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22/23

デート

 俺が会議室に戻るとサキは会議室の床にちょこんと座ったままこちらを向き「おかえり~」と声を掛けてくる。


 俺は彼氏としてサキと接し、サキに最後のいい思い出を残す。


 そう心に決めた。


 カオルとの「サキとのバディを解消する」との約束を破ることになるが事情を説明すればきっと理解してくれるはずだ。


「ただいま~」


「結構長かったね。ちょっと寂しかった」


「ごめん。ちょっと話が長引いちゃってね。今日は時間が出来たことだし外に出ないか?」


「はい」


「それじゃ~、レッドレイクに行こう」


 俺とサキは転移石を使い、レッドレイクに来た。


 サキと湖畔の林の中の一本道を肩を寄せ合いながら歩いてる。


「別に用事があって来たわけじゃないんだ。ただ、サキと一緒に過ごしたかっただけでね」


「ありがとう!」


「ここの街を俺はあんまり知らないから湖の周りをふらふらと散歩するだけになるけどいいかな?」


「うん!」

 

 湖畔を10分ほど歩いてると、少し高台になって湖が見える見晴らしのいいベンチのある広場に来た。


 まだ街の中扱いなのか辺りにはモンスターも居ないようだ。

 

「ここに座ろう」


 木製のベンチに積もってる落ち葉を片付けて、サキに座るように勧める。


 サキが座るのに続いて俺も座った。


 湖からは心地よいそよ風が流れこずえを揺らしている。


 サキとはあんまりちゃんと話したことなかったのを思い出す。


 俺は自己紹介を兼ねて今までの経緯をただひたすらに話した。


 妹と同じ学校に通っていること。


 妹に誘われてこのゲームを始めたこと。


 ログインに遅れて妹とはぐれたこと。


 敵に襲われて死にそうになったこと。


 妹に助けられたこと。


 初期村まで妹に抱えられて飛んで行ったこと。


 村の入り口で変なローブの男に出会ったこと。


 俺は今まで起こった事をただ一方的にまくし立てるようにサキに話していた。


 話す話題が無くなって話が途切れ、サキの身の上に起こっている事を話し始めるのが怖かったのだ。


 サキは静かに頷きながら俺の話を聞いていてくれた。


 だが、この世界に降り立って10日ちょっとの俺の話す事など1時間もしないうちに尽きてしまう。


 二人の間に沈黙が訪れた。


 辺りの小鳥の鳴き声と、梢が揺れて葉と葉が擦れてなる音が耳に届く。


 何か話さないと……話さないと……。


 そう思っても頭の中に浮かぶのは「彼女3日後に死ぬんです」というキョウヤさんの声だけであった。


 話題に詰まって出来た長い沈黙が自分が話す番だと理解したサキが話し始める。


「私、もうすぐ死ぬんです」

 

 ぐはぁぁ!


 前振り無くいきなり核心の話題かよ。


 サキさん、いくらなんでも直球過ぎるだろ。


 俺は身も心も動揺を隠せなかった。


 サキはうつむきながら自分の過去を話し始めた。


「私、子供の時から外を遊び回れない程、体が弱かったんです」


 サキは自分のことを語り始めた。


 こうなったら聞くしかない。


 俺はサキの目を見て話を聞く。


「今日みたいなお散歩は生まれて初めてでとても楽しいです。


 わたし去年ぐらいから凄く体調悪くなって、今年の初めにお医者さんに見てもらったらかなり病気が進行していて何回か手術受けたけど治らなくて……、次の手術が最後らしいんです」


 サキは話を続けるが、俺は相槌を打つことも出来ずただ頷くだけだ。

 

「たぶん、その手術で私はこの世を去ります。

 

