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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第四十一話 またね杏ちゃん

 朝飯も食べ終わったので、帰り支度を始めた。

 ちみっ子たちには、椅子やテーブルなど簡単なものを片付けてもらう。

 俺は大物のテントを片付ける。

 ペグを引っこ抜き骨組みを外し、テント本体を綺麗に畳んでしまう。


「ゆーちゃん。いすはしまえたの」

「・・テーブルも片付け終わったわ」

「こっちももうすぐ終わるから、その後で炭を捨てに行こう」


 基本的にキャンプ場には炭を捨てる場所がある。

 他のゴミに関しては持ち帰りが基本だ。

 あらかた片付け終わったので三人で炭を捨てに行く。

 炭捨て場は水場の近くにあるので、ついでに朝食で使った食器なども洗いに行く。


「あらうのはまかせるの」


 と、みーちゃんは張り切るが、明らかに水道まで手が届かない。

 どうするのか見ていると、みーちゃんは洗浄魔法を使いだした。

 いや、いいんだけど・・周りの人たちがさすがに驚いているなぁ。そして水場に来た意味がない。

 とりあえず、周りの人達は見てるだけで写真を撮ったりはしないので放っておく。

 一応何か聞きたそうだか、聞いていいのかためらってるようだ。

 その隙に俺たちはそそくさとサイトに戻る。


「忘れ物はないか?」

「・・大丈夫そうね」

「ぜんぶもったの」


 洗ってきたものを全部しまい、荷物をまとめ終え、二人には軽いものを、それ以外のものやゴミは俺が持って忘れ物がないか確認をする。

 俺達が手に持ってるもの以外はサイトにはないので、大丈夫そうだ。


「じゃあ行こうか」

「あんずちゃんにあいにいくの!」


 本来チェックアウトの手続きはないのでそのまま帰れるが、その前にオーナーと杏ちゃんに挨拶をするため管理棟に向かう。

 涼しい林を抜けて、俺たちは管理棟に到着する。


「おはようございます」

「あんずちゃん、おはようなの!」

「・・おはよう、杏ちゃん」


 管理棟の前で遊びながら俺たちを待っててくれたのか、手にボールを持った杏ちゃんが俺たちを見つけて挨拶をしてきてくれた。


「おはよう杏ちゃん。お父さんは中にいるかな?」

「はい。います」

「じゃあちょっと俺はオーナーさんに挨拶してくるね」

「わかったの。みーちゃんたちは、あんずちゃんとはなしてるの」


 俺は一人で管理棟の中に入る。

 杏ちゃんの言った通り中にはオーナーさんがいた。


「オーナーさん、今回はお世話になりました」

「いえいえ、こちらこそ杏がお世話になりました。皆さんと一緒に遊べたのがとても嬉しかったようで、夕飯の時にいっぱい話をしてくれました」

「こっちも仕事柄みーちゃんに友達をあまり作ってやれなかったので、杏ちゃんに会えたのはとても良かったです」


 みーちゃんもちーちゃんも、自然に囲まれて友達とたくさん遊んでとても楽しそうだった。


「是非ともまた遊びに来てください」

「はい、近いうちにまた来ます」


 俺はオーナーさんに別れを告げて管理棟を出る。

 外では三人が楽しそうに話していた。


「じゃあ二人ともそろそろ行こうか」

「わかったの。またね、あんずちゃん」

「・・また会いましょう」

「うん。絶対また来てね」


 

 そして俺たち三人は歩き出す。

 二人は何度も後ろを振り返り、杏ちゃんに向かって手を振る。

 杏ちゃんも二人に手を振ってくれている。

 互いの姿が見えなくなるまでそのやり取りは続いた。



 駐車場に着いた俺たちは、持っている荷物を車に積み込む。


「さて、どっちが助手席に座る?」


 そう聞くと同時に手をあげる二人。

 ちなみにこの車、キャンピングカーに改造されてるので、普通に座れるのは運転席と助手席だけだ。

 なのでもう一人は、本来後部座席の場所にある簡易ベッドの上に座ってもらうことになる。


「そこはみーちゃんのばしょなの!」

「・・いつも座ってるなら、今日は私でもいいじゃない」

「ゆーちゃんのよこはみーちゃんなの!」


 ぶっちゃけシートに座ってるぐらいならベッドでゴロゴロしている方が楽だと思うが、二人にはそうではないようだ。


「じゃんけんでもしろよ」


 そう提案すると、絶望の眼差しでこっちを見てくるみーちゃん。


「ゆーちゃんはみーちゃんをすてるの!?」

「人聞きの悪いこと言うんじゃない」


 誰かに聞かれたら誤解されてしまうだろうが。

 結局じゃんけんをした二人。勝ったのはちーちゃんだった。


「いいもん。みーちゃんはふてねしてやるの」

「・・じゃんけんは公平な勝負よ。恨むならチョキを出した自分を恨むのね」


 そう言ってちーちゃんは助手席に乗り込む。

 ぶつくさ言いつつ、みーちゃんは後ろのベッドに回った。


「じゃあ出発するぞ」

「・・こっちは大丈夫よ」

「みーちゃんもおっけーなの」


 二人の言葉を聞き、俺はゆっくり車を出発させる。

 まだ午前中早い時間なので、帰りはドライブしつつパーキングエリアに寄って昼飯を食べよう。

 パーキングエリアって色々美味しいものが売ってていいよね。つまみになりそうなものを買って帰ろうかな。

 そんなことを思いつつ、楽しかったキャンプ場をあとにした。

最近休みの度に雨が降ってる気がします。

おかげで全然バイクに乗れない・・

そしてゴールデンウィークなのに金もないから出かけられないし、そもそも緊急事態宣言中。

フラストレーションばかり溜まっていきます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「是非ともまた遊びに来てください」(有料)
[一言] そういう時はちょっと凝った料理オススメ!
[気になる点] 現実の法律と同じにする必要は無いので雑学レベルですが、 キャンピングカーの構造要件を満たして8ナンバーで車検通してあってもベッドは乗車定員設備にカウントできなかったような? 検問に引っ…
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