5.1人目だ
「………食事を食べさせてもらったわけだし、お礼が必要だと思うわけだよ」
「ほぅ?」
お礼という言葉に思わず期待してしまう俺。先生はそんな俺の視線に気恥ずかしそうにして顔を背ける。
……あ、あれ?ご飯作ってもらったからお礼にお金でも。って流れな気がしないよな。なんだか嫌な予感が。先生がモジモジし始めた。え?机の下で何かやってる?一体何を………。
パサッ。
「お、お礼にこれをやる」
テーブルの上に置かれる黒いもの。見覚えのあるヤツだ。昨日も見たし、今日の買い物の後も一瞬見てしまったもの。
ここまで言ったら何が出てきたか分かるだろ?……そう。パンツだよぉ!!
「も、もうお前も気付いてるんだろ!お前の体操着盗んだメンバーの1人が私だって事!」
しかも本題が付属で着いてきやがったぁぁぁ!!!!まだそれを聞く心の準備が出来てなかったっていうののにぃぃぃぃ!!!!!
「せ、先生が本当に盗んだんですか?」
「い、いや。私が直接的に盗んだわけじゃないぞ!……た、ただ、ちょっと盗まれたのを使わせてもらったというか………」
視線をそらされる。使わせてもらったっていう言い方はあれだな。ちょっと変体臭がするな。………って、先生!?恥ずかしいからってスカートを掴まないでくれ!そんな強く掴んだら中がもろに見えるだろ!パンツ履いてないから隠すものがないんだよ!?
「ちょっ!?先生!流石に履いて下さい!中が見えちゃってます!」
「え?あっ。あわわわわわわっ!!???」
先生は可愛い慌て方をしながら立ち上がる。ガタリと椅子も倒れた。
俺びっくりだよ。変態にも羞恥心はあったんだな。俺にその場で脱いだパンツ渡してくるくらいだから何も感じないのかと思ってたよ。
「……み、見えたか?」
先生は恐る恐ると言った様子で尋ねてくる。ここで嘘をつくのもどうかと思うので、黙って頷いておいた。まさか先生の生を見ることになるとは。
「うぅ///」
恥ずかしそうにして赤い顔を両手で隠す先生。な、なぜだろうか。変態のはずなのに。変態のはずなのに可愛く見える!もう1度言う。変態のはずなのにぃぃ!!!!!!!
「くぅぅぅ。あ、明日からは私は別のパンツはいてくるからな!バレてしまったし!あと、私以外は全員学生だからな!女子一同って言葉は嘘じゃないから!そ、それと、私のことを奴隷に出来るのは全員見つけてからだからな!勘違いするなよぉぉ!!!!」
「え?あっ。ちょ!?先生!?」
言いたいことを一方的に早口で告げる先生。最期に勘違いするなよと言って走り出した先生は、そのまま外へと出て行ってしまった。出て行くのは良いのだが、本当にパンツ履いて帰らないつもりなのだろうか。電車の座席に座ろうものなら確実に前に座っている人から見えるぞ。あと、転んでも確実だな。
「……はぁ。とりあえず片付けるか」
俺は立ち上がって、皿洗いを始める。こうして家事をしている間に心を落ち着かせないとな。
まあ、色々あったが初日から変態を1人発見できたんだ。よしとしよう。奴隷云々はともかく、俺の体操着を盗む危ないヤツは知っておいた方が良いだろう。明日もこの調子で、変態を探すとしようか!
【???】
「もぉ。先生~。流石にバレるの早いって」
「うっ。す、すまん。でも、こけてしまったんだから仕方ないだろ……」
「……はぁ。まあ、1人頼りない先生がバレただけよ。まだ5人もいるんだし、私たちが気をつければ良いんだわ」
「あっ!あれですねぇ~。ヤツは四天王の中でも最弱!ってヤツですねぇ~?………先生のザァ~コ!…………でも、羨ましくもありますねぇ~。早く、先輩に分からせて欲しいですぅ~」
「………変態?」
「私たちが言えたことではないですよ。……本当に、バレたくないはずなのに見つけて欲しいと思うのはなぜなんでしょう」
幸里の変態捜しはまだまだ終わらない。
「体操着の代わりに女子のパンツが入ってた ~パンツの持ち主を見つけて下さいって言われても、どうやって確認すれば良いんですか?~」 《完》
この作品は一旦ここで終了です!
この作品の他にも同じような短さの作品を休みの間に毎時投稿予定ですので、作者のページから「長編化予備群」のシリーズを覗いて頂ければ!!
人気があった作品は長編化します。勿論この作品も……チラチラッ(ブックマークや☆をつけて頂ければ、続きが書かれるかも……
1時間後は次の作品、
弁当に髪の毛が入ってたので文句を言ったら隣の女子が話しかけてきた 女子「髪の毛と爪と○液、どれが良い?」 僕「え?○液」
が投稿されます。興味のある方は是非こちらも。