チームワーク
赤獅子騎士団団長サイトウは頭を抱えながら悩んでいた。
「俺が解らないのはさ、キョウヤはどっちかって言うと大集団の上に立って、周りに指示を出しながら全体の戦力を引き出し、能力を底上げしながらサポートをすると言うのが得意だったろ? それがなんでこんな少人数のリーダーやってるのか俺には解らないんだよ」
「僕もなんでこんな事やってるのかよく解りませんね」
キョウヤは空を見上げながら笑った。
「でも、敢えて理由を言うなら楽しかったんですよ。この子たちと遊ぶのか」
キョウヤは遠い目をしながら思い出す。
「彼らと出会ったのはクローズドベーター2の初期村で、そこからの付き合いですね。それ以来、ゲームにインしてる時は大体彼らと一緒です」
「こう言っちゃなんだけど、奴らと全然性格違うのにどうして組む様になったんだ?」
「ん~、あえて言えば最初はボランティアかな?」
ふふふと、思い出した様に軽く微笑むキョウヤ。
「ボランティア?」
「ベータの時にやり残した低レベルクエストを消化してる時に偶然彼らと出会ったんですよ。初期村の外でレベル1なのにレベル7のダンゴムシに何度も挑んで死にまくってる二人が居たので見かねて……かな?」
どこかで聞いたような話だな。
額から冷汗が流れてくるわ。
*
──今から半年前。
──クローズドベータ2、終了一週間前。
初期村ビレジ近郊の草原。
キョウヤは神級モンスターのポップ時間の隙間を縫って、未プレイクエの消化を行っていた。
クエストはビレジの村で受けた簡単なお使いクエストだ。
ダンゴ虫を倒してドロップするレアな甲羅を五個集めて、依頼主に渡すだけの簡単なクエストである。
そのクエをクリアする為にダンゴムシを倒していると、すぐ近くから怒鳴り声が聞こえて来た。
「ぐはー! いてー!」
「いったー!! めっちゃ強いよ! こいつ!」
その声の主は、中学生らしい女の子と、それより少し大きいたぶん高校生らしい少年の二人だった。
キョウヤは楽しそうに騒いでいる二人を戦闘の手を止めてボーっと眺めていた。
「これは、ラスボスクラスの強さだね!」
「こんなのどうすりゃ倒せるんだ!?」
「どうする逃げる?」
「男が売られた喧嘩から逃げたらかっこ悪いだろ!」
「最初にこのダンゴムシに喧嘩売ったのはアツシだよ! 町出たらいきなり飛び掛かってたじゃない!」
「そうだったっけ?」
「そうなの! それにしても、こんなもの町のすぐ外に配置するって運営の人頭おかしいよ!」
「いや、これはあれだ。俺たちのレベルを上げさせないで、沢山月額課金を盗ろうとする作戦だ! 今はベータテストだからこんなもので済むが、正式サービスが始まったら目からビーム出す様な魔人が町の外をウロツキ始めるぜ。きっと!」
「マジー!?」
「マジ!」
キョウヤが騒がしい男女の二人組を遠目で眺めているとダンゴムシが丸まった。
これは間違いなく体当たりの来る前兆だ。
二人のHPを見ると敵の攻撃で削られていてどちらも一桁。
これは次の攻撃で死んでしまう。
無理だと悟ったキョウヤがとっさに少年に回復の呪文「ヒール」を使う。
だが僅かに回復呪文が間に合わず少年は倒れる。
慌てて蘇生の呪文を唱えるが霧が晴れる様に消えてしまった。
もう一人の女の子も芋虫の攻撃を受け倒れる。
そして少年と同じく霧の様に消えた。
「ホームポイントに戻ったな」
このゲームで死んだ場合、蘇生方法は二つある。