 私の胸には大きな手術(あと)があって人にはとても見せられないような状態で、もう私、恋とか出来る状態じゃないんで生きてる価値もないんです……。


 私、ベットの中で毎日泣いて暮らしていました。


 そんな私を見かねて、お父さんがこれなら病弱な私でも遊べるからって言ってこのゲームを勧めてくれたんですよ。


 あんまりゲームする気分じゃなかったんですけどお父さんが必死に勧めてくるので、ちょっとだけって事でプレイしてみたんです。


 そうしたら、何の痛みも苦しみもなく歩き回れることがこんなにも楽しい事だったなんて……。


 自由に歩き回れる事が楽しくてこのゲームにハマっちゃいました。


 キョウヤさん、アツシ君、エミリさんとも出会ってとても楽しい毎日でした。


 でも、アツシ君とエミリさんの仲良しカップル見てるとちょっと寂しくなっちゃってね……。


 私にも、彼氏が出来ないかなと……。


 そんな時に、レイジ君と出会ったんです。


 同世代のお兄ちゃんみたいな感じの人。


 優しくていつも私を大事にして守ってくれる人。


 カオルさんと仲良かったみたいだけど、別れたって話を聞いたら気持ちが抑えられなくなって……。


 こうして一緒に居てくれるだけでも嬉しいです」


 そう言うとサキは俺に寄り添ってきた。


 俺はそっとサキの肩に手を廻してそっと抱いてやる。


「私、もうすぐ死にます。それまででいいので、私と付き合ってくれませんか?」


「何言うんだよ。俺はもうサキの彼氏だろ?」


 俺がそう言うと、サキは大粒の涙を流して泣き出した。


 俺はそっとサキの頭を俺の胸で抱え込み泣き止むまで泣かせてやる。


 しばらくするとサキは泣き止み、ポツリと言った。


「私、この世を去ってレイジ君と別れたくない」


 俺はサキの顔を上げハンカチで涙を拭ってやった。


 その潤んだ瞳の泣き顔を見ていると、あまりの愛おしさで無意識のうちに唇を重ねてしまう。


 雲の様に柔らかい唇だった。


 サキもその潤んだ瞳を閉じで俺の口づけを受け入れてくれる。


 サキの唇からは何とも言えない香りがし、子猫の様に小さな吐息が速まっているのも感じられる。


 二人だけの時間、二人だけの世界。


 その中に俺たちは漂っていた。


 何時までもこの時間が続いてほしい。


 俺はそう思っていた。


 サキもきっとそう思ってるはず。


 辺りは風が強くなり冷たい風が吹く。


 ピクンとサキの身体が震えた事で、俺は幻想的な時間から引き戻された。


「寒かったか、サキ」


「大丈夫」


 サキは俺に寄り添って一言いった。


「ありがとう。最後まで彼氏でいてね」

 

 サキを見ていると愛おしさで胸が張り裂けそうになった。


 これが本当に好きになるって事なんだな……。


 俺たちは一言も発せずに寄り添ったままベンチに座り続ける。


 俺はサキの肩に手を廻し、その体に刻まれる鼓動を感じていた。


 湖畔を吹く風が辺りの梢を鳴らしサキがまた震える。

 

「寒いか?」


「ちょっと……」


「街へ戻ろう」


「はい!」


 ベンチから立ち上がり、レッドレイクの街へ向かった。


 レッドレイクの街に行くと、昼時なのかこの前来た時と比べかなり混んでいる。


 串焼き屋に行き串焼きを買いサキに渡した。


「好きなだけ食べていいよ」


 サキは受け取った串焼きを小動物の様に小さい口でハムハムと食べる。


 その姿を見てるだけで俺は幸せな気分になれた。

 

「もうおなか一杯」


 三分の一しか食べて無い串焼きを俺に返してきた。


「遠慮してるんじゃないよな?」


「ううん、本当にお腹いっぱい」


「ここの串焼き、大きすぎるんだよな~」


「ちょっと大きいね」


 こんな大きい串焼きを何十本も食べる猛者が居るのを知ってるが、あれには驚きだ。


 俺がサキが食べ残した串焼きを食べ終わると、ジェネシスのクランに戻ることにした。


 クランに戻ると、アツシとエミリが戻ってきている。


「遅かったなお前ら、どこ行ってたんだ?」


「デート」


 サキがポツリと言った。


「デートかよ。お前ら本当に仲いいな~」


「この、ラブラブ~」


 いや、お前らの方がずっと仲いいだろう……。

 

