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あたし、黒崎月渚は
腫れて今日7月7日で16歳になり、口うるさく行って来る母親のもとから去り
念願の1人暮らしを始めることに
一応一通りの事は出来るつもりだ
だけど、まだ、実家にいるのは
「月渚」
「何?」
「お母さん、再婚しようと思うの」
再婚、か
そう考えていると言うことは、ずっと続いていたのだろう
それに、それ(再婚)を考えるほどの人なんだろう
「いいんじゃない?」
どうせ、何を言っても最後に決めるのはお母さんだ
ルンルンで、電話をしているお母さんはきっと、相手の人に電話をしているのだろう
「月渚っ」
「今度は何よ?」
「急いで支度をして!」
は?
急いで支度をしてって一体どういう事よ?
「雅也さんが今からなら会えるみたいなのよ!」
再婚相手は、雅也さんって言うんだ?
「あたしはいい。どうせ、あっても一緒に暮らさないんだから」
「何を言っているの。
戸籍上、月渚の父親になってくれる人なんだから、挨拶ぐらいしていきなさい」
メンドクサイ。
そんなんだったら、アパートにいればよかった。
「はいはい。じゃあ、支度してくるから。
挨拶したら、あたしはここに帰ってくることはないわよ?」
「分かっているわ。あのアパートに帰るんでしょう?」
「そう。雅也さんにも、アパートに住んでるなんて言わなくていいから」
「なっ」
「分かってるでしょう?
あたしが男の人が嫌いなのも、一緒にいたくないのも。
16になったら、この家を出るって言ったのは
お母さんが相手の人と暮らすのは構わないけど
あたしには、無理なことだから。アパートにまで
来られたら、ほんと迷惑なんだよ。だから
雅也さんにも雅也さんの家族にも、アパートに住んでるなんて絶対に言わないで」
「分かったわ」
しぶしぶだけど納得をしてくれたお母さん
支度をしに部屋に入り
シースルーの薄いピンクのお気に入りのワンピースに
ストッキングに履き替え、バッグの中も確認をすると
ぱあああああああああっと
今まで感じたこともないような、目も開けられないような光に包まれたと思ったら
「成功だ!」
?
へ?
成功?
成功って一体何?
何が起きたと言うの?
目を開けてあたりを見渡すと、自分がいた部屋ではないことに気づくのに
そう時間がかかるわけでもなかった
自分の部屋ではない場所。
そして、見知らぬ人たちに
見た事も無いような服を着ている人たち。
そして、ガタガタと自分が震えるくらいにいる
人の多さ。その半数以上が“男”だからだ
「ここ、は、どこ?」