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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第百話 それぞれの目標

 魔導具の説明のために俺たちは再び地下1階に来た。

 龍二さんの時と同様に、アレンとデルソルのみんなに実際に起動して使ってみせる。


「すげぇ! ちゃんとしたベッドだ!」

「イスに座ってテーブルで食事できるようになるのね!」

「セーフエリア以外でも水も飲み放題だぜ!」


 デルソルのメンバーがテンションMAXで大はしゃぎしている。

 もちろんそれはアレンも同様で、アメリカ人だからかベッドに大喜びしている。

 日本人でもダンジョンの床に直接寝るのはなかなか厳しいものがあるしな・・


「本城さん、こんなにすごい物を本当にもらっていいんですか?」

「もちろんだ。フラワージュエルに比べればこんなの大したものじゃないよ」

「ユタカさんは最近感覚がおかしいです。これはとても大したものなんですよ」


 おっと、アレンにディスられたぞ。変人代表みたいな君が何を言うんだ?

 たかだか異世界の露店で買ってきた雑貨だぞ。


「・・ゆーちゃんはだいぶ大精霊様に毒されてる気がするわ」

「僕たちもその一因を担ってるんじゃないかな?」

「じょーしきなんて、しょせんはにんげんのきめたものなの」


 後ろで何かちみっ子達が小声で話しているが気にしないでおこう。

 俺はマトモだ。俺はマトモだ。


「ところで非常識代表の豊も、もちろんこのキャンプセットを持ってるんだろ?」

「非常識な顔をした龍二さん、当然持ってますよ」


 このおっさんまでディスってきやがった。常識具合の話をしたらあんたも大概じゃねえか。

 俺みたいな平々凡々な男を捕まえてなんて事を言うんだ。


「ならガンガン潜れるわけだから、さっさと15階攻略しろよ」


 そういう事か。

 確かに15階を突破できればいよいよ最前線組と合流になる。

 龍二さんとしては同じフィールドに来てほしいのだろう。


「まず誤解のないように言っときますけど、俺にはアイテムボックスがありますからこのキャンプセットが無くてもいくらでも潜れます」


 こんなコンパクトなキャンプセットがなくても、イスやテーブルやベッドをそのまま放り込めばいいだけだ。いや放り込んである。

 俺のアイテムボックスを甘く見すぎだ。


「それを踏まえた上で、俺はまだしばらくはボスと戦いませんよ」

「何でだよ、さっさとこっち来いよ!」

「前にも話しましたけど、しばらくは他のダンジョンを見に行きます。それともう一つの理由として――」


 そう、これがボスに挑まない最大の理由。


「現状では勝てる気がしません」

「・・まあ、次もお前が一人で戦う前提だと厳しいかもな」

「ユタカさん、また一人で戦うつもりですか・・」


 15階のボスの名はワイバーンレンジャー。

 赤・青・黒・黄・緑のカラフルなワイバーン共だ。

 最大の特徴はその色・・ではなく、飛行していることだろう。

 つまり地対空になる。圧倒的にこちらが不利だ。

 ここを攻略出来るかどうかが一流の冒険者への分れ道と言えるだろう。

 パーティなら前衛はボウガンなどの遠距離武器を装備して、後衛の魔法使いと共に攻撃するのが一般的な戦い方だ。

 俺もちみっ子達と共闘ならあまり問題はないと思う。

 しかしソロとなると、位置の不利どころか数的不利まで発生する。

 現状で戦うならかなりの戦術が必要だろう・・俺、そんなに頭良くないよ?


「で、現実逃避に他のダンジョンか?」

「ちゃんと現実を見てるから他のダンジョンに遊び――勉強しに行くんです」

「本音が出たぞ」


 そりゃ基本は観光みたいなものさ。その中で何か得るものもあるかもしれないが。

 せっかくたくさんのダンジョンがある日本に居るんだから、楽しまないともったいない。


「仕方ない、俺達が20階の攻略を手伝うか。こいつを貰ったことだしな」

「そうですよ。龍二さん達こそさっさと潜ってください。最近全然潜ってないでしょ?」

「俺はともかく他のメンバーは家庭持ちだからな。1度潜るとしばらく帰れないから、今のうちにしっかり家族サービスしてるのさ」


 お父さん冒険者は大変だ。

 過酷なダンジョンに挑戦してるのだから、せめて家ではゆっくりさせてあげて下さい・・


「僕らもこんないい物を貰いましたし、がんばって10階を攻略して少しでも本城さんに追い付いてみせます!」

「無理はするなよ。何より大事なのは命だからな」


 尾崎君やデルソルのメンバーにたくさんのお礼を言われる。もうお腹いっぱいだよ。

 むしろこっちがお礼をあげただけなんだがな・・


「ユタカさんはすぐに別のダンジョンに行くんですか?」

「いや、確か講師にまだ行ってなかったよな」

「そうですね。最初の学校が明後日になります」


 3つの学校での講師の仕事。それが終わればいよいよ別ダンジョンに旅立つ。

 とはいえ全部日本国内だ。帰ろうと思えば近いところなら数時間で帰れる。

 異世界の話などでは街から街に数日かかるが、地球では1日あれば大抵の国に行けるのだから、科学の力は偉大だ。


「旅から帰ったら、僕らにも話を聞かせてください」

「ああ。そのときは皆で飲みにでも行って土産話をしよう。俺もデルソルの活躍を聞きたいしな」

「豊、もちろん俺も誘えよ」

「私もいきます!」

「アレンはともかく、龍二さんは潜ってる可能性が高いのでは?」


 20階までは往復でかなりの時間がかかる。

 1度潜ると簡単には戻れない場所なのだ。


「潜るスケジュールはメールで送っとくから、それに合わせて帰ってこいよ」


 ・・よし、居ないときに戻ってやろう。

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