「ほれ、土産みやげだ。ありがたく食えよ」


 紙の包みを渡すアツシ。


 開けてみると寿司折だった。


「ありがと。お前がこんな事するの珍しいな~」


「サキのついでだからな。勘違いするなよ!」


「ついでかよ」


「ついでだ!」


「ついで、ついで~」

 

 俺とサキは貰った寿司折を食べた。


 寿司の酢の匂いが物凄く懐かしい感じがし、目頭が少し潤む。


「コイツ、美味くて泣いてるよ!」


「アツシも『うまいうまい』って泣きながら食ってたじゃん」


「あれはな~、ワザビにやられたんだよ!」

 

 この2人が居ると陽気な気分になれていいな。


 ふと横を見ると、サキがハムハムと頑張ってスシを食べていた。


 小さい手で小さい口に運び口いっぱいに頬張っているのが可愛い。


 そんな時、ギルドの入り口の扉が開かれた音がして、何かが倒れるような音がした。


「荷物でも届いたのか? ちょっと見て来いよ」


 アツシに言われて玄関に行くとそこにはとんでもない物を見た。


 血だらけになって意識を失ったクリハラ部隊長であった。


「なんで血だらけなんだよ?」


 俺の声を聞いてやって来たアツシも言葉を失う。


「うは! まじか?」

 

 俺は2階の資料室から側近の男と話し込んでいたキョウヤさんを呼びクリハラ部隊長の治療を行ってもらう。


 意識が戻ったクリハラ部隊長は信じられないことを口にした。


「討伐隊が全滅した」


 *


 俺たちはギルドの玄関に倒れ込んだクリハラ部隊長の治療の行方を見守っていた。


 まるでボロ雑巾のように血だらけで傷だらけであったが治療のかいあってか、意識を取り戻したクリハラ部隊長は朦朧もうろうとした様子で話し始める。


「討伐隊が全滅した」


 乱れた呼吸の中でそうつぶやく。


「まさか……」


 レイナもカオルも死んだだと?


 にわかには信じられない。


「何が起こったんだよ!」


 アツシはクリハラ部隊長の胸ぐらを掴んで聞き返している。


 俺は興奮するアツシを押さえつけその腕をクリハラ部隊長から振りほどいた。


「メデューサに石にされた」


 メデューサとはギリシャ神話に出てくるモンスターで、元々は前世代の神だったが海神ポセイドンと男女の関係を持ったために嫉妬しっと深い女神アテナにより頭の髪の毛はヘビ、足もヘビの尻尾といった醜悪しゅうあくな怪物に変化へんげさせられたという言い伝えのあるモンスターだ。


