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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第二十二話 宝箱

昨日は一本しか上げられず申し訳ないです。

小学校の頃は読書感想文なんて楽勝だったけど、話を作るのは難しいものです・・

そして眠い・・おやすみなさい。

 みーちゃんと出会ってから一か月くらいが経った。

 七月半ばになり、梅雨も終わって暑い日差しの日が多くなってきた。

 あの後みーちゃんのお披露目はうまくいき、精霊であることよりもかわいい事こそ正義だとみんな言い出し、受け入れられた。

 一部、俺がみーちゃんを肩車やおんぶしてると血の涙を流してるやつもいたが・・

 今ではみんなの人気者で、よく女性冒険者や職員からお菓子をもらって喜んでいる。


 レンたちのパーティーもダンジョンから戻ってきた。ついに地下20階に到達し、盛大な飲み会が開かれた。

 これからまた数年かけて20階の攻略をしていくことになるだろう。

 年齢的に悠長なことは言えないが、それでも頑張ってレンたちに追いついて、20階のボスを一番乗りで倒してみたい。

 他の冒険者たちも今回の事に影響を受けて、モチベーションが上がっている。

 活気があるのはいい事だと思う。


 俺は最近は地下6~10階でみーちゃんと一緒に魔物を狩っている。

 上の階層は入り口からボス部屋まで二時間くらいで到着するが、こちらは地下6階からボス部屋までは最短で通常一日かかる。

 俺の場合神速を使い続ければ四時間くらいで到着できた。

 ボスには挑んでいない。あくまでボス部屋までの時間を計っただけだ。

 ただしこの移動方法はひどく疲れる。スキルも魔法も使えば体力を削られる。

 印刷されたマップを見ながら、セーフエリアまで走り続けて休憩。また次のセーフエリアに・・を繰り返した。

 他の冒険者にはまねできない移動方法だ。

 そして今日は地下7階で狩りをしている。日帰りするならこのあたりがベストだ。


「そりゃっ!」

「これでじゅっぴきめなの」


 対峙していたトロルを殴り倒した。

 トロルは消滅し、ドロップアイテムの魔石を入手する。

 この魔石は多くの魔物が落とす可能性があり、強い魔物ほど大きいものが出る。

 魔石は優秀なエネルギー源で、現在は魔石発電で電気が作られている。

 『ファースト』から年間に算出される魔石だけでも、日本の既存の発電所と合わせて、日本全体の電力を賄う事が出来る。

 また魔石発電が始まってからは、原子力発電所の稼働を終了させた。

 危険と隣り合わせの発電方法だったが、それでも長い間日本を支えてくれた発電所だ。

 現在ではすべて廃炉作業が完了しており、その歴史に終わりを告げている。

 日本で余っている魔石はダンジョンのない国々に輸出しており、海外でも原発の廃炉が進んでいるそうだ。

 つまるところ、魔物のドロップで一番多いのは魔石なのだ。

 今日は10体魔物を倒して、魔石が3つとそれ以外の素材が2つ。まずまずの成果だ。

 カイザーナックルにもだいぶ慣れた。慣れさえすれば刀よりも扱いやすい。

 神速との相性もばっちりだし、魔法剣をかけることもできる。実に俺向きな武器なのだ。


「ゆーちゃん、あそこにたからばこがあるの」

「お、ラッキーだな。当たりだといいんだが」


 通路の先、曲がり角の隅に宝箱があった。

 宝箱の出現はランダムだ。中身も当たり外れが結構ある。

 当たりは特殊効果の付いたアクセサリーなどだ。武器が出ることもあるが、自分向きの武器でないなら売るしかない。

 宝箱に罠はないが、魔物が擬態している可能性はある。

 念のために落ちていたピンポン玉ほどの石をぶつけてみる・・大丈夫みたいだ。


「では開けてみましょう」

「おじいさんになりませんように」


 みーちゃん、罠はないとはいえ不吉な事を言わないで・・

 少しだけビビりながら蓋を開けた。

 中から出てきたものは・・はっきり言ってハズレだった。

 それどころか気持ちの沈む厄介なものだったのだ。



 今日の狩りは切り上げて、桜木亭に戻ってきた。

 この件に対処するためだ。

 俺は買取り窓口に向かう。今はまだ昼過ぎなので近藤さんはいないみたいだ。

 とりあえず空いてる窓口で先に今日の分の買取りをしてもらう。

 そして鑑定をしている間に、受付嬢のお姉さんにギルドマスターへの面会を頼んだ。

 お姉さんは内線でギルマスに連絡をしてくれ、買取後に会ってくれることとなった。


 みーちゃんを女性職員に預け(拉致られ?)俺は建物の二階に上がる。

 桜木亭の二階にギルマスの部屋はある。

 一応ギルドハウスのトップなのでそう呼ばれてるが、元冒険者でもなければ腕っぷしが強いわけでもない。

 眼鏡をかけてひょろっとしたデスクワーカーのおじさんだ。

 俺は部屋のドアをノックする。


「本城です」

「どうぞ、入ってください」


 許可が出たので入室する。

 正面には応接用のテーブルとそれを挟んで置かれたソファー。さらにその奥の作業デスクで書類を書いているのがギルマスの高倉さんだ。


「久しぶりだね本城君。活躍はよく聞いてるよ」

「高倉さんは顔色がいまいちですね。たまには外に出てますか?」

「書類仕事ばかりでなかなかな。ギルマスなんて言われてもただの中間管理職だよ・・」


 冒険者歴の長い俺はたまに高倉さんと食堂で一緒になり、飯を食いながら話をする。

 食も細く、明らかに運動不足なため、50代にしては老けて見える。

 苦労してらっしゃるのだろう。


「今日はちょっと厄介な拾い物をしましてね・・これなんですが」

「見せてもらうね」


 俺は宝箱から回収したものを高倉さんに渡した。


 そして数分後、高倉さんは沈痛な面持ちになるのだった。

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