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わたしと彼

作者: りえ

働いてて辛いときに思い出してしまう昔ばなし。

私にとって今も忘れんようにしてる大切な人のお話。

「りーさん!彼氏紹介します!」


「え?!ほんまにしてくれるんですか?!ありがとうございます。」


職場でひとりなのを心配されて、先輩たちからわたしに紹介してあげてとお願いされてた方が、朝のロッカーで伝えてくれた。


あんまり期待とかしてなかったのでびっくり。


どんな人なんだろ。。

老人ホームの介護士さんらしい。

介護福祉士取ろうとしてるとか。


紹介してくれた人の旦那さんのお友達らしい。。


「空いてる日、教えて下さい!調整するんで!」


「えーっと。。来週の土曜日なら。。」


「分かりました!」


うわー。。

本当に会わせてもらえるんだ。。

緊張してきた。。

来週、何着て行こう。。


今まで紹介は2回くらいあったけど、自然に消滅してしまってたからな。

わたしも29だし。。

良い人やとええけど。。


その日は慌ただしく過ぎていき、当日を迎えた。


当時は冬のちょっと手前の秋の終わりで。

わりとあったかい格好をして行った。


大阪のご飯のお店でお顔合わせすることに。

紹介してくれる方のご家族と一緒に、梅田へ向かう。


駅へ到着すると、その方の旦那さんが


「お!久しぶり!」


少し体は大きめでガッチリした感じだけどやさしい感じの人。


「はじめまして、上原といいます。」


「よろしくね。北見です。」


なんか良さげの感じの人。


そのままご飯屋さんへ。


なんかいろんな話で盛り上がる。


「病院の事務さんなんだね。ブラインドタッチとかできるの?」


「ああ。。一応できます。。」


「へー、すごい!」


紹介してくれた方の、ご家族ぐるみで仲良くしているみたい。


わたしがちょっとお手洗いへ行って、帰ってきたら鯛めしが!


「おいしそう~」


「みんなでたべよー。」


なんかいいなあ。。

ほのぼのする。


こんなことできるってしあわせだな。


と思ってたら、相手の方がお手洗いに。


すると、紹介してくれたご夫婦が、


「だいぶあなたのこと気に入ってるみたい。」

「いい子だーって。良かったあ。」


「え?!」


びっくりした。

そんなこと言われたの初めて。

ちょっと緊張してしまう。


その日はご飯を食べて終わり、お別れしてご夫婦と家の近くの駅まで帰ると、旦那さんが


「今日はあいつのおごりなんで、ありがとうってメールしてやってください。」


と、相手の連絡先を教えてくださった。


わー。。

なんか楽しかったし、わたしなんかでいいのかな。。


家に帰ってきて、お礼のメールを。


『たのしんでもらえて良かった。また今度会わない?』


『ぜひ、お会いしてみたいです。』


『じゃあさ。。今度は上原さんの地元で会おうよ。』


で、来月また会う事に。


大阪の人やし遠いから、気を使ってくれてるのかな。


2週間後、家の近くに車で迎えに来てくれた。

「こんにちは。」

「わざわざ来てくれてありがとうございます。」


運転好きなのかな?

あれ?

助手席に乗ると。。


あ、二人きりなんだ。。

なんか気恥ずかしい。


彼の態度もなんとなく違うような。。

なんかかっこいいなあ。。


「車の運転すきなんですか?」

「うん。職場でもよく車出してって同僚とか上司に頼まれんねん。」


「大変ですね。。」

「うん。。僕さ、女性苦手やねん。。女の人怖いで。。」


?!

