03 魔物ハンター
スキルの情報がない各階層は直ぐにロードと戦う事にした。
14階層はナーガロード、13階層はトロールロード、12階層はオーガロード,11階層はリッチロードがいた。全部『隠密』で後ろに回り、足の腱を切り、動けなくして超音波攻撃でここまで来た。
10階層にはハンターギルドがあった。地上で暮らしていた時に、町で見かけた剣と盾の看板で分かった。
ハンターギルドとは、魔物討伐を主とした依頼を受け、討伐する仕事だ。
ここで魔物を売る事にした。量は多いが大した魔物を狩ってないのだ。そしてロードは売らない事にした。
大銀貨3枚と銀貨2枚と小銀貨5枚になった。
お金の単位は以下の通りだ。
小銅貨:10ロン
銅貨:100ロン
大銅貨:1000ロン
小銀貨:1万ロン
銀貨:10万ロン
大銀貨:100万ロン
金貨:1000万ロン
大金貨:1億ロン
白金貨:10億ロン
大白金貨:100億ロン
325万ロンになった。
ついでに、身分証明カードとして、ハンター登録を行った。
ここのハンターギルドは、がやがやしていて嫌いだ、静寂がいいのだ。
ハンターギルドのランクはF~Sまであり、以下の通りだ。
S:SS、S級クラスの魔物討伐
A:S、A級クラスの魔物討伐
B:A、B級クラスの魔物討伐
C:B、C級クラスの魔物討伐
D:C、D級クラスの魔物討伐
E:D,E級クラスの魔物討伐
F:E,F級クラスの魔物討伐
なぜ、魔族が魔物を退治するのかと言うと、知能が低い魔物は討伐しなければ、町が壊滅したり、畑が荒らされたりするのだ。魔族と魔物の違いは知能があるかどうかだけだ。
又、山賊、盗賊の魔族もいて指名手配犯として討伐依頼が出される場合もある。
F~Dの案件依頼には討伐日数があり、その期間内に依頼達成しなければ、カードが失効される。又、2週間以内に1件の依頼達成を行わない場合でも失効されるのだ。
クラスC以上では1年以内に1件の依頼達成をすればいいので、クラスCにはなっておきたい。
10日が過ぎ、やっとクラスEになれた。魔物の単独討伐、クラスEのチームでの魔物討伐を地道にやって来た。
受付嬢に手っ取り早く、クラスCになる方法はあるかと聞いたところ、クラスSの依頼を達成した場合、なれるとの事。
問題はクラスSの依頼内容だ。ハイバンパイアロードの討伐になっている。
ラーシのハイバンパイアロードは偽物だと思っている。偽物のハイバンパイアロードでは、純血ハイバンパイアロードには、勝てる見込みはないのだ。地道にやっていけば、クラスCにはなれるだろう。
ラーシの今のレベルは15。全然駄目じゃん。30位にはしたいところだ。
う~ん。ロードレベルの魔物はいないのか? そうだ!!! 最下層に行き、ロードを倒して地上に行き、又、最下層に行きで周回する方法でレベルを上げれるんじゃないか?