一つは蘇生の呪文『リバイブ』を受け、その場で生き返る事。
もう一つはその場での復活を諦めてホームポイントと呼ばれる復活場所にて生き返る事。
そのどちらにもデメリットが有る。
リバイブでの蘇生を受けた場合、5分間の衰弱状態に陥る。
衰弱状態とは生命力であるHPが半分となり、移動速度も半分、能力値であるステータスがすべて半分になる事だ。
文字通り衰弱して、戦闘に参加するのが困難な状態になる。
パーティー戦では衰弱となった者は、前線の戦闘から離脱して後方支援に廻るのが常識である。
ソロや少人数パーティーの場合、衰弱しても後方支援に廻れるような枠は無いので、基本的に使われることは無い。
『ホームポイント戻り』の場合、経験値を失う。
衰弱状態が無い代わり、次のレベルまでのレベルアップの必要経験値の四分の一を失う事になる。
次のレベルアップまでの必要経験値の少ない低レベルでは、衰弱状態になる蘇生よりも圧倒的にホームポイント戻りの方が好まれる。
その為、少年たちはホームポイント戻りを選んだんだろう。
そんな事を考えていると予想通り、さっきの少年が血相を変えてホームポイントから戻って来た。
「あのやろう! 許せねー! ぶっ殺してやる!」
もう一人のパーティーメンバーの女の子を待たずに一人でダンゴムシに飛び掛かる。
当然、倒せるわけも無くすぐに戦闘不能。
そして再びホームポイント戻り。
それと入れ違いに女の子がやって来た。
「よくもアツシをやったな! ゆるさない!」
威勢よく飛び掛かるものの、やはり返り討ちを受けて戦闘不能。
そしてホームポイント戻り。
二人は壊れた機械の様に、延々と戦闘不能とホームポイント戻りのループを始めた。
「うっぜー! なんでこんなに強いんだよ!」
「なんて強いの!?」
「ここで逃げたら男じゃねー!」
「もー! なんなんもー!」
「ゆ、ゆるせねー!」
「あー! もう!」
「ぜってー許せねー!」
見ると二人のレベルは共に1。
対するダンゴムシのレベルは7だった。
これでは勝てる訳がない。
これは無駄な死に戻りを止めさせて、説明しないといけない!
そう思ったキョウヤは少年の前に立ちはだかり戦闘を止める。
「あのー、ちょっといいですか?」
「なんだよ! 邪魔するのか?」
「いえ、そうじゃなくて」
「じゃあ何だよ!」
「ちょっと、落ち着いて」
「あ! わかった! お前、俺たちの獲物を横取りする気だろ!」
「いや、そんな事は……」
「これは俺の獲物だ! 横取りなんてさせねー!」
「横取りなんてしませんよ」
「じゃあ、なんで邪魔するんだよ? 答えによっちゃお前をぶん殴るからな!」
キョウヤが少年との話の取っ掛かりを掴めず困り果ててるとそこにもう一人の女の子が戻って来た。
「アツシ、どうしたの?」
「いや、コイツが戦うのを邪魔してくるんだよ」
「邪魔?」
「いえ、邪魔じゃなくて」
「何言ってるんだよ! 思いっきり邪魔してきたじゃねーか!」
エミリはキョウヤを見つめると何か解ったような表情をして頷いた。
「アツシ、もしかしてこの人、私たちの仲間に入りたいんじゃない?」
「そうなのか? それならもっと早く言えよ!」
「ええ。まあ……」
戦闘の説明するだけの筈だったのにパーティーに入る事になってしまったキョウヤ。
――今日は暇も有るし、戦闘の仕方を教えながらこの初心者の子たちと遊んでもいいかな?
