表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/203

第九十四話 お土産を渡そう

 家に戻ると外は夕焼けに包まれていた。早いところ夕飯の支度をしよう。

 みーちゃんとちーちゃんはふーちゃんを連れて家の中を案内してくれている。

 とりあえずおやつの準備を・・とはいえ今日も豆大福だな。

 ふーちゃんに初豆大福を体験してもらおう。

 飲み物にはオレンジジュースを用意しておく。


「ゆーちゃん、ふーちゃんのあんないおわったの」

「ありがとな。豆大福用意しといたからみんなでお食べ」


 俺がそう言うと3人はいそいそとソファーに座って豆大福を食べ始めた。

 ふーちゃんも気に入ってくれればいいが・・


「甘くて美味しい! 僕これ大好き!」

「まめだいふくはせかいいちのおかしなの」

「・・焼き芋だって美味しいわ。世界一は言い過ぎよ」


 気に入ってもらえたようで何よりだ。

 あと先輩二人はおやつ論争起こさないように。世の中にはもっとおいしいお菓子もたくさんあるから。

 さて、今日の夕食はオーク肉で冷しゃぶにでもしよう。野菜もたくさん摂れてヘルシーだしな。

 俺は夕飯の支度をしながら明日からの予定を考える。

 本来は進路説明会の日までは『ガーデン』に潜る予定だった。

 しかしふーちゃんの加入や異世界に行ったことでやることが増えた。

 まずはふーちゃんの『ファースト』でのお披露目。これはマストだ。

 そしてエルフの村で買ってきたお土産をみんなに渡しておきたい。

 レン達はアイテム袋を手に入れたので、色々詰め込んで既に20階へと向かっている。まあ彼らはそれこそアイテム袋があるので、今回のお土産は急いで渡す必要もないだろう。

 ただあいつらとは別に是非とも渡しておきたい人がいる。

 出来れば講師を終わらせて他のダンジョンに向かう前に会っておきたい。

 そしてふーちゃんが増えたことでダンジョン内の移動も考えなければならない。具体的にはダイフクの改造だ。

 改造するのが面倒だからベビーカーにでも乗せようかと思ったけど、さすがにこの子達には小さすぎる。

 神速を使っている状態でも運べる乗り物はなかなか思いつかないのだ。

 そう考えるといろいろやることが多く、出発の日まであまり時間はないかもしれない。

 もちろん別に他のダンジョンに行く日を厳密に決めてるわけではないので後々にずらしても構わないが、あまりだらだらもしたくない。

 旅先では一応マンスリーのマンションを借りるつもりだが、料理はできるだけ家で作って持って行った方がいい。

 向こうで料理をするのはどうしても足らなくなった場合だけにするつもりだ。

 それ以外の買い出しに関しては現地に着いてからでも問題はないだろうが、豆大福だけは大量購入する必要がある。

 あらかじめ『うさぎや』のおかみさんに予約を入れとかないとな。できれば200個ぐらいは欲しいところだ。


「こりゃ『ガーデン』の探索は一時中断だな・・」


 地下4階以降も見たいし、異世界もまだまだ旅をしてみたいが、こっちのダンジョンだっていろいろ見てみたい。

 俺に冒険者として残されてる時間はあとどれくらいだろうか。

 ふと脳裏に若返りの薬のことが浮かぶが、安直なことは考えるべきではないと振り払った。



 翌日。

 まずはふーちゃんのデビューのために桜木亭に向かう。


「じゃあふーちゃん、向こうに着いたら召喚するからしばらく待っててね」

「うん。召喚してもらえれば何時でもゆーちゃんと一緒にいられるんだよね? それなら僕ちょっとの間我慢して待ってるよ」

「ありがとうな。それじゃ行ってくるよ」


 俺達3人は車に乗り込み上野へ向かう。

 そういえば車にもふーちゃんの席を用意しないと・・と考えたが、そもそも精霊に道路交通法は適用されないよな?

 キャンピング仕様にしているこの車はこれ以上席を増やすことはできない。

 ならばいっそちーちゃん加入時に取り付けた席を外して、元通りベッドにして二人座れるようにするべきか? まあ、その辺りは帰ったら考えよう。

 考え事をしてるとすぐに上野に到着する。

 車をいつもの駐車場に入れて、ちみっ子二人と一緒に桜木亭に入った。


「おう、豊。3人とも元気そうだな」

「おはようございます龍二さん」


 中に入って早々にデカい熊・・いや龍二さんに会った。

 しかしちょうどいいので早速お土産を渡そう。


「龍二さん、ダンジョン内で面白い物が出たのでお裾分けしますよ」

「何⁉ もしかしてアイテム袋か!」


 龍二さんのバカでかい声に、周りの冒険者達が一斉にこちらを振り向いた。

 その血走った目は言外に『俺(私)も欲しい!』と語っている。


「そんなポンポン出てたまるか! ちょっと面白いだけのものですよ」

「そんなポンポン出してるのがお前だろうが」


 いや、まあ確かに否定は出来ないが・・

 もしアイテム袋をあげるとしても、こんな冒険者だらけの場所では渡さない。余計なヘイトを買ってしまうだけだ。


「とりあえずダンジョン入り口まで一緒にいいですか?」

「わかった」


 未だに注目されている中、俺達はそそくさとダンジョンに向かった。

 付いて来ないでね・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