表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/280

第11話 モブ令嬢の現実

「本日よりマリアお嬢様入れ替わり阻止の為におねだり大作戦の計画を練ろうと思います。」

 レイが朝起きて急に話掛けてきた。

 「うるさい。まだ寝起きなんだからゆっくりさせて〜」

 私は欠伸をしながらダラダラと答える。

 「もうちょい寝かせて〜」

 「ダメです!!」

 布団を取り上げてレイが言う

 「ひどい!!朝ぐらいダラダラしたっていいじゃない!」

 「お嬢様の入れ替わりがかかっているのです!!早く作戦を練って完璧に仕上げないと!!」

 「そもそもお願いってなんの練習するのよ!そんなことに練度があるの!?」

 「そんなのはわからないけど、失敗は絶対に許されない超超超重要任務です!!真剣に取り組んでくれないと困ります!」

 「私だってみんなと離れたくないからアーネルドらしくしようって頑張ったけどさぁ〜」

 「……やっぱり入れ替わらないようにマリアお嬢様はアーネルドらしくなろうと努力してたんですね…」

 あ…ちゃんとは言ってなかったか。昨日、アルテミスが説明してたからわかってはいたと思うけど

 「マリアお嬢様…」

 ベッドで座る私をレイが抱きしめる

 「一人で抱えて辛かったですね…これからはどんなことでも俺に相談して下さい。絶対にマリアお嬢様をお守りしますから。」

 レイ……私こそ辛い思いさせたのにごめんね。

 私が抱きしめ返してありがとうとお礼を言おうとすると

 バリッと私とレイをアリアが引き離す

 「レイ……貴方最近度が過ぎますよ。ベッドで使用人が主人を抱きしめるなんて言語道断!!奥様や旦那様に見つかったら即!!解雇!!されますからね!!」

 アリサが怒る

 「まさか貴方マリアお嬢様を女としてみてるなんて……」

 「そんなわけないだろ!!お嬢様は俺の世界一大事なご主人様だ!!そんな邪な気持ちあるわけないだろ!!」

 「マリアお嬢様の未来の結婚話に取り乱してたクズのくせに。」

 「マリアお嬢様はアーネルド家にずっといるのが一番幸せなんだよ!」

 「でも本人はここから出て幸せの家庭を築くことが夢なんでしょう?世界一大事なご主人の夢を否定するなんて…護衛騎士失格よねぇ?」

 「ぐううううう」

朝からなんかヘビーな話を聞かされてしまった。もう一度寝たいけどお腹も空いたので食堂でご飯を食べることにした。

 

 食堂に着くとお母様がいた

 「マリア。昨日はマリオと出掛けたそうね。」

 「はい!お母様!とっても楽しかったです!」

 とびきりの笑顔で答えると

 「そう」

 と満足気ににっこりして答えてくれた。

 「それでね!お兄様が私のこと世界一可愛いって!!お嫁に出すときは悲しいんだろうなぁって言ってくれて〜」

 「世界一可愛いわけないじゃない」

 ピシャリとお母様が言う。

 「え…だって…お兄様はそう言って…」

 「世の中には貴方より美人で可愛くて素敵な女性がたくさんいるのよ?顔だけで言うなら貴方は中の下ってところかしら。一重だし、顔に華がない。あまりハッキリ言いたくはないけどブサイクね。」

 「ひどい!!母親の言うことじゃないー!」

 「ひどくありません。これは教育です。私は現実というのを教えているのですよ。マリオやレイが貴方を馬鹿みたいに可愛がるから勘違いしてしまっているみたいですが、貴方は!ブサイクです!!」

 なんてこった…初めて言われたよそんなこと……世の中モブ令嬢ってこんなこと言われるの?

 「え…このままだと本当に嫁の貰い手ない?」

 「ないです。頭がよくても単純バカのブサイクはモテません。」

 「家柄はいいんだからなんとかならないの?」

 「同世代には誰にも相手にされないから独身の貴族じじいに拾われて嫁ぐことになるわよ。」

 「そんな!!ちょっとお見合いとか婚約者とかなんとかいい人捕まえてよ!!」

 「こんなバカ娘紹介できるわけないでしょ。相手のご子息に苦労をかけさせるわけにはいかないわ。」

 「ひどい!」

 これからおねだり作戦をしようとしてる時に現実を教えられた…。もしかしてレイは赤ちゃんの時から仕えてて盲目的になってるから言ってるだけで、お兄様はただのお世話なのでは……?

 「世間一般的にブサイク…。」

この世界に来てから初めて感じたモブ令嬢としてのキャラクター。マリアの顔もめちゃくちゃ気に入ってたから気づかなかった。私可愛くないのか…。

もしかして可愛くないやつがくそぶりっ子で世間的にはかなりイタイ奴なのでは…?

 「やっと自覚した?貴方が将来結婚したいみたいな話をしてたって聞いたから忠告してるの。今のマリアはお屋敷の人達や私達家族は大好きだけど社交界では絶対浮くわよ。気をつけなさい。社交界の間だけでもアーネルドらしくする方が結婚出来るんじゃない?一ヶ月出来たんだからパーティ会場でアーネルドらしくするのなんて余裕でしょ。」

 「……はい。」

 なんとなくレイがずっとそのままでいいって言ってた意味がわかった気がした。アイツ私のこと嵌めようとしてるんじゃないか?

そんな話をしているとあっという間に朝食が終わってしまった。現実を突きつけられてフラフラと部屋に帰る。部屋では

 「お嬢様!!おねだり作戦!!やりますよ!!」

 レイが張り切って準備をしていた。ブサイク女のおねだりなんて本当に効くのだろうか……

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