キョウヤはそう考え、一緒に遊べるようにパーティーに入る直前にレベルを9まで下げパーティーに加入した。
「おっしゃ! あの芋虫に再戦するぞ!」
「するぞー! 今度は勝つよー!」
またしてもレベル7の芋虫に再戦しようとする二人。
このレベル差では勝てる訳がない。
必死にそれを止めるキョウヤ。
「ちょっ! ちょっと待ってください!」
「なんだよ! いいとこなのに水を差すなよ」
「あの敵は強すぎるから、もう少し弱い敵と戦いましょう」
「ははーん、怖気づいたな」
「ビビったなー!」
「ええ。まあ」
「しゃーないな。初心者のお前に合わせて弱い敵と戦ってやるよ」
そう言うと少年は更に強いレベル12の芋虫に突っ込もうとする。
慌てて止めるキョウヤ。
「だ、ダメです! それはダンゴムシよりも、もっと強い敵ですよ」
「なんでそんな事わかるんだよ?」
「見れば解りますよ」
「俺にはどう見ても芋虫にしか見えないが?」
「じっと見つめるんです」
「じっと見つめる? 見つめても芋虫は芋虫だぞ」
「そう言う事じゃなく、じっと見つめるとステータスが表示されませんか?」
「そんな物表示されねーよ。兄ちゃん何言ってるんだよ。訳解んねーよ」
「訳わかんないねー」
「じゃあ、こうしよう。兄ちゃんが戦う敵選べ。俺らは全力でそれを退治してやる」
「じゃあ、あのダンゴムシから行きましょう」
キョウヤが指さしたのはLV3のオカダンゴムシだった。
そのダンゴムシに飛び掛かる少年。
「いくぜー!」
「おー!」
ダンゴムシにまとわり付くと殴り始めた。
「俺のストレートを受けやがれ!」
「私のキックは痛いわよ!」
それは滅茶苦茶な戦闘だった。
二人は敵の攻撃の回避とか無視で、ただひたすら殴り掛かる。
レベル3のダンゴムシなので、それほど強い敵ではない。
だが、敵の攻撃を全段被弾する二人はすぐにHPゲージを減らし、死にそうになる。
キョウヤはヒールの呪文を使い必死に回復をした。
それは手慣れたプレイヤーが集まる赤獅子騎士団の神級モンスター討伐戦を超える難易度の回復である。
HPが少ないので回復の遅れが即、死につながる戦闘。
キョウヤは敵の攻撃に合わせ最速での回復を心掛ける。
厳しい戦いだったが、すぐに決着はついた。
キョウヤに僅かな疲労感と大きな達成感が満たされる。
「ふー! やっと倒せたな」
「うんうん、倒せた」
「初めて敵を倒しましたね」
「初めてだね」
「どうだい? 兄ちゃん! 兄ちゃんも初めて敵倒せて気持ちよかったろ?」
「ええ。まあ」
普段、どんな強敵でも倒すのが当たり前の赤獅子騎士団に所属しているせいかこう言う感覚を味わったのは久しぶり、いや初めてだったかもしれない。
僅かな疲労感がとても心地よい物に思えた。
「おっしゃー! 次行くぞ!」
「おー!」
「はい!」
少年の掛け声で次なる敵を戦う事になった。
「では、あの敵を倒しましょう」
*
戦闘は楽しかった。
気が付くと騎士団からの神級モンスターの出現時間を知らせるカットインメッセージや、団長からの呼び出しを無視して延々と狩りを楽しむキョウヤがそこにいた。
既に日が傾いて、辺りが真っ赤に染まっていた。
「ふー、随分倒したな」
「うんうん、随分倒した」
「随分倒しましたね」
「俺もこんなに倒せたの初めてだよって言うか、兄ちゃんと組む前は一匹も倒せなかったんだけどな」
「うんうん、三日間一匹も倒せなかったね」
「そうなんですか? それはちょっと酷いですね」
「酷いだと! まあ、酷いのは本当だけどよ。わははは」
少年が笑うと皆が笑った。
「あのさ、兄ちゃん、これからも俺たちと一緒に遊んでくれないか?」
「わたしも、お兄さんと遊びたいな~」
「ええ。まあ」
即断出来なかったのは、キョウヤの脳裏に団長の顔が浮かんだからだった。
「お前を頼りにしてるぜ」と言ってくれた真剣な団長の顔だった。
「なあ! 兄ちゃん、いいだろ?」
「いいよね? お兄ちゃん!」
目の前にも、キョウヤを慕ってくれる二人の顔が有った。
キョウヤは思い悩んだ末に、二人と遊ぶことにした。
赤獅子には僕の代わりになる人はいくらでも居る。
でも、この二人には僕しかいない。
僕がついてあげないと!