「カオルが居るから、そんな敵は余裕だろ?」


 カオルが負けるなんて俺はにわかには信じられなかった。


「いや、あのスキルは万能じゃなかったんだ」


「どういう事だ?」


「俺も無敵と思っていたんだが……。確かに一体一の戦いならばあのスキルは無敵だったが、複数の敵には弱かったんだよ」


「複数戦ならば、イノシシの獣人拠点で四天王とか言うのと戦わなかったか?」


 確かイノシシの獣人拠点で乱戦は経験してるはずだ。


 クリハラ部隊長は俺の言葉を否定する。


「いや、あれは大技メインの発動まで時間の掛かる敵が相手だったからな……」


 *


 ──今から1時間ほど前……


 ──魔王城三階 最終封印部屋


「お~うし! ここをクリアして封印解除すれば、魔王様とご対面出来るぞ! お前ら気合い入れていけ!」


 赤獅子騎士団団長のサイトウが討伐隊員に激を飛ばす。


「おお~~!!」


 辺りからは凄まじい音圧の雄叫びがあがる。


 部屋の中にはメデューサが2匹、部屋の奥にある玉座の様なものに座っていた。


「来たか子ネズミ共よ!」


「こやつら、キーキー五月蠅いの~」


「姉よ、やってしまうか?」


「妹よ、やってしまおう」


 そう言うと2匹は玉座から立ち上がり、手には槍のようなものを持ってこちらに歩き始めた。


 歩き始めたって言うのは正確ではない。


 奴らには足が無くヘビの様な胴体で床を物凄いスピードで這うように進んで来たのだ。


「ものども、陣形を組め!」


 赤獅子団長サイトウの大声が飛ぶ。


 その声と共に一瞬で陣形が組まれた。


 カオルを守る防御陣形。


 戦いはカオルを軸として行われていた。


 カオル……黒髪長髪を持ったその少女は杖をメデューサに向け唱え始める。


 『ブレイク』


 その声と共に、メデューサの突進が止まった。


「な、なんなんだこれは?」


「う、動けない!」


 突如として動けなくなったメデューサ達は動揺を隠せなかった。

 

「ものども、掛かれ!」


 その声と共に軍隊蟻が獲物を狙う如くメデューサに集中攻撃を始める。


 大剣の攻撃、槍の攻撃、弓の攻撃、魔法の攻撃。


 ありとあらゆる攻撃がメデューサたちに豪雨の様に降り注ぐ。

 

「なぜだ、なぜ動けん!」


「悔しや、悔しや!」


 メデューサ達は一度も動けずにその場で倒れた。


「よし! お前らよくやった! 完璧だったぞ」


 サイトウ団長が戦闘をねぎらう。


 だが、横に居た神聖騎士団団長のワタナベは浮かない顔をしている。

 

「どうしたんだ? ブロント? 何か気になるのか?」


「倒したのに、封印が解除されませんね……」


 確かに部屋の奥にある封印の宝珠からは光が失われていなかった。


 サイトウ団長は一瞬で青ざめた顔に変わった。


「お前ら陣形組み直……」


 そこまで言った瞬間、サイトウ部隊長は天井にへばり付く何者かを見た。


 頭の髪の毛のヘビで天井に噛みつきぶら下がっていたメデューサである。


 サイトウ部隊長がその存在に気が付いた瞬間、3匹目のメデューサが目の前に落ちて来てサイトウ団長を赤い怪しい光を放つ目で見つめた。

 

 ぐっ……。

 

 サイトウ団長は大理石の彫刻の如く真っ白に変色し固まった。


 メデューサの怪しい眼光で石に変えられたのだ。


 メデューサは指揮官の男が石になるのを確認すると、次のターゲットであるカオルの防御陣形に襲い掛かった。


 物凄い速さで強烈な体当たりをかまし陣形を崩壊させた。


 陣形を組んでいた殆どの者は弾き飛ばされて転倒し、床に突っ伏すか尻餅をついた状態だ。


 ターゲットであるカオルも転倒。


 そして床に倒れおびえる少女、カオルの目の前にメデューサは立ち怪しい眼光を浴びせた。

 

「助けて! レ……」


 少女は襲い掛かるメデューサを見た恐怖の表情のまま石像へと変えられた。


「団長も、カオルもやられた!」


「うわぁぁぁぁ!」


「俺たちに勝ち目はない!」


 先ほどまでの戦勝ムードとは事なり、恐慌が部屋を支配し討伐隊員は恐怖に支配されパニック状態になった。


 さっきまで統制の取れた軍隊蟻は、今や逃げ惑う虫けら。


 まさにそう言った感じの群衆になり下がった。


 それからはメデューサの一方的な見せ場のオンステージである。


 討伐隊の隊員は次々と断末魔の石像へと石化させられて、最終封印部屋は足の踏み場のない程の数の恐怖の表情で固められた石像であふれ返る。


 まさに地獄絵図。


 地獄の彫刻美術館をそのままこの世に持ってきたような光景だった。

 

