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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第四十三話 改装中

 さて次の日。

 朝の日課を終えた俺はみーちゃんと朝食をとって『ファースト』に向かう準備をする。

 キャンプから戻ったばかりなので、今日は七階あたりで狩りをしようと思う。


「みーちゃんはじゅんびおっけーなの」


 まあみーちゃんは特に準備するものがないからね。

 俺の準備も車の近くにある装備品などを積み込むぐらいで終わる。

 そろそろ出発しようかという時に、みーちゃんの様子がおかしいことに気づいた。


「みーちゃんどうした?」

「なんかちかのだんじょんがへんなの」

「変?」


 まあ元々ダンジョンなんて変なものだがみーちゃんがそう言うのなら、何か起きてるのかもしれない。

 とりあえず二人で地下まで行ってみる事にした

 地下の倉庫に入り電気のスイッチを入れる。

 見渡してみるがここには特に異常はない。

 俺たちはさらに階段を下り、ダンジョンの入り口まで行く。


「なんじゃこれ?」


 ダンジョンの入り口は事件現場なんかに張られる黄色い『KEEP OUT』テープで塞がれていた。

 うちで何の事件が起きたのかと思ったが、そばにあった石碑が光っておりそこに答えが書いてあった。


『ダンジョン改装中。一週間ほどお持ちください』


「改装・・」

「りにゅーあるおーぷんなの。しんそうかいてんなの」


 そんなパチンコ屋みたいに言われてもなぁ。

 おそらくちーちゃんが大精霊様に報告した結果こうなったのだろう。

 ちなみに石碑にはまだ続きが書かれていた。


『ファーストの地下八階に下りて、まっすぐ突き当たりの壁を壊してみてください。豆大福のお礼に私からのプレゼントがあります。大精霊より』


 ちーちゃん大精霊様に豆大福あげたのか。

 ていうか、大精霊様って豆大福で喜ぶんだ?

 まあ、精霊であるみーちゃんも豆大福ジャンキーなんだし、大精霊様も気に入る可能性はあるか。


「大精霊様からのプレゼントか。こう言っちゃなんだが、大精霊様俺に随分甘くね?」

「ちーちゃんは、だいせいれいさまがゆーちゃんをきにいってるっていってたの」


 気に入ってくれてるのは嬉しいけど、チートばかりもらうのはちょっと心苦しいところはある。

 さすがにここのダンジョンの事や大精霊様の事は他の人たちに教えるわけにいかないが、何らかの形で他の冒険者たちにも還元できればいいな。

 とはいえ現状の俺にできることはあまりないので、そこら辺は追々考えよう。


「ひとまず『ファースト』の地下八階に行ってみよう」


 せっかくのプレゼントだし万が一にも他の冒険者に見つかる前に回収しに行こう。

 まあ壁の中なんてまず気付かないだろうが。

 しかし壁の中にプレゼントを隠すということは、他にも隠し通路なんかあったりするのかな?

 今まで隠し通路や隠し部屋が見つかったという報告はない。

 見つけられるとしても採掘型のパーティーくらいで、一般の冒険者はわざわざ壁を叩いて調べたりしないだろう。

 そしてそれがとっくに踏破された階層であればなおのことだ。


「はやくぷれぜんとをみにいくの」

「そうだな、さすがに中身が気になる」


 というわけで、俺達は急いで『ファースト』に向かった。



 今日のダンジョンの警備員は元木さんだった。


「おはようございます、元木さん」

「おはようなの」

「本城さん、みーちゃんおはよう。今日も元気そうだね」

「昨日までキャンプに行ってきたんで、だいぶリフレッシュしてますよ」


 俺もみーちゃんも今日は絶好調だ。

 プレゼントの件がなかったら、一日中狩りを続けてたかもしれない。


「キャンプか。今だいぶ流行ってるそうだね」

「おかげでマナーの悪い客も結構いたりしますけど、今回行ってきたところはいい場所でした」

「そうか。君らなら大丈夫だと思うけど、休み明けでぼーっとして怪我しないようにな」


 元木さんの言うとおりだ。休み明けで気が緩んでる奴ほど怪我をしたりする確率が高い。

 俺もプレゼントの件に浮かれて注意を疎かにしないようにしよう。


「分かりました。では行ってきます」

「いってきますなの」

「はい、いってらっしゃい」


 俺達は元木さんと別れワープポータルに向かう。

 神速も使えば地下八階なんかすぐに着く。

 みーちゃんもすでにカートにスタンバイしている。


「今日も仏恥義理ぶっちぎりだぜ」

「よろしくなの」


 俺たちは目的地に向かってかっ飛ばしていく。

 一応途中ですれ違う冒険者たちには『おはよう』と挨拶だけはして通り過ぎていく。

 みーちゃんを連れてこんなスピードで突っ走ってるやつは俺ぐらいなので、誰なのかは分かるだろう。

 ということであっという間に地下八階に到着した。

 階段を降りてまっすぐ突き当たりの壁。

 途中でわかれ道はあるが、突き当たりの壁までは100mぐらいなのですぐに到着する。


「他の冒険者は誰もいないよな?」

「だいじょうぶなの」


 一応周りに人がいるかどうか確認して、カイザーナックルで壁を全力で殴ってみる。

 岩とは違う物質で作られていたのか、簡単に壁は崩れ去り破片などもすぐに消えてしまった。

 そして中には一畳ぐらい小部屋と、その中央に置かれた宝箱。

 こうして見るとRPGの隠し宝箱のようで期待が高まる。まぁ実際隠し宝箱だが。

 俺とみーちゃんは宝箱によって蓋を開けてみた。

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