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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第五十五話 走り続ける男

 午後からは二人の希望通り肉狩りを始めた。

 ミノタウロス、オーク、コカトリス、ブラックシープと、目についた肉をドロップするモンスターを片っ端から討伐していく。

 もちろん確定ドロップではないのでスカの場合もある。現在ドロップ率としては約30%だ。

 現在種類を問わず百体近くを倒している。

 ・・レアモンスターを倒さなくても、肉狩りをしてれば勝手にレベルが上がっていく気がする。

 途中で何度かはぐれウィーズルを見つけたが、個人的に倒したくないのと優先順位が肉なので全て無視した。


「もっといっぱいあつめるの」

「・・たくさんあっても困るものではないわ」


 ・・食べ物の力ってすごいや。

 以前のダンジョンは壁がミスリルで出来ていたので、売れば大金持ちになれたかもしれない。実際には持て余しててどうしようもなかったが。

 今回のダンジョンでは肉をドロップするモンスターを、うちらだけで独占的に狩り続けることができる。

 ミスリルに比べてよっぽど安いものだが、こちらの方が嬉しいと思ってしまう俺は小市民なんだろうか?


「どのくらいまで集める?」


 一応ゴールを設定しとかないと何日だって狩り続けかねない。

 肉は欲しいがそこまでやってはいられない。


「・・とりあえず夕方まででいいんじゃないかしら」

「たらなくなったら、またかるの」


 ちなみに午後の狩りを始めてから、すでに地下二階への階段は見つけてしまった。

 個人的には先に進みたかったが、二人が許さなかったためにワープポータルだけ起動してこの階層に戻ってきた。

 夕方まであと数時間。

 二人のお腹がすくまでは狩りが続くのだろう。



「疲れた・・」

「ゆーちゃん、よくがんばったの」

「・・後でマッサージしてあげましょうか?」


 狩りを終えてようやく家に戻ってきた俺たち。

 神速を使いすぎて魔力が枯渇したあとは普通に走り続け、魔力が回復したらまた神速を使って・・

 アスリートのトレーニングじゃねえんだから・・

 流石に疲労困憊です。ちょっと休まないと夕飯が作れません。


「まあおかげで収穫がかなりあったけどな」

「しばらくは、おにくにこまらないの」


 え? みーちゃんしばらくお肉食べ続けるつもり?

 魚や野菜も食べさせないとまずいな。

 ちーちゃんもなんだかお肉好きそうだし。


「明日は『ファースト』に行こう。ちーちゃんを向こうで召喚して桜木亭で紹介しなきゃいけない」


 向こうでちーちゃんを紹介したら、いよいよ十階層のボスのメイジ・ウィーズルに挑むつもりだ。

 現在の俺のレベルは28。パーティーを組んでる場合突破の平均は約20。

 ちなみに今回も俺一人で戦うつもりだ。みーちゃんとちーちゃんには手出しをしないでもらう。

 別に二人が一緒に戦ってもソロパーティーとして認識されるらしいが、十分なレベルがあるし現状の俺のスキルや装備ならおそらく勝てるはずだ。

 本来攻略だけを考えるのであれば二人の力も借りるべきだろう。

 ぶっちゃけ三人で戦えば圧勝できるとは思う。

 けど俺は血湧き肉躍るような戦いをしたい。

 シロタイツ・マッチョとの戦いの時のような、魂をぶつけ合うそんなバトルがしたいのだ。


「とりあえずしばらく休んだら夕飯を作ろう」

「みーちゃんもてつだうの!」

「・・私もやるわ」


 何を作るかはまだ決めてないが、今日は疲れているのでそんな時間のかかるものは作る気はない。

 二人の出番があるかどうかは怪しいものだ。



 翌日。

 日課のトレーニング終わらせ朝食を作ってると、ちみっ子達が起きてきた。


「おはようなの」

「・・おはようゆーちゃん」

「おはよう二人とも。そろそろご飯できるから席に着いてね」


 今朝のメニューは和食にした。

 おかずはひじきと大豆の煮物、アジの開き、ほうれん草のおひたしだ。

 二人が席に着いたのでおかずをどんどんテーブルに運び、味噌汁の入った鍋と炊飯器もテーブルに載せる。

 みーちゃんとちーちゃん用の茶碗とお椀にご飯と味噌汁を入れてあげ、俺も俺用の丼にご飯と味噌汁を目一杯よそう。

 準備ができたので、三人でいただきますをして朝食を食べ進めていく。


「昨日も説明したが、ちーちゃんはとりあえずお留守番しててね。昼過ぎぐらいに召喚するから、向こうでお昼を一緒に食べよう」

「・・できるだけ早く呼んでね。一人でいてもつまんないもの」

「わかった」


 俺だってちーちゃんを置いて行きたくはないが、召喚する前から連れて行っては不自然すぎるから仕方ない。

 せめて豆大福を置いて行ってお茶でも飲んでいてもらおう。

 食後に俺は『ファースト』に向かう準備をする。

 準備といっても諸々はアイテムボックスに入っているので、車の方の準備だ。

 キャンプの時は仕方なかったが、本来走行中はシートに座らなければならない。

 となると現状の俺の車は、運転席と助手席で二人しか乗れないことになる。

 後部座席の部分には、本来あるシートを取り外して折りたたみベッドや簡易キッチンなどを置いてある。

 なのでこの折りたたみベッドを畳んで壁際に固定し、座席を一つ取り付けることでもう一人座れるようになる。

 この作業を急いで終わらせて、俺とみーちゃんは『ファースト』に向かった。

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