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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第二百一話 至高の川魚の塩焼き

 特別感満載の黄金の鮎ではあるが、捌き方は普通の鮎と同じ。

 だが、その身からは何か清らかな香りがする。

 通常の鮎もスイカの香りがすると言うが、この黄金の鮎からはどちらかといえば花の香りがする。


「・・同じ場所にいる鮎なのにどうして香りが違うのかしらね?」

「まあコイツはダンジョン産だしな。不思議なこともあるだろうよ」


 交代で手にとっては匂いを嗅いでみるちみっ子達。

 同じ環境でおそらく同じ餌を食べているのなら匂いも似てくると思うが、黄金の鮎はダンジョンにしかいない魚だ。似て非なる魚として造られてるのだろう。

 ともかく捌いて焼きに入る。

 ちみっ子達には引き続き釣りを続けてもらう。

 出来るだけ黄金の鮎が欲しいし、それ以外の魚も食べる用とおみやげ用に確保したい。

 ここの川は当然だがキレイな川だ。家や工場などから出る排水はなく、自然そのものの川だ。

 魚の味は環境に左右される。キレイな川に住む魚は臭みもなく美味いのだ。

 都心部に住んでいてそんな川魚を食べようとしたらいくら掛かるものか・・

 黄金の鮎以外だって俺からすれば高級な魚なんだ。たくさん釣って帰るぞ。


「ゆーちゃんよくばりなの」

「じゃあみーちゃんのご飯は白米と漬物だけでいいか」

「おいしいのはせいぎなの! じゃんじゃんつるの!」


 三人の中で一番食い意地が張っているみーちゃんには俺を責める資格はないのだよ。ナカーマ。

 百匹くらい釣ったとしてもお土産と俺達(+大精霊様)の食事であっという間に無くなるんだから。

 次に水神社に来るのがいつになるかわからない以上、欲しいものはきっちりと手に入れていくぞ。

 その後も順調に釣果を上げ、二匹目の黄金の鮎も手に入れたので焼いていく。

 このあたりでようやく最初に焼いていた魚が焼き上がった。

 遠火でじっくり焼いていたために時間はかかったが、とてもいい色に焼き上がっている。


「まだ最初の三匹だけだから、みんなで分けて食べよう」


 焼けたのは鮎とイワナと黄金の鮎の三匹。一口ずつ回して味見をすることにした。

 まずは普通の鮎からだ。串を持ってその身にかじりつく。

 口に入ったその身は臭みがないどころかいい香りが鼻に抜けていく。

 味は淡白で上品だが、しっかりとした旨さを感じる。だがこれはワタも一緒に食べたかったな。ワタの苦みがきっとこの身の味を引き立たせたと思う。

 今度食べるときはワタも一緒に焼こう。あと蓼酢も作ってみたいな。

 とはいえこの鮎も十分美味い。思わず二口目にいきそうだった。

 鮎の串をちみっ子達に渡して次はイワナだ。こちらも一口。

 なるほど。こちらも淡白な味だが、鮎とは違って野性味がある。身がしまっていて、しっかりと魚を食べていると感じられる。

 味は好みが分かれるが、軍配は鮎に上がるだろうか。

 鮎の味は他の魚では味わえないものだ。香りまで楽しめる魚はなかなかいるものではない。


「・・どちらも美味しいわね。好みで言えば鮎のほうが好きかしら」

「僕はイワナの方がいい! 魚の味がしっかりする!」

「じょうひんなみーちゃんには、じょうひんなあゆがにあうの。おかわりなの」


 おかわりはもうちょっと待ってな。

 ところでみーちゃん。串を両手で持って鮎の身をしゃぶり尽くすその姿は上品とは言えないぞ。まあきれいに食べ尽くすのはいいことだが。

 そして最後に大本命の黄金の鮎だ。焼き上がった状態ですでにいい匂いを漂わせている。

 大いなる期待を持って一口齧った。


「・・旨すぎる」


 ものすごい脂の乗った身だ。だがそれはくどくなく、身の味と合わさってすごい旨味となっている。

 これだけの味なのに上品に感じるのは清涼感のある香りのせいだろうか。

 普通の鮎とは比べ物にならない。二万円での買取も納得の味だ。


「・・ゆーちゃん、これはダメよ。これを食べたら他の魚がいらなくなってしまうわ」

「これだけをつって、ほかはにがすの!」

「一口じゃ足らないよ! 一匹丸ごと食べたい!」


 ちみっ子達も黄金の鮎の味に魅了されたようだ。

 だがもっと釣るのは賛成だがリリースはしないぞ。普通の魚だって十分美味しいんだ。全部持って帰ります。

 さっきまでは釣ることを楽しんでいたちみっ子達が、今ではハンターの目になって黄金の鮎を狙っている。

 その迫力たるや、こちらに向かって来ていたピンクベアーがUターンして逃げていくほどだ。

 しかし困った。この味を覚えていては今日の夕飯に支障が出るな。

 黄金の鮎以外を使って料理をしようと思っていたので、このままでは夕飯が楽しめないかもしれない。

 仕方ないので後で甘いおやつでも食べさせて一度味を忘れてもらうか。

 まだ焼き途中の魚もあるが、二匹目の黄金の鮎しか食べないかもしれないな・・

 ちゃんと他の魚も食べてやってください。


「・・大丈夫よ。ちゃんと焼かれてる分は食べるから。黄金の鮎より先に食べれば美味しく食べれるわ」

「そうだな。次の黄金の鮎が焼けるまではしばらくかかるし、その間に他のを食べよう」


 若干後ろ向きな解決策で焼き魚を楽しむことにした。

 さすがはダンジョン産の魚。肉食系なちみっ子達をここまで虜にするとは・・

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