ご案内の回
時は現代。
世界各国に『ダンジョン』と呼ばれる迷宮が生まれ始めて32年。
どこにできるかは全くわからず、その管理に関しても国によって異なっている。
初めて確認されたダンジョンは日本の東京、上野公園内だった。
国は早急にアタックチームを結成し、ダンジョンを探索していった。
そして分かったことが、魔物の存在や未知の鉱物の存在、また地下に進むにつれて脅威度や入手アイテムのレア度が上がっていくことだった。
またダンジョン内では魔物を倒すことによって経験値を得て、レベルが上がることも分かった。これはダンジョン外でも強さが反映されることが分かったために、大混乱が起きかけた。
なんせスポーツが成り立たなくなる。例えば重量挙げで言えば、レベルが高ければ子供でも数百キロのバーベルを持ち上げることもできるだろう。
そのために国は『冒険者』の資格を制定した。
これはダンジョン攻略をする人間は必ず取得しなければならないもので、逆に取得した場合はプロのアスリートになることは出来なくなる。
この資格は、命の危険もあるので資格は満18歳から取得可能となる。
ダンジョン横には冒険者ギルドハウスが建てられ、素材の買取や装備品の販売、冒険者以外の一般客向けのお土産屋や食堂などができた。
こうしてこのダンジョンや冒険者というシステムは、後の各国で発生するダンジョンのモデルケースとなった。
上野公園のダンジョンはこういう経緯もあり、『ファースト』と呼ばれるようになり、現在は地下19階まで攻略が進められている。
ダンジョンで手に入る物品は各ダンジョンごとに違いはあるが、基本的には魔物の素材、鉱石宝石、装備品など、地球になかったものや貴重なものなどが手に入る。
この32年の間に果敢にダンジョン攻略が進められ、割と簡単に手に入るものは値段が安定したし、入手困難なものは、モノによっては一生遊んで暮らせるほどの財産にもなる。
だが、魔物との遭遇は大きなリスクとなる。
現在、登録されている冒険者の数は世界で百万人と言われているが、毎年ダンジョン内での死者・行方不明者の数は一万人ほど出ている。
一攫千金や名声、男のロマンなど挑む理由は様々だが、それらを達成できるのはほんの一握りの者たちだろう。
現在までに世界各国に50のダンジョンが発生した。
日本はその中でもダンジョン大国で10のダンジョンがある。
奇しくも『ファースト』が生まれた年にこの世に生を受けた男。
うだつの上がらない冒険者をやっているその男の家の地下に。
51個目のダンジョンが発生しようとしていた。