「僕はキョウヤ。僧侶をメインにプレイしてます。よろしくお願いします」
「兄ちゃん! 俺はアツシって言うんだ。武闘家だ。よろしくな!」
「あたしはエミリ。同じく武闘家。よろしく!」
そうして、キョウヤはアツシとエミリの二人と固定パーティーを組む事となった。
*
キョウヤが昔話を思い出していると、異常なレベルのイエティが居た氷結回廊の入口に辿り着いた。
既に洞窟の前には大勢の騎士団団員が集まっている。
洞窟内の下見を済ませて来た、忍者風の装束に身を包んだアサシンの少女が団長に偵察結果を報告をした。
「確かに洞窟の中に崩れている場所が有りました。そこで気配感知のスキルを使った所、明らかにレベル99を超える反応のモンスターが居る事を確認しました」
「偵察ご苦労。助かるぜ!」
「いえいえ」
「じゃあ、打ち合わせ始めるぞ!」
赤獅子騎士団サイトウ団長はそう言うと各部隊のリーダーを集め打ち合わせを始める。
アサシンの少女は団長に報告を済ませると霧の様に姿を消した。
そしてキョウヤの後ろに霧の様に現れる。
「久しぶりね、キョウヤさん」
「お久しぶりです。翡翠さん」
「今は本名だからルミよ。キョウヤ君は、もう赤獅子には戻って来ないの?」
「今のとこは戻る予定は無いですね」
「そうなのね。じゃあ、今度二人で飲みにでも行きましょう」
「ぜひに」
「じゃ、あとでメッセ入れるから。またね」
そう言うとアサシンはつむじ風を起こし、落ち葉を舞い散らしながら姿を消した。
「今のは、どなたです?」
「昔、僕が赤獅子騎士団に所属してた時のバディですよ」
「バディ?」
「アツシ君とエミリさんみたいな、親友みたいなものです」
「キョウヤさんにそんな人が居たんだ」
「ええ。昔の話ですけどね」
キョウヤさんと、そんな事を話していると打ち合わせの終わった赤獅子騎士団団長から号令が掛かった。
「いくぞ! お前ら!」
「おー!」
団員が次々と氷結回廊の中へと飲み込まれていった。
*
氷結回廊の奥まで進むと、アツシとエミリが落盤させた場所に辿り着く。
通路の天井の岩盤が崩れ落ち巨大な岩が通路を塞いでいる。
激しい落盤で通路がどこに有ったのかさえも解らなくなっていた。
落盤の向こう側では俺たちが戻って来た事に気が付いたのかイエティが獣の鳴き声を上げていた。
「こりゃ、思った以上に派手に壊してくれたな。行けるか? テツマ?」
「任せて下さい!」
テツマと呼ばれた、バーサーカーが大きな鉄斧を構え洞窟の前に立つ。
そしてバーサーカーの後ろにはパラディンが数名控え、その後ろをアタッカー勢が並ぶ。
「よし! いくぞ!」
「おー!」
赤獅子騎士団団長の掛け声と共に、バーサーカーが落盤に『ショルダーアタック』で体当たりをする。
すさまじい勢いの突進だ。
落盤はバーサーカーの圧倒的な重力加速度の体当たりを受けると小石が弾け飛ぶように通路の奥へと消えて行った。
「よし! 陣形を保って進め!」
バーサーカーが下がり重装備のパラディンが先頭となって進む。
通路を駆け抜ける獣の咆哮!
「ウォウアオ!!」
通路の先にはイエティが待ち構えていた!