わたしに信頼して話してくれてるのかな。


「あ、でもわたしも職場の人間関係結構、大変で。。」

「わかるわー。。僕も疲れる。」


とかなんとか話しながら、ショッピングモールに到着。


「ここの駐車場止めにくいらしいんですよ。」

「そうなんや、でも入れそうやで。」


車を止めてもらって、モールの中へ。

ふたりでお店を散策。

インテリア雑貨のお店では


「こういうさ、家具買って自分好みのインテリアにしたいんよなあ。今、実家なんやけど、家もらえる予定やねん。」


「そうなんですか。。」


この話って、色々意識して話してくれてるのかな。。

うわー。。緊張する。。


楽器屋さんの前に行くと、

「僕が、小学校の頃考えた曲」


と言って、ピアノ突然弾きだして、とっても上手だった。


「え、すごいきれいな曲。。」


「死っていうタイトル。暗いやろ。。?」


半ば苦笑しながら話す彼。


「でも、すごいです。。」

「ありがとう。。」


「僕、専門学校でゲーム音楽専攻してたんよ。高校ではバンドちょっとしててん。」


「そうなんだ!?すごい!!」


楽器できる人って尊敬してしまう。。

思わず言ってしまった。


この日はご飯をモールで食べて終わって、夜景を観に行きたいなあって話になり、次回は神戸へ夜行くことに。


職場のお昼には


「北見さんと、どんな感じ?」

「はあ、良くしてもらって。。」

「関西ウォーカーとかみて、色々連れてってもらうねん!」

「いいんかな。忙しそうやのに。。あ、でも今度夜景見に行くことに。。」

「ええやん!がんばれ!」


という感じでみんなには言わん方がええで、内緒になということに。。


あくる日の土曜日。

いよいよ朝から1日神戸で会えることに。。

お化粧とかもちゃんとしやんと。。

服も少し前に、お店で少し買っておいてよかった。

ダウン着て、お気に入りのカバン持って。。


「行ってくるねー。帰りは夜になるから。」

「気をつけてね。」


やさしい父と母に送られて外へ。


なんかいつも車出してもらってるから、悪いよね。。

もう、寒いし自販機でペットボトルのお茶かコーヒーでも買おうかな。


ガコン!


運転してもらうしあったかい緑茶とカフェラテを買ってみる。

どっちか選んでもらおう。


待ち合わせした場所で車を待つ。


「今日はありがとうございます。こんにちは。」

「待った?大丈夫?」


車に乗せてもらって

「カフェラテとお茶どっちが良いですか?」


「ありがとう。僕はお茶にするわ。」


ホルダーにお茶のペットボトルを入れてくれた。


神戸に向かって下道を走る。

なんやかんやと音楽をかけてもらいながら、仕事のこととか普段のことを雑談。


こんな感じで、男の人と車でドライブするのは、ほぼ初めてだから、一緒にいれるだけで楽しいな。

このまま時間が、止まったら良いのにな。


ハーバーランド近くに到着。

1日止め放題のところを探したみたい。


「まず、南京町行こか。どうやって行ったらいい?」

「車止めて、電車かな?」


駐車場の外を歩いてて、思わず彼を腕にギュッと捕まってみた。

怒るかなあと思ったら、頭をわしゃわしゃされた。

良かった。。ほっ。

ふたりで思わず笑ってしまった。


手を繋いで南京町へ。

お昼はここで、食べることに。 

有名な豚まんをふたりで買って食べると美味しい。

他の中華そばとかの屋台も回ってみたり。

「美味いね。」

「わたしも豚まんくらいしか食べてなかったから美味しい。」


そのまま電車で神戸駅まで戻り、ハーバーランドへ。

気づくと日が暮れていて、MOSAICで晩ごはん。


うわー。。

こんなことしてもらうの始めて。。

海が見えるし、ポートタワーきれいやし。


ここでもいろんなことを雑談。


MOSAICを歩いて、雑貨屋さんでペンダントを見かけると。

「どれがいい?」

「え?いいの?」

「せっかくやし。」

「じゃあこれ。」


プレゼントまでしてもらった。

これも初めてだなあ。

かわいいペンダント。


観覧車の前まで来て

「上から夜景観ようか?」

となり、乗ることに。


記念写真も撮った。


ガコン!


動き出す観覧車。

海のそばの夜景だ。。


きれいだなあ。。


てっぺんに来ると、彼が近くに寄ってきた。

え。。?


顔が、近くにあって。。

あ。。


顔が離れる。


「もう一回する?」

「えっと。。」


また近くに寄せられて。。


あわわ。。

初めてキスされた。。


ぐるーっと観覧車は回って下に到着。。


わたしはぼーっとしたまま。


写真をプレゼントしてもらって、そのまま駐車場へ。


まだぼーっとしてるわたしをみて。

ちょっと心配そうに


「あの。。いきなり変なことしてごめん。。嫌やった?」

と言われて、びっくりして。

「あ、いや、違うの。されると思わんかったから。。嫌なんじゃないねん。。」


「いや、でもごめん。。」

こんなとこもあるんだ。。

なんかまた彼を好きになってしまった。。


車で道を引き返して、近くまで送ってもらう。


車を降りる前に、ふたりで向き合ってしまい、なんかフッと空気が落ちる感じで、またキスして帰った。


わー。。

なんかすごいことになってしまった。。

あわわわ。。


次の日もゆっくりしても、月曜日もぼんやりしてしまった。。

仕事しなきゃ。。


年末は六甲山で夜景をみるって。。


来年も一緒にいれたらいいなあ。。

もしうまく行かなくても一生の思い出だ。


この半年後、一旦彼の事情で分かれるのですが。。

六甲山の話や他の日の話、3年後の話はまた今度。

読んでくださりありがとうございました。

その後や他の日の話はまた後日。

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