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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第六十一話 魔法少女

 女性職員に頼み、二人を更衣室に連れて行って着替えさせてもらう。

 アレンのトランクは、これ以上余計なものが出ないようにさっさと閉じさせた。

 着替えの間に、龍二さん達とこの後の話をする。

 撮影スケジュールとしては二人の衣装姿を確認した後に、まず俺たちが出発。

 その後準備が整い次第、龍二さん達撮影部隊も出発する。

 先に到着した撮影部隊は、機材のセッティングなどをして準備万端にこちらを待ち受ける。

 そして俺達が到着したら、まず俺のボス戦から撮影。

 さらにその後で、みーちゃんとちーちゃんが普通の魔物と戦うところを撮影する予定だ。

 リユニオンのメンバーは機材の忘れ物がないか入念にチェックしている。

 さすがにこういう撮影に慣れているのだろう。有事に備えて、予備の機材などもしっかり持っていくようだ。


「おまたせなの!」

「・・着替え終わったわよ」


 みーちゃんとちーちゃんの声が聞こえてきたので振り向く。

 そこには可愛らしい魔法少女衣装を着た二人の姿があった。手にはしっかりハート形のステッキを持っている。

 二人を更衣室に連れて行ってくれた女性職員は、二人の後ろで鼻を押さえている。興奮しすぎだろ。


「みーちゃん、ちーちゃん、良く似合っていますよ」

「まったくだ。本当にこういうキャラがいるんじゃないかと思うぞ」


 アレンと龍二さんが二人を褒める。

 二人の言うとおり、とてもよく似合っている。

 アレンのコスプレと違い、アニメから出てきたような魔法少女がそこにいた。


「その服は二人に差し上げますので、よかったらこれからも着てください」

「ありがとうなのなのあれん!」

「・・ありがとう」


 アレンはそう言って二人に服をプレゼントしてくれた。


「いいのかアレン? せめて材料代ぐらい出すぞ」

「構いません。もともと二人に着てもらいたくて作ったものですから」

「わかった。もし予備が必要になった時はまた作ってくれるか? その時はさすがに費用を出させてくれ」

「喜んで作りましょう。それにユタカさんならまた新しい精霊を召喚するかもしれませんし、その時はまた色違いを一着作りましょう」


 なるほど。そういうパターンもあるかもな。

 精霊達で魔法少女戦隊を組めるようになるかもしれない。

 ・・人気が出るかもしれないが、アレンみたいな奴らが殺到するかもしれないな。


「ゆーちゃん、これからはだんじょんにいくときは、これをきていくの」

「・・これが私たちの装備になるわね」

「いいんじゃないか。アレンも喜ぶし、それ以外も喜ぶ」


 周りを見ると冒険者たちが頷いている。女性職員に至っては首を縦にぶんぶん振りまくっている。


「それじゃ、うちらはそろそろ出発しますね」

「わかった。問題ないとは思うが気をつけて来いよ」


 時間がかかる俺たちはもう出発しなきゃまずい。

 みんなに出発を告げ、みーちゃんとちーちゃんを連れて桜木亭を出た。

 『ファースト』に向うまでの道でも、二人は注目の的だった。

 立ち止まってしまうと写真撮影OKですかと聞かれそうなので、急いでダンジョンの入り口まで向かう。


「おや? 今日はずいぶん可愛らしい服を着せてるんだね?」


 さすがにダンジョン入り口で、元木さんにもそう言われてしまった。

 その目は可愛い孫を見るような目で、他の連中の血走った目と違って安心はできるが。


「これからPVの撮影があるんでそのための衣装です」

「そういえば朝礼の時に高倉さんがそんなこと言ってたね。本城さんは着ないのかい?」

「勘弁してください。むしろこの格好こそ冒険者の正装ですよ」


 そう言って俺の装備品を胸を張ってみせる。

 しっかり手入れをしている装備品たちはみんな綺麗だ。

 中には古いものもあるが、それはむしろ貫禄を醸し出している。


「撮影とはいえボス戦なんだから、三人とも気をつけて行くんだよ」

「わかりました」

「ゆーちゃんのことはまかせるの!」

「・・いってきます」


 元木さんに挨拶を済ませ、おとといと同じようにワープポータルから六階に向かう。

 そして神速を使って一気にボス部屋まで向かう。

 このブーツにもだいぶお世話になっている。これのおかげで探索効率が飛躍的にアップしている。

 移動時間の短縮は冒険者にとってとても大事なことだ。

 本来一日かかる道のりを四時間で走破できるということは、そのぶん消費する食料も減る。

 俺の場合食料は十分すぎるほど持っているが、他の冒険者はそうはいかない。

 パーティーメンバーが多いほど持って行く食料も多くなるので、運ぶのも大変になってくる。

 今回俺のように十階のボスを倒しに行く場合持って行く食料は、倒せなかった時のことを考え二日分の食料を用意しなければならない。

 飲み水はセーフエリアに行けば手に入るが、それでも人数分の食料を持っていくのは大変なことだ。

 その点俺だったらボス戦に失敗しても日帰りで戻ることができる。

 食料だってせいぜい二食分あれば十分だ。

 そう考えるとアイテムボックスはもちろんチートだが、疾風の靴もなかなかチートだ。


 いつもお世話になっています。

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