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第115話 フォークダンス

泣き腫らした目を白魔法で治した後、職員室へ向かいローズ様が着る体操服を借りに行った

その後、私はローズ様の体操服を着て再びグランドへ行く

クラスメイトに

「あれ?なんでローズ様の体操服着てるの?」

と聞かれたので

「盗まれたちゃったみたい。」

「え…えぇ!?だ、大丈夫なの?」

「ローズ様が体操服貸してくれたから大丈夫。」

「ローズ様は体操服二枚持ってるの?」

「いや。ローズ様も持ってないよ。学校の体操服を借りてる。」

「マナ様が借りればよかったんじゃ…ちょっとブカブカですし。」

「ダメなんだって。」

「どうしてですか?」

「私はローズ様のものだって学園中に伝える為に。」

私はにっこりと微笑む

ローズ様の体操服は

私を守ってくれる大切なお守りだ



体育祭は白組の勝利に終わり,最後はフォークダンスで終わる

乙女ゲームらしいイベントだ

男女に分かれてフォークダンスを踊る

ワンフレーズ踊ったら男女のペアがチェンジしていく

一般的なフォークダンスだ



「マナ。」

「スリー様。」

「どうしたの?その体操服。」

「盗まれちゃって。」

「えぇ!?本当に?」

「うん。」

「マナでもいじめに遭うんだね…。」

「目立つとどうしても標的にされやすいんだよ。出る杭は打たれる。スリー様と同じ。私達何も悪いことしてないのにさ。本当に世の中理不尽だよね。」

「それでもマナには戦える強さがあるじゃないか。」

「そんなのないよ。」

「え?そんなカマトトぶらなくても…」

「私をなんだと思ってるの!?普通に怖くて泣いたよ。」

「自分のことになると意外に弱いんだね。」

「でもローズ様が守ってくれたから。全然平気になっちゃった。」

「それは良かった。だからローズ様の体操服を着てるんだね。」

「そうなの。ローズ様に守ってもらってますーって学園中に見せつけてるんだ!!」

「フフフッ。じゃあその下に私の名前ガーネット・スリーも入れておいてよ。マナの体操服を盗んだ犯人は生徒会長として必ず捕まえてみせるからさ。私にもマナ親衛隊の仲間に入れておいて。」

「優秀なスリー様が探してくれるなら百人力ですよ!ありがとうございます!」

「どう致しまして。困ったことがあったらいつでも頼ってね。私はいつでもマナの力になるよ。」




「マナ。」

「ニック。」

「どうしてローズの体操服を着てるの?」

「私の体操服が盗まれたから。ローズ様に貸して貰ったの。えへへー。いいでしょう?」

「…そうだね。似合ってる。」

「ありがとうー!」

「ローズはマナを助けた騎士というわけだ。」

「そうなの!!かっこよくて可愛くて素敵でしょう?」

「その体操服…マナが欲しがったの?」

「違うよ。ローズ様が貸してくれたの。これを着ればローズ様のものになれるから。ローズ様が私を守る為に貸してくれたんだー。」

「そう…嬉しそうだね。マナ。」

「うん!!凄く嬉しい!!!」

「俺の髪飾りは?」

「え?大切にしまってるよ!」

「毎日付けて来てよ。」

「えぇ…壊したくないし無くしたくないんだけど…」

「それならまた買ってあげるからさ。俺も髪飾りにマナが幸せになれるように願いを込めてるんだ。お守りとして毎日付けてよ。」

「うーん…初めて貰ったものだからこそ大事にしまってるんだけど…」

「お願いマナ。」

「まぁ本人がそう言うなら付けてくるよ。明日から毎日ね。」

「うん。きっとマナを守ってくれるから。」

「ありがとう。ニック。」



「マナ。」

「レックス。」

「ローズ様の体操服着て…彼シャツみたいだね。マナ。」

「…あの。怒ってる?」

「面白くないに決まってるだろ。」

「…。」

「…ごめん。ただの八つ当たりだ。情けない。マナがローズにキスしたのだって、嫉妬で頭がおかしくなったし、マナが泣いてる時に助けたのがローズ様だったのも悔しくて仕方がないんだ。」

「うん…。」

「マナが自分から好意を示して懐いているのはローズ様だけだ。マナの言う通りローズ様は可愛くてかっこよくて…凄い人だ。でも俺だって絶対に負けてない。今日はたまたまローズ様が近くにいたからローズ様が騎士になっただけ。俺が真犯人を捕まえてマナの本当の騎士になるから。」

「ありがとう。心強いよ。」

「絶対捕まえてみせるから。…今日は格好悪いところ見せちゃってごめん。みっともなかったよね。俺。」

「いいじゃない。」

「よくないよ。マナは悪くないのに八つ当たりした。最低だ。」

「いいんだよ。完璧じゃない人間なんていないんだから。」

「でも嫌な気分にさせただろう…?」

「そんなことないよ。言ったでしょう?格好悪いところみせろってさ。いいじゃない格好悪くても。私は格好悪いレックスも好きだよ。」

「ちょっとよくわからないな…」

「フフフッ。まだまだ恋について修行が足りないね。」

「恋についてマナにマウント取られたくないよ。何も知らないくせに。」






「ぎゃ!!!何すんの!!!クリス!!」

「そんな体操服着るな!!俺の体操服を着ろ!!!」

「臭い!!!汚い!!!やめてよ!!!」

「臭くねぇ!!!いいから着ろ!!!」

「やーだー!!!私はローズ様のものなのーー!!」

「あの女…マナ様はみんなのものとか宣っていたくせに。自分は抜け駆けしやがって。」

「私はローズ様のものだよ。」

スボッ

私は無理矢理クリスの体操服を着せられた

「これで俺のものだな。」

「最低!!!」

「安心しろ。俺がマナの体操服盗んだ犯人地獄に堕としてやるから。」

「たぶんこの学園で一番優秀なスリー様が見つけて解決してくれますから。クリスは出番ないよ。」

「じゃあ見つけた後、地獄に堕とす役をする。スリー様はそんなこと出来ないだろう?」

「嫌な予感しかしないから何もしないで…」

「絶対殺す。」

「そんな物騒なこと言ってるやつに任せられないです…」



攻略対象全員とフォークダンスを終えて私の体育祭は終わった




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