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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第二十四話 地下八階

というわけで、二本目です。

 桜木亭を出た後、みーちゃんを連れてダンジョン入り口に来た。

 今の時間は元木さんが担当のようだ。


「こんにちは元木さん」

「こんにちは本城さん・・何かあったのかい?」


 挨拶して俺の顔を見るなりそう言ってきた。

 みーちゃんにも言われたが、そんなにひどい顔なのか?


「最悪な事態が起きた可能性が・・いや、起きました」

「そうか・・」


 俺の言葉で察した元木さんも、悲しげな表情になる。

 こんな事は何度聞こうと慣れはしないだろう。


「せめて亡骸だけでも運び出せれば、しっかり弔うことも出来るのにね」

「そうですね。なかなか難しいですが、何も入っていないお墓じゃ寂しいですからね」


 ダンジョン内で死亡した場合、遺体は1時間ほどで消滅する。

 その前に外に運び出せれば消えずに済むが、1時間でポータルまで遺体を運ぶことはなかなか難しい。

 また持ち物はダンジョンに吸収され、衣類以外はダンジョン内の宝箱に配置される。

 そうなると遺品の入手でさえ難しいのだ。


「とりあえず今回はその件でしばらく潜ります。何日かかるかはわかりませんが・・」

「二人とも絶対に無理はしないようにね」


 俺とみーちゃんに念を押してくる。

 もちろんみーちゃんがいるので無理をするつもりはない。

 何日かして収穫無しなら、一度地上に戻って体を休めるつもりだ。


「だいじょうぶなの。ゆーちゃんがむりしそうだったら、みーちゃんがひっぱってかえるの」

「これは頼もしいね。じゃあ頼んだよみーちゃん」

「まかせるの!」


 あれぇ、逆じゃね?

 俺がリスク管理される方なの?

 まあ元木さんが笑顔になったからいいか。みーちゃんはみんなを笑顔にしてくれる。


「じゃあ行ってきます」

「いってくるの!」

「行ってらっしゃい。気を付けてね」


 そして俺たちはダンジョンに入っていった。

 今回の目的地は地下8階。

 なのでまずはポータルで地下6階まで行き、そこからは神速を使って一気に地下8階まで下りる。

 今回のターゲットである『フラワージュエル』はその階にいる『ランニングバード』という魔物がドロップするレアアイテムだ。

 ダチョウみたいな見た目の鳥で、鋭い爪や蹴りで攻撃してくる。

 油断しなければ大した敵ではない。が、数体で囲まれるとやはり危険ではある。

 特に一対多数だと・・


 

 とりあえず目的地に着いた。

 ここからはひたすらにランニングバード狩りだ。

 フラワージュエルのドロップ確率なんて考えたくもないが、この32年で確か4つくらいしか発見されてない。

 彼も無茶を考えたものだ。

 確かに個人的な用事だから、パーティーメンバーを巻き込みたくはなかったのだろう。

 それでもかなり無茶だ。まあ俺も一人でも探すつもりだったから、人のこと言えないが・・

 ここまでみーちゃんをカートに乗せてきたので、引き続きこのまま狩りに入る。


「じゃあみーちゃん、始めるよ」

「おっけーなの」

「神速!」


 俺は超スピードで走り、ランニングバードを探していく。他の魔物は無視だ。

 すぐに一羽目を発見。

 ランニングバードも俺に気付くが、遅い!

 そのままのスピードで突っ込んでいき、カイザーナックルで胴体を殴りつける。

 一撃必殺。スピードの乗ったパンチは胴体にめり込み、ランニングバードは悲鳴を上げながら消滅した。

 跡にはドロップアイテムの・・羽根。

 そう簡単に出るなら苦労はない。

 ランニングバードの通常ドロップは羽根しかない。もちろん売れるし、かさばらないので回収していく。

 さあ次だ。俺はまだ効果の残っている神速で走り出した。


 時刻は十五時くらい。お腹すいた。

 これまでの討伐数は約40体。ドロップは羽根が21枚。もちろんフラワージュエルはない。

 とりあえずセーフエリアで遅めの昼食にしようと向かっていると、見覚えのある冒険者達がいた。


「お疲れさん。首尾はどうだい?」

「あ、本城さん。こっちはまだ来たばかりで、これからなんです」


 パーティー『自由な人生』たちだ。

 五人の男たち。本来ならば六人だったパーティー。

 今はいないそのメンバーの為に彼らもここに来た。


「こっちは40体ほど狩ったが、お目当ては出てない」

「早いですね。僕らも手分けして狩っていきます」

「一人にはならないようにな。常に二人以上で安全策を取るんだぞ」

「わかりました。ではこれで」


 リーダーの葛西さんはそう言って、パーティーを二つに分けて狩りに行った。

 俺たちもそのままセーフエリアに向かった。



「みーちゃん、疲れてないか?」

「だいじょうぶなの。ゆーちゃんのほうこそ、つかれてそうなの」


 セーフエリアに到着した俺たちはお湯を沸かしてカップ麺を食べていた。

 水はセーフエリアに湧き出てるのもあれば、俺もみーちゃんも水を出すことも出来る。

 火も俺が魔法で出せるので問題ない。

 そうなるとカップ麺はダンジョン飯には適している。日持ちするし味も選べる。調理時間もたいしてかからない。

 毎食これでは飽きるかもしれないので、レトルト食品も持ってきてはいる。

 物語のダンジョンとは違い、保存食が豊富な地球のダンジョンは食事にあまり困らない。

 みーちゃんの調子を聞いたが、まだ問題ないようだ。


「俺はまだまだ問題ないよ。神速の使い過ぎで疲れただけだから、休めば問題ない」

「じゃあ、しっかりやすんでからしゅっぱつするの。たべたらよこになってやすむの」


 みーちゃんの気遣いはありがたいんだけど、


 やっぱり俺が面倒を見られてる・・

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― 新着の感想 ―
[一言] いつの間にか育成ゲームに▪▪▪
[一言] (`・ω・´)ふんすっ! みーちゃんがしっかりみるのっ←こんな感じ(笑)
[一言] ようじょつよい
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