ラーシは、ハンターのクラス上げは止めて。レベル上げを優先する事に決めた。
ラーシはいつもと同じ戦法で5階層まで来ていた。しかしここで、邪神に出合い、ボコボコにされているところだ。鑑定をしてみたところ、LV以外はラーシの方が上なのだ。
だが、実践がラーシには足りていない為、苦戦しているのだ。そもそも、スキルがどういったスキルなのか確認していないのだ。
ラーシは逃げて、逃げて、逃げまくり、超音波攻撃を乱射して5階層のロード、ハイエルフロードを倒し、4階層に逃げた。
自分のスキルと相手の弱点を知る為、4階層のハンターギルドに行き、『上』『中』『下』の魔物の生息地、特性、弱点等が書かれているギルド書と、魔法の機能と使用方法、と言う本を金貨3枚で買った。足りない分は、ロードを全部売り払い、なんとか足りた。
山籠りするつもりだ。自分のなんて無知な事かと反省した。1人で野宿をし魔物の気配を察知する事で、気配察知能力が身に付いた。本がボロボロになるまで、繰り返し、繰り返しスキルと魔法、魔物の弱点を習得していった。
予習、復習し、無詠唱が出来るまで修行に励んだ。4年が過ぎた頃、山を下り、町に出た。
町に出たが、みんながジロジロ見ている。自分の身なりが酷い事に気付き、服を買う事にした。ハンターギルドで山で狩った魔物を売り、黒の新しいマントと黒の衣服を買った。
ラーシが11歳の頃だった。
知識は付いたが実践がまだなっていない。ロードを倒して周回するつもりだ。そして、邪神とのリベンジだ。
ロード周回の目標は最下層から地上までの16階層、計15匹を1日でクリアする事だ。もっと欲を言えば、1時間でクリアしたい。
4階層目はキメラロードだった。
体長50メートルはあり、体当り攻撃をしてくるのだ。1度わざと食らってみた。
「グハッ」
後ろの壁に叩きつけられ、肋骨と背骨が折れたようだ。眩暈がする。
ふらふらになりながら、『自動治癒』で即座に治したが、まだ頭がくらくらする。
必死に『時間停止』を発動し、回復の時間稼ぎをするが目の前が真っ暗だ。
相手が動きを止めている状態で、なんとか超音波攻撃で、脳を破壊して、空間収納ボックスに入れた。
これは、周回は大変だぞ。体力回復の為、1日野宿を決めて明日、3階層のロードに挑戦する事にした。
3階層目はドラゴンロードだった。昨日のキメラロードのように攻撃を喰らったらダメージが大きすぎるのが分かった。バンパイアはもともと攻撃に弱いのだ。まともに喰らっては駄目なのだと、学習した。どんな攻撃でもかわす練習が必要だ。
慎重過ぎてもいけないし、大胆過ぎてもいけない。相手をよく観察するのだ。
やはり、本と実践では全く違うのだとよく分かった。魔物には、それぞれの個体差がある。個性、体力、素早さ、腕力、戦闘経験も違うのだ。
ドラゴンロードの鱗は、今の僕には掠り傷も与えられない為、内部破壊しかない!!
『隠密』で後ろに回り込む。
「グハッ」
ドラゴンロードの尻尾で木に叩きつけられた。
あんなに慎重にって思っていたのがバカじゃないのか? ダメージが大きい、肋骨が折れたようだ。血を吐き、眩暈でふらふらする。
『隠密』が効かない。時間稼ぎだ!!! 『時間停止』。ドラゴンロードは後ろを振り向く。
『時間停止』も効かないぞ!! くそっ! 後は何がある?? 『転移』と超音波しかないぞ。『転移』しながら、超音波攻撃をドラゴンロードにぶち込む。それを繰り返すのだ!!
そして……ドラゴンロードの断末魔が聞こえた。
「はーっ、はーっ、はーっ。やっと倒したか。魔力枯渇しているぞ。動けない」
ラーシは大の字になり精根尽きた感じになっていた。
だが、早く起きないと、次のロードが来てしまうぞ。
ふらふらになりながら立ち上がった、眩暈が酷い。2階層に取り合えず行くぞ。
2階層に行ける扉まで必死に這いつくばって進む。眩暈が酷く、自動回復でもあまり効いてないようだ、精神的に疲れているみたいだ。
ドラゴンロードに1時間もかかってしまった。
2階層目は4階層目と同じキメラロードだった。このキメラロードは尻尾の蛇を自由に扱うキメラだった。後ろに回り込めばキメラの思うつぼだ。
『時間停止』
『時間停止』は効くようだ。そして、超音波攻撃。キメラの頭部を吹き飛ばし、キメラは倒れた。1日に2体を倒すには魔力、体力的に不足だった。
一度、母様を遠くの方から見て、ロード周回するつもりだ。だが、その前に……、どさっと倒れ、眠りについた。