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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第八十話 恐怖のマッチョサッカー

 一度ゴールポスト横にトロッコが停車する。

 この先レールはコート内を縦横無尽に走るルートになっている。

 最終的には反対側のゴール横を抜けて、再びスタジアムの外へ出るようだ。

 選手は全シロタイツ・マッチョ。敵味方問わずゼッケンも無しでみんな真っ白。どうやって見分ければいいんだろうか?

 さらに観客席ははぐれマッチョたちで満席となっていた。だが先ほどからずっと歓声が聞こえるが、こいつらは喋らない。

 その音源はスピーカーのようで、どうやらわざわざ放送で流してるようだ。

 声こそあげないが、はぐれマッチョたちは熱狂して応援してる。

 俺達が呆然としていると、こちらに向かってドリブルしてきたマッチョの一人がゴールに向かってシュートをしてきた。

 しかしボールはキーパーのマッチョがしっかりとキャッチする。

 念のために言っておくが、サッカーボールではなくボウリングの玉だ。

 色も白黒ではなくオレンジ色で『16』という数字が見えた。

 ・・いや、何ポンドであろうと蹴ったら足がぶっ壊れるだろう?


「・・ゆーちゃん、ここはとてもむさ苦しいわ」

「さっかーって、みんなまっしろでやるの?」


 二人の言葉に苦笑いしかできない。

 とにかく俺たちはどうすればいいのだろうか?

 こいつら全員ゾンビ化していない。特に襲ってくる様子もないので静観しているが、こいつら全員倒すのは酷く骨が折れるだろう。


「なんかあつまってきたの」


 みーちゃんの言葉にフィールドを見ると、半分くらいのマッチョ達がこちらのゴールの方に集まってくる。

 ・・いやゴールというよりは俺たちの方だ。

 キーパーを入れて十人。一人足りなくないか?


「・・ゆーちゃんどうするの? 筋肉ダルマが寄ってくるわよ」

「ああ・・酷い絵面だ」


 テラテラと黒光りしてないだけマシかもしれないが、それでもデカいマッチョ共がこちらに寄ってくる画は、迫力と言うかキモいと言うか。

 こちらのトロッコのそばに集合したマッチョ達は、何故かトロッコも含めて円陣を組み始めた。


「これってまさか、俺たちはこっちチームっていうことか?」


 だからマッチョ達は十人で、このトロッコを一人としてイレブンとするつもりなのか?

 とはいえトロッコに乗ってる俺達はサッカーなどできない。そもそもトロッコも自動操縦なわけだし。

 こちら含めて円陣を組んだマッチョたちは『オォー!』と言わんばかりに気合を入れて、再びフィールドに散っていった。

 するとトロッコもゆっくりと動き出す。今回はスピードがだいぶ落ちて、駆け足程度の速さになっている。


「コートの中に入って行くけど、俺たちすごい邪魔になるんじゃないのか?」

「・・そもそも彼らは、まともにサッカーをやってるつもりあるのかしら?」


 それを言われてるととても困る。

 ボウリングの玉を使ってる時点でサッカーと呼べないだろうし。

 とりあえずサッカー『っぽい』ことをしているのだろう。

 玉を持ったキーパーのマッチョが、近場にいたマッチョに玉を投げて渡した。

 受け取ったマッチョはそのままドリブルを始める。

 俺たちのトロッコも、そのマッチョを追うような形で走っていく。


「あっ、たまをとられそうなの」


 ドリブルを阻止すべく、相手側の二人のマッチョが玉を奪いに来る。

 味方側のマッチョはすぐさまパスすべく玉を蹴った。


 ガンッ!


「は?」


 マッチョが蹴った玉は、俺たちのトロッコに当たった。

 当然の話だがトロッコに乗ってる俺たちには、玉を受け取ることはできない。

 飛んでくる玉はトロッコに当たるだけだ。

 なのにトロッコの体力ゲージが減った。


「・・パスされただけでダメージを喰らうの?」

「どういう事だ?」


 俺達が状況を飲み込めないでいると、こぼれた玉を別のマッチョが拾って再びドリブル始める。

 だがやはり相手側のマッチョが立ちふさがり、玉を奪われないようにこちらに向かってパスをしてきた。


 ガンッ!


 再び減る体力ゲージ。

 ・・・・。


「こいつら味方じゃねえ! やっぱり敵なんだ!」


 円陣まで組ませて味方のフリをして騙しやがったな。

 いや、こいつらはあくまで味方のつもりなのかもしれないが、俺たちからすればパスではなく攻撃されてるだけだ。


「ふざけんな!」


 俺はパスしてきたマッチョに対してスラッシュショットお見舞いする。

 ズバっと袈裟斬りにスラッシュショットがヒットした。


 ピピーっ!


 けたたましくホイッスルが鳴ったかと思うと、トロッコは一度止まり、首からホイッスルを下げた審判らしきマッチョが俺の眼前に向かってイエローカード出してきた。

 よく見るとそのカードの表面には何か文字が書かれている。


 『プレイヤーへの攻撃は禁止です』


 ・・ちょっともうキレそうなんですけど。

 俺が攻撃したマッチョはダメージなんかないようで、俺に向かって『やれやれ、何をやっているんだジョージ』といった感じのポーズをとっている。

 つまり俺たちは味方面したこいつらの攻撃から、このサッカーコートを抜けるまでトロッコを守らなければならないようだ。

 とはいえそんなに難しい話ではないだろう。

 プレイヤーへの攻撃は禁止だとしても玉へは攻撃していいわけだし、飛んできたのを撃ち落とせばいいだけだ。

 と、思っていた時期も私にはありました。


「・・で、何で玉が増えているんだ?」


 トロッコに当たって転がっていたボウリング玉とは別に、何人かのマッチョの足元にボウリング玉があった。

 中には俺がイエローカードを受けて試合が止まってる間に、ボウリング玉でリフティングをしている奴もいる。

 確認できるだけで合計五個。

 いつのまにか増えていたので、この後もっと増える可能性もある。

 いよいよサッカーではなくなってきた。

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