第二百九話 お土産で料理
やはり我が家が一番だ。
福寿荘を出発し、のんびりと寄り道をしながら帰ってきて現在は夜の七時。
リビングで四人ぐで~っとしています。
「明日は一日休みにしよう。撮り溜めした響子を見るといいよ」
「さすがゆーちゃんなの! れでぃーのきもちがわかるおとこなの!」
レディーが響子を見たいのかはわからないが、のんびり過ごしてくれ。
「・・ゆーちゃん。響子を見た後で私達大精霊様のところに行ってくるわ」
ちーちゃん、君も響子優先なんだね・・
大精霊様泣くんじゃないか?
「俺はみんなが見てる間に収穫物で料理を作るから、大精霊様のところに行くときに持っていってくれ」
「お料理! 何を作るの?」
「まだ決めてないよ。これからネットで色々調べてみてからだな」
あ、冷蔵庫の電源入れなきゃ。中身も戻さないとな。
地下に下りて冷蔵庫に入れるものを出すなら、今日も大精霊様にご飯を出しておくか。
「・・ちなみにみーちゃん。明日は響子を見る前にお掃除をするのよ」
「えっ!? おそうじはあとでもいいの!」
「ダメだよみーちゃん。ゆーちゃんのお手伝いが先だよ。浄化魔法を使えるみーちゃんが一番役に立てるときなんだから」
「みーちゃんはじょーかまほういがいにもやくにたてるの!」
「例えば?」
「・・・・ゆーちゃんをいやしてあげるの」
考えた末に出たのはそれかい。
間違ってはいないが、ちーちゃんとふーちゃんだって癒してくれるぞ。
「・・私達もお掃除するから、みーちゃんも頑張りなさい」
「む〜、わかったの」
実際、みーちゃんの浄化魔法なら早いしキレイになる。
一番役に立てる場面というのもあながち間違ってはいないんだ。
とりあえず俺は明日作る料理を決めてから地下に行って材料を取り出すか。
翌日。
みーちゃんにはまずキッチンに浄化魔法をかけてもらった。朝飯を作るためだ。
朝はトーストと目玉焼きとサラダで簡単に済ませる。
ちみっ子達はいつもトーストにてんこ盛りのジャムをつけて(のっけて?)食べる。
おやつと勘違いしてないか? あれじゃ口の中が甘ったるいと思うのだが・・
「パンを齧った後に牛乳を飲むとジュースみたいで美味しいんだよ」
「いちどでにどおいしいの!」
またそんな子供みたいな・・いや、確かにちみっ子なのだが。
とりま新しいジャムを買っておかないとな。
朝食後はそれぞれの仕事に取り掛かる。
ちーちゃんとふーちゃんはお風呂掃除。
みーちゃんは各部屋に浄化魔法をかけていく。
ちみっ子達に掃除は任せて俺は料理を始める。
「こうしてみるといろいろと戦利品が手に入ったもんだな」
まずは最初の釣りでブリを筆頭にたくさんの魚が釣れた。
次にイールドッグからドロップしたウナギ。そして跳ねエビからドロップの各種エビ。
黄金の鮎と川魚。たくさんの貝類。最後に海苔だ。
当分魚屋に行かなくても良さげなラインナップ。
知り合いにお土産として配っても当分は無くならないほどの量だ。
この豊富な食材を使って今日作る料理は、まずアサリを使って深川めし。
深川めしは丼にして上から具材をかけるタイプと、炊き込みご飯の二つがある。
本来の深川めしは前者のほうだが、今日は炊き込みご飯にする。
続いてウナギを使って鰻巻き。これは作るのに蒲焼が必要なのでそれも作る。
海の魚からはアジを使ってなめろうだ。これは飯も酒も進む素晴らしい一品。たくさん作っておこう。
今日は時間があるのでエビは天ぷらにする。海苔は佃煮にしよう。
鮎で鮎飯も考えたが、深川めしと被るので今回はやめておく。
しかし見事に和食オンリーとなったな。
意図してそうしたわけではないが、まあ美味ければそれでいいのさ。
さて、まずは深川めしから始めていくか。
「ゆーちゃん、おそうじおわったの」
「・・こっちも終わったわ」
「お風呂ぴかぴかだよ!」
程なくちみっ子達が掃除を終えて戻ってきた。
ご褒美にアイスを渡してあげる。これを食べながら響子を見るといい。
三人は大喜びでぱたぱたとテレビの前に移動した。
俺は引き続き、なめろうを作るために具材を包丁で叩き続ける。
昼前になると鰻巻きを作るための蒲焼を焼き始める。
鰻の匂いは換気扇をつけていても部屋中に漂っていくものだ。
もちろんそれはリビングで響子を見ている三人にも届く。
「うなぎのにおいなの!」
「・・この匂いを嗅ぐとお腹が空くわね」
「お昼はうな丼だ!」
別にうな丼にしなくても良かったが、この状況でそれ以外の選択肢はないだろう。
焼き上がった蒲焼は先にちみっ子達のお昼ご飯となった。もちろん俺も食べたよ。
食後は海苔の佃煮をさっと作ってから天ぷらを揚げ始める。
天ぷらは揚げたてサクサクが正義だ。
なのでいくつか揚げたら地下に行ってアイテムボックスにしまうという行動を何度も繰り返した。ダンジョンでも食べたいからな。
そしてようやくすべての料理が終わった。
いつも通りたくさんの量を作ったために時間もかかったし疲れた。
すでにちみっ子達は響子を見終わっているので、さっそく大精霊様に持っていってもらおう。
みんなで地下に下りて俺はアイテムボックスから大精霊様の分の食事を取り出していく。
「じゃあよろしくな」
「・・ちゃんとお渡しするわ」
「まかせるの!」
別にお供えすればすぐに大精霊様のところに転送されるのだが、どうせならちみっ子達の手で渡したほうが喜びそうな気がしたのだ。
ちみっ子達の姿がダンジョンに消えていったので、俺はリビングに戻ってなめろうで一杯やることにした。いや〜、休日最高だぜ!




