1.パンツだ
この作品は今日中に全て投稿し終わる予定です。
いつも通りの日だった。学校が終わってカバンを背負い、体操着を入れた袋を持った。その時にも違和感は感じたのだ。
やけに袋が軽いと。
それでも俺は特に気にすることなくその袋を持って帰ってしまった。まさか、俺の体操着がなくなっているとも知らずに。
「ただいまぁ!」
一人ぐらいのため返事は帰ってこないが、できるだけ家に帰ってきたときには元気よく声を出すようにしている。なんでって?それは勿論、家に1人だと寂しいからに決まっているだろ!!誰かきて欲しいぜイエェイ!
なんて、ハイテンションにいないと本当に寂しくなってしまう。ホームシックというわけではなく、純粋に人肌が恋しい。でも、友達は呼べるけど毎日は無だし。彼女なんていないし。
「……はぁ」
そんなことを考えていたらテンションも落ちてしまい、俺は荷物を床に下ろした。部屋に荷物を運ぶ気力が起きない。
「洗濯、するか」
運ぶ気になれないなら、別のことをすれば良い。ポジティブシンキングだ。俺は着てきた制服と授業で使った体操着を洗おうと、まずは制服をお縫いで着替えた。着替える服はたたんでいない洗濯物があったのでそれを着る。そして、着替え終わった俺は体操着を洗濯機まで持っていこうと袋を開き、
「…………」
俺は無言で袋を閉じる。それから深呼吸。心を落ち着かせてからもう1度袋を開き、
「……………………あぇ?」
思わず変な声が出てしまった。本来、俺が体育で使った体操着が入ってるはずの袋。袋には俺の名前がしっかりと書いてある。そのはずなのに!袋に入っていたのは、
「……パンツ」
そう。パンツだ。しかも女物。しかもしかも、1枚だけではない。5枚くらいある。しかもしかもしかも、全部種類が違う。
「………うぇ、ええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!??????????」
その日、人生で1番の大絶叫をした。でも許して欲しい。俺の体操着がなくなってパンツと入れ替わってるなんて、生まれて初めての経験なのだから。
因みに、この部屋には防音機能がついているため絶叫で近所迷惑になる事はない。今日、引っ越して初めてこのムダに高性能な部屋に感謝した。
「……と、とりあえず出してみるか」
1枚ずつ俺はパンツを取り出していく。まず黒パン。次にクマパン。そして赤パン。それから白にピンク。最期に水色。クマと赤と白とピンクは普通の布。黒がレースっぽい生地で、水色はひもパンだった。全てまだ生暖かく、入れられてからそこまで時間が経っていないような気がしてしまう。白パンに至っては、微妙にシミがついていた。
……なんだろう。ものすごく悪いことをしている気分だ。俺の今の状況を客観的に見れば、明らかに俺が犯罪者にしか見えないだろう。
「……ん?何だこれ」
頭痛が痛くなるような状況の中、無心でパンツを取り出していると袋の中にパンツ以外の入っているものを発見。とは言っても小さな手帳の1ページのようで。何か枯れているがパンツほど重要なモノでも無いだろう。
なんて甘い考えを俺は持っていた。まず、書いてあることを読んでみよう。
「えぇと。拝啓 黒川幸里様」
黒川幸里は俺の名前だ。ここまでは普通の手紙だな。いや。名前の位置は間違ってるか?……まあいい。気にすることじゃないな。続きをいってみよう。
「突然で申し訳ありませんが、あなたの体操着は私たちが頂きました。ありがたく今日は活用させて頂きます」
いや、活用って何!?書き方が怖いんだが?俺の体操着どうなっちゃうんだよ!?
……お、落ち着け俺。まだ慌てる段階じゃない。この文章から収穫があったのだ。それを整理しよう。
まず、意図して俺の体操着は盗まれている。こんなメモが袋に入れているのだから、間違いないだろう。そして次に、この行為は集団で行われていると言うことだ。私たちと書かれているから、1人による犯行ではない。
ここまで読んで分かるのはこれくらいだな。続きを読もう。
「ただ、一方的に頂くのも悪いので、お返しに私たちのパンツを入れておきます」
私たちのパンツ!?え?マジで言ってるの?これ、女子による犯行って事!?男子のイタズラじゃないの!?
……い、いや。待て俺。私たちのとは書いているが、履いたことがあるとは書かれてない。つまり、ただ買っただけの可能性もあるわけだ!男子の可能性も残されてる!
続き行こう!続き!!
「6限目に脱いだ脱ぎたてほやほやのパンツです。是非ご使用下さい」
ご使用下さい!?……な、何に!?
いや、何にかはなんとなく分かるけどさぁ!?女子の下着を男子が手に入れてやることなんて、ほとんど限られてるじゃん!それでご使用下さいなんて言われたら、思いつくのはエッ!なことしかないんだけど!?しかも脱ぎたてとか言われると、さらに変態性の高いことやるような気がするじゃん!
……いや、待て。脱ぎたてとは書いてあるけど、まだ女子と決まったわけじゃない。男子が脱いだものを入れた可能性だってある訳じゃん。いたずらにそこまですると、逆に感心するけど。
【???】
「すぅ~~はぁ~~~~」
「……あぁぁぁ!!!!満たされるぅぅ!!!!!」
「……うう!幸里君の匂いが私の中に!」
「くっ。匂いを吸っただけでもうパンツが使い物にならなくなってしまいましたぁ~」
「…………変態?」
「その台詞は体操着を鼻から離して言って下さい。……私も言えたことじゃないですけど」