

学園内部犯の可能性が非常に高い

内部犯ならじっくり調査すれば犯人を絞ることが出来る

それなら…

「バァ!」

「うわっ!!マナ!!!」

「アハハ!!真剣な顔してどうしたの?私が入って来ても全然気づかないんだもん。」

「体操服盗難事件の犯人を捕まえる為に考え事をしてたんだよ。」

「えぇー!!ありがとうございます!!やっぱり頼りになるなぁ。スリー様は。」

「まだ何もわかってないけれどね。」



ガチャ


扉が開き、アーネルド・マリオが入ってきた

「マナ!!ごめん…大変なことになった…」

「どうしたの?」

「聖杯が盗まれたんだ…」

「聖杯が?」

「昨日の朝まではたしかにあったのに…」

「聖杯はそんなに貴重なものなのか?」

私がマリオに問う

「そうですね…この世の全てを知っている聖杯ですから…」

「なるほど。それなら聖杯がどこにあるか知ってるよ。」

「え!?本当に!?今の話だけで犯人がわかるんですか!?」

「昨日はもう一つ盗まれた物があるだろう?」

「マナの体操服か?」

「そう。そして聖杯も盗まれたなら犯人はおそらく同一犯だ。」

「体操服の犯人もわかったのですか!?」

「それはわからない。でも聖杯の場所はわかったよ」

「どこですか?」

「この世の全てを知りたい男がいるだろう?そいつが持ってるよ。」





私とマリオとマナの三人で今度は新聞部へと向かった

「たのもーーーー!!!」

マナがそう叫ぶ

恥ずかしい

「これは皆様勢揃いで。どうぞお入りください。」

俺達三人は新聞部の部室へと入る

「聖杯を返してください。」

開口一番マナが言う

「聖杯?なんのことです?」

「惚けないでくださいよ。エド様が持っているってこっちは知ってるんですから。」

「そんなものは知らないな。」

「そんなこと言っていいの?この国の騎士団にこの部屋もエドの部屋も探させるわよ?見つかったらどうなるかわかるわよね?」

「…。」

「早く渡しなさい。それは盗品で私のものです。」

「はあ…わかりました。聖杯は返します。国への反逆行為はしたくないからね。」

「この聖杯ベラベラ喋るから知りたいこと全部教えてくれたでしょう?」

「そうだね。とても有益な情報を貰えたからまぁいいかな。」

エド様は隠していた聖杯を持ってきた

「うわあああああああああん!!華ちゃーーーーん!!」

「久しぶり。アルテミス。神様のくせにどんどん威厳がなくなるね。」

「怖かったあああああ!!助けてくれてありがとおおおおおおおお!!」


やはり聖杯でエドを口止めしていたようだ。マナの体操服も聖杯も盗むなんて…犯人の目的はなんだ?マナへの嫌がらせだけでこんなにリスクの高いことをするだろうか?

調査を進めないとな…




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