「死にたくね~!」


 僅かな討伐隊の生き残りであった第三部隊隊長のクリハラは意を決して部屋の窓ガラスをぶち破り部屋から逃げた。


──これが討伐隊全滅の一部始終であった。


 *


 クリハラは話を続ける。


「カオルの『ブレイク』でメデューサを2匹さくっと倒したんだが、どこからか沸いた3匹目のメデューサにカオルがあっさり石化されて、そのあとはなすすべもなくメデューサにやられて全滅した。ガチの戦いには強いが乱戦で懐に飛び込まれると脆いみたいだな」


「カオルが本当に死んだのか……」


 にわかには信じられない事であった。


「ああ、やられた。カオルもレイナもな。あっという間の出来事だった。俺は窓の外に飛び出して屋根の上から転移石使って逃げようとしたら窓の外に屋根なんて無くて、3階から地面に叩きつけられてこのざまだ」


「クリハラ部隊長、戦って重傷負ったんじゃないのかよ……」


 俺は呆れて開いた口が塞がらなかった。


「俺は勝てる見込みのない敵に挑むほど馬鹿じゃねーよ」


 なんかチキンな行為してるのに物凄く威張ってるぞ。


「確かに、メデューサは石化無効の装備かアクセサリが無いとキツイですからね」


 キョウヤさんがクリハラ部隊長を擁護するようにコメントを挟む。


「クリハラ部隊長、魔王城はどこまで攻略を進めましたか?」


「7体の小ボス倒してキーアイテムを手に入れて、3つの封印部屋を解除して最後の封印部屋まで来たところまで進めたぞ」


 自分じゃ何もやってなさそうだけどやたら誇らしげに語っている。


「なるほど。魔王攻略直前まで進んでたって事ですね」


 キョウヤさんは気がかりなことが有った。


「戦闘不能になると30分で街に戻ってくるはずなんだけど誰一人として戻って来ないですね」


「それがな~、ホームタウンに死に戻りするカウントが3分でなく30,000分になってたんだよ……」


「カウントまでリアル3分の10倍の30分で無くて、3分の10,000倍ですか……。このゲームの中の時間だと約20日ですね。さてとどうしますかね……」


 キョウヤさんは腕を組み、少し考え込む。


「明日になると道中の敵や倒した2匹のメデューサがリポップして復活して大変なことになりそうなので、今から助けに行きましょう」


 俺たちだけで討伐隊が全滅したような敵に挑むのか?


 それこそ犬死になりそうな気がするが……。


「俺たち5人しか居ないけど……」


 俺はつい本音を言ってしまう。

 

 でもキョウヤさんは力ずよく拳を掲げる。


「大丈夫です。対メデューサ戦のアイテムさえ有れば何とかなります」


 そんなものがあるのか?


 まあ、ゲームだから強敵には弱体アイテムがあるのが当然か。


「そのアイテムはどうやって手に入れるんです?」


「神器レリックは敵を倒せば100%ドロップですから簡単に手に入りますよ。メデューサ討伐に使えるレリックも種類は違えど沢山ありますし、ドロップ対象の敵も沢山いますしね」


 そうなのか。


 キョウヤさんの話だと案外簡単なのかもしれないな。


 階段を降りて側近の男がやって来た。


 今は派手な緑色のメガネを掛けてないので、かなり落ち着いた雰囲気に見える。


「キョウヤ君、行くのか?」


「はい、対メデューサ戦のレリックを取りにレスティア氷河に行ってきます」


「レスティア氷河でレリックと言うとタイタンか……。私も行きたいところなんだけど砦の転移石を持ってないので、レッドレイクからの歩きで間にあったら合流するよ」


「ありがとうございます」


「頑張るんだぞ。じゃあ私は準備が済み次第向かう」


 側近の男はそう言うと階段を登って行った。


「それじゃ、僕たちも行きましょうか。レスティア氷河の砦に飛んでください」


「おうよ!」


「いえ~い!」


「了解です」


「はい」


 俺たちは吹雪の荒れすさむ氷河に向かった。

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