「やっと来たか! 随分と待たせたな!」
イエティーは吐き捨てる様に吠えると隊列目掛けて突進をして来た。
その突進を大盾で防ぐパラディン。
パラメーターを全て防御に割り振ったパラディンはその攻撃を軽々と受け止めた。
「やるな! ならばこれならどうだ?」
イエティは拳を振り上げ、重い重い拳の攻撃を放つ。
極太の丸太の様な腕がパラディンを襲う。
「ぐっ!」
盾が鈍い音を上げて、パラディンの顔が歪む。
さすがに重装備のパラディンでも、これだけのレベル差が有ると完全に防御するのも少し厳しいようだ。
だがHP自体は俺が防御した時と違い、殆ど削られる事は無った。
「なかなか頑丈だな! ならばこれで! フローズン・クロー!」
イエティの爪に氷属性の冷気が纏わりつく。
そしてその爪がパラディンを切り裂いた!
パラティンは一撃で体力の半分以上を削り取られる。
先程まではほぼノーダメージだったのに今は一撃でHPゲージの半分程を持って行かれている。
「一体何が起こった?」
俺がひとり呟くように言うと隣に立っていたキョウヤさんも呟く様に言った。
「物理攻撃が効かないので、魔法攻撃に近い属性攻撃に切り替えたようです。ベータテストの時は単なる体力馬鹿で、こんな高度な技は使わなかったんですけどね……これは少し厄介ですね」
イエティは勝ち誇ったように辺りのプレイヤーを睨みつける。
「次の一撃でこいつはお終いだ! その後お前ら全員、あの世に送ってやるぜ! ウハハハ!」
「そうはいかねーよ!」
その笑い声を遮ったのは赤獅子騎士団団長サイトウだった。
「スイッチ!」
サイトウが手を振り降ろすと、ダメージを受けたパラディンが下がり控えていたパラディンが前に進み出る。
「む!」
勝ちを確信していたイエティの表情が曇る。
「なんだと!?」
先ほど攻撃を受けたパラディンは目の前から消え去り体力が満タンのパラディンが目の前に立っていた。
攻撃を繰り出し続けるイエティ。
そして攻撃を受けたパラディンが下がり入れ替わる。
常に盾となるパラディンが入れ替わるので、一撃で沈められない限りパラディンが倒されることは無かった。
「きたねーぞ! お前ら!」
「レベル100越えのお前が言うセリフかよ!」
赤獅子騎士団団長サイトウは横に立っていたキョウヤに向かって微笑む。
「これは、キョウヤ、お前が作った作戦の『スイッチ』さ」
「その作戦は僕が作ったんじゃなく、織田信長の火縄銃三段撃ちを真似しただけなんですけどね」
「そうだったのか? てっきりお前が作った作戦かと思ってたぜ」
「ええ」
「お前が指示してたんだからお前が作った事にしとけや。ブハハハ!」
そう言って豪快に笑う赤獅子騎士団団長。
イエティはなんども攻撃を繰り出すものの、攻撃を受ける度にパラディンが入れ替わる事でその攻撃はほぼ無力化されていた。
そして、パラディンの後方からは無数の飛び道具や魔法による攻撃が降り注ぐ。
レベル152のイエティと言えども集中豪雨の様な飛び道具の攻撃を受け続けたら堪らない。
飛び道具を持たないアツシもエミリも落ちた瓦礫を投げつけていた。
「ぐぬぬぬ! なんという数の騎士だ。ここはひとまず退散して、形勢逆転のチャンスを!」
「逃がすか!」
背を向けて逃げようとするイエティにパラディンのシールドアタックが襲う。
足元をすくわれて転び、身動きが取れなくなるイエティ。
イエティは地面に伏せたまま、倒された。
「おっしゃー! たおしたぞ!」
歓喜の声が氷結回廊にこだまする。
チームワークでレベル100を超えるモンスターを倒したのだ。
俺達は赤獅子団に共に氷結回廊の出口までやって来た。
「ありがとうございます。サイトウさん、お陰で氷結回廊を抜ける事が出来ました」
「どうってことねーよ。これから俺たちはこの洞窟に他のヤバい奴がいないか、もう少し見回ってみる。お前達とはここでお別れだな」
「助かりました!」
「いいって事よ」
俺達は赤獅子騎士団に見送られて氷結回廊を後にした。




