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第102話 多様性の時代

「マオに命令して破滅の力を使わせたらしいな。」

私とマオは魔塔に帰ってきてミケお爺ちゃんに開口一番に責められる

「…はい。」

「マオをお前の復讐の為の操り人形にするつもりか?」

「…ごめんなさい。」

「お前はマオを人間にしたのは人として生きていけるようにする為だろう?お前が人の道を外すようなことをさせてどうするんだ。」

「全くその通りでございます。今回のことは全て私が悪いです。」

「マオが元魔王だとバレた。これから先マオは人として生きることは難しく苦労することになる。お前のせいでな。」

「…ずっと隠して生きていかせることはしません。マオが元魔王なのことは事実です。そのことをこの世界に受け入れて貰わないと…」

「マオを受け入れて貰うにはお前のせいで印象最悪になっただろうな。」

「別に大人数の人間に認めさせるつもりはありません。今回、マオの友人のチーノを救えた。チーノはマオの理解者になる。大事な人に認めて貰えればそれで十分です。」

「大人数の人間にも安全だと思わせないと生きづらいに決まっているだろう?それに今回のことでマオが処刑される可能性がある。」

「させませんよ。そんなこと。もしも処刑だと言われたら反乱を起こすまでです。マオを殺すなんて許さない。」

「マオに命令をして反乱を起こすのか?」

「もしもの場合はね。」

「やめろ。それはマオが決めることだ。マオは人を傷つけることを人一倍恐れているのに。破滅の力を使わせるなんて可哀想だろう?」

「自分の身を守る為に使わせるぐらいいいでしょう?」

「マオが自分の意思で破滅の力を使わないとだめだ。この先何があっても絶対に。」

「…わかりました。これから二度とマオに命令して破滅の力を使わせることはしません。誓います。」

「よし。約束だからな。…おいで。」

そう言ってミケお爺ちゃんは両手を広がる

私は左腕にマオは右腕に入る

そのままギュッと抱きしめてくれた

「おかえり。無事に帰って来てくれてよかった。…世界中がお前達の敵になってもわしは味方だ。」

「ミケお爺ちゃん…。」

ミケお爺ちゃんが愛情表現をしてくれるなんて初めてだった

「…ガードン王から呼び出しされている。最悪の場合も覚悟しておけ。」

私達はミケお爺ちゃんの風魔法で王城へと向かった


「ガードン王にご挨拶申し上げます。」

私は王様に丁寧に挨拶する

「…何故あんなことをした?」

「マオの大事な友人を剣で貫いたからです。」

「復讐か?」

「復讐というよりは見せしめの為ですかね。私の大事な人を攻撃すると殺されると全世界に伝えておきたかったので。」

「マオの存在が知られてもよかったと。」

「私は間違えました。やってはいけないことをしたと思っています。でも後悔はしていません。今回のことで私の周りの人間に手を出そうとするやつは確実に減るでしょう?」

「マオは離れている相手でも破滅魔法が効くんだな。」

「半径100kmぐらいまでなら使えます。視るだけなら国中どこでも視れます。」

マオが答える

「やはり魔王なんだな。マオは。」

「…処刑しますか?僕を。」

「させてくれるのか?」


「させないよ。マオは自分の意思でやっていない。マナが無理矢理力を使わせたんだ。」

ミケお爺ちゃんが反論する

「存在が危険分子だと言っている。」


「マオを処刑にするなら私達三人で国家反乱します。」

私はしっかりとした口調で

威圧的に王様へ言う

「…ほう?私の首を取ろうと?」

「罪のない人間にそんなことするわけないじゃないですか。ただマオの存在を認めてくれるまで拷問するだけです。安心してください。白魔法で元通りに出来ますから。」

私はにっこりと笑って言う

「悪魔め…」

「こんなに可愛い男の子を殺そうとする大人の方が邪悪な人間だと思いますけどね。」

「お前に正義なんてないくせに。」

「アハハ!!王様は自分が正義だと思っているの?傲慢だね。この世に正義なんてないよ。勝者が正義になるだけ。どこの世界もね。」

「魔王は悪だろう?」

「古い考え方だね。魔王が悪だなんて安直すぎるよ。今の時代は悪女が大活躍して愛されヒロインになるし、魔王がスローライフを楽しんで世界平和を目指すし…聖女が国家反乱を起こして無茶苦茶にする。多様性の次代だよ。王様。」

「恐ろしい次代だな。」

「面白いでしょう?」

「…はぁ。聖女と元魔王と世界最強の魔法使いと戦うなんて骨が折れる。お願いだから大人しく過ごして…。」

「私達だって穏やかな暮らしを求めてますよ。」

「そうか…二人が暴走しないようにミケは教育しておけ…。」

「はい。」

「じゃあもう帰って…」

「いや。待て。ガードン王。」

そう言ってミケお爺ちゃんが引き留める

「なんだ?」

「流石に何もお咎めなしはマナが反省しない。」

「俺はマナに反乱されたくないんだが…」

「わしはマオを処刑することは反対だが、マナを処罰することは賛成だ。」

「は?」

「え?嘘でしょ!?ミケお爺ちゃん!?」

「このバカ聖女を牢屋に三日間程ぶちこんでおけ。」

「な…!?マオには優しいのになんで私だけ!!差別だ!!ひどい!!」

「うるせぇ!!お前が悪い!!お前が一番悪い!!!悪いことをしたら罰を与えるんだよ。お前の今後の自己保身の為だけにマオは利用されたんだ。牢屋にでも入って反省しろ!!」

「うっ…そ、そんなぁ…」

「…ではマナは今日から三日間牢屋で過ごすように。」

王様が命じると私を牢屋へと騎士達が連行しようとしてきた

「ほ、ほんとに?やだ!!こわいよぉ!!」

私の反論も虚しくあっさりと牢屋へと連れて行かれた



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