元就活生、異世界を楽しむ。
「そーれ、それそれー♪」
エールと呼ばれるビールの親戚の様なお酒が入った木製のジョッキをダラムの頬にグリグリを押しつけながら、私はもっと飲めと彼を煽る。
私達はダラム達に案内してもらった酒場で昼間から浴びるようにお酒を飲んでいた。もう既に店の外は暗い。
え? 何? 未成年飲酒禁止法?
この国は16歳くらいからお酒が飲めるらしい。と言うか明確にお酒を飲む年齢の決まりがないという事だ。
なので私がお酒を飲んでいても問題なしッて事!
「姐さん。もう飲めないっすよー」
「何言ってんねん。だらしないなー」
「姐さんが強すぎるんですよ〜」
最後まで私に付き合っていたダラムも、もう飲めないと遂にはテーブルに突っ伏した。ヤヌックに関して言えば、下戸なのか飲み始めてすぐに潰れていた。
「おねーさん! エールおかわりッ!」
「あ、姐さん……まだ、飲むつもり……すか」
ダラムに勧めたジョッキを自ら空にして店員を呼ぶ私を見て、ダラムは青い顔をした後寝息を立て始めた。
「当たり前やんけ、今夜は飲むでーッ!」
二人はもう飲めないようだが、私のテンションは下がる気配がない。寧ろ上がり続けている。
ぐったりしてテーブルに突っ伏している彼らを他所に私は一人でエールを煽っていた