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2.変態女子一同だ

「で、でも、男子の気がしないんだよなぁ。なんか妙に甘いというか、変態みたいだけど良い匂いがするし」


ほんのり漂う良い香り。確実にこのパンツ群から香ってきている。……様な気がする。

ほ、ほら。流石にここで匂いを嗅いだら完全な変態じゃん?確かめちゃうのはマズいじゃん?……いや、でも、………。

と、とりあえず続き読むか!


「そして、最後にお願いです。私たち、パンツの持ち主を見つけて下さい」


………WHAT?

え?持ち主を見つけろと?何その無理ゲー。女子に、「これはあなたのパンツですか?」とか聞けるわけないじゃん!ただの変態じゃん!

い、いや、待て。さっきも思ったけど、まだ女子のものだと確定したわけじゃないんだ!男子のものの可能性も………ダメだな。男子に聞くにしてもこの女物のパンツを持って、「ねえ。これってお前のパンツ?」って言うのはアウトだろ。男子にしても女子にしても聞けるわけないじゃないか!

……ま、待てよ。こんな変態プレイさせるようなことは向こうもしてこないはず(そう思いたい)だし、何か方法があるんだろう。きっと続きに何か方法が書いてあるはずだ!読むぞ!


「とは言いましても、見つけ方なんて分からないと思います。そこで、ヒントを上げましょう」


うんうん。その通りだよ。よく分かってるじゃないか。俺を変態にしないための救済策は必要だよ。


「明日から見つけてもらうまで、同じパンツをはきます。入ってたのと同じパンツだ!と思ったら声をかけて下さいね」


…………。


「…………ふ、ふざけんなああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!なんだよそれぇぇぇぇぇえぇぇ!!!!!!!!!!」


む、無理ゲーも良いところだろ。俺に他人のパンツを確認しろってか?確かにうちの学校ミニスカの子とかいるから階段で覗こうと思えば覗けるけど!でもそんなことやりたくねぇよ!普通に変態じゃないか!

……い、いやでも、ちょっと待て。さっきから考えてるけど、男子の可能性だってあるんだよな?男子のを見るとしたら体育の前後の着替えがある。あそこで俺は確認すれば良いんだよ!

ただ、ないとは思うが女子だった場合どうするんだとかという気持ちもある。俺はこの荒ぶる心を落ちつかせるため、あえて紙の続きを読むことにした。


「安心して下さい」


おっ。何だ?さらなる救済策か?俺は女子のスカートの中を覗かなくても良いって事か?


「同じパンツを4着ほど買っているので、毎日洗濯できます」


いや、そうじゃない!そうじゃないよ!俺が求めてることはそんなことじゃないんだよ!

ま、まあ、そんな同じパンツを毎日はいてたら匂いと稼働するんだとか思わなくもなかったけど!なかったけど、そこまで気になってないから!俺が気になるのは、俺が女子のスカートの中確認しなきゃいけないかどうかだけだから!

こ、このままじゃいけない!新しいヒントを得るため、手紙の続きを読むんだ!


「絶対見つけて下さいね。全員見つけてくれたら、あなたの奴隷になります。敬具。変態女子一同」


お、終わったぁぁぁ!!!!メッセージ終わっちゃったぁぁぁぁ!!!ヒントなんてなかったぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!

発狂したい。いや。心の中ではすでにしてるけど、実際に声に出して叫びたい。じゃないと、こんな現実受け入れられない。


「どうしろっていうんだ!俺にどうしろって言うんだよ!俺は女子のパンツなんて覗きたくねえよおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」


パンチラが偶然のものなら、まだ俺もラッキーって思うくらいは出来るぞ?でも、故意にそれをやるのはマズいだろ。普通に変態じゃん。いや、人の体操着奪って自分たちのパンツ入れていく奴らの方が変態ではあるけれども!


「………ふぅ」


1度呼吸を整える。流石に混乱しすぎていた。もう1度しっかりと最後の分を読もう。ヒントがなくて絶望してたけど、それ以上にヤバいものがあっただろ。

最後の1文。「全員見つけてくれたら、あなたの奴隷になります」って、かなりヤバいだろ!?なんだよ奴隷って!俺は奴隷なんて求めてねぇよ!別に女の子は嫌いじゃないけど、俺は普通に恋愛がしたいよ!普通に彼女が欲しいよ!!

で、最後の文に加えてヤバいのがもう1個。敬具の後の差出人。

「変態女子一同」だぞ。もう女子なのが確定しちまったじゃねぇか!男子のイタズラじゃないって分かっちまったじゃねぇか!……ま、まあ、まだ心は乙女な男子って言う可能性もあるけどさ!でも流石にここまでくるととその可能性が薄いって分かっちゃうよ!


「………明日から、どうしようかな」


俺はなんだか考えるのが馬鹿らしくなってきて、とりあえず制服とパンツを洗濯機にぶち込んだ。その間、俺は明日のことを考える。

実は明日も体育があるのだ。つまりどういう事かって?また明日も体操着が盗まれる可能性があるって事だよ。俺は予備の体操着も持ってるからまだ2着手元に持っているが、もう1着盗まれたらマズい。体育2連続で来たときにかなりきつい。

とりあえずの策としては、盗まないで下さい!って書いた付箋を体操着に貼っておくのが良いかもな。うん。そうしよう(思考放棄)。

そういうことにして、俺は適当にやるべき家事や勉強をこなしてからこの日は終わらせた。余談ではあるが、パンツと一緒に洗った制服から非常に良い匂いがしたとだけは書いておこう。



【???】

「……今頃、幸里君は悩んでるかな?」


「そうじゃないかしら?……も、もしかしたら女子のスカートをめくったら確認できるとか考えてるかもしれない」


「いや。幸里はそんなバカじゃないだろ」


「そうですかぁ~?先輩のバカっぽい顔、私は好きですよぉ~」


「……ん。同意」


「あ、あれ?幸里君の頭が良いって思ってる私は少数派なんですか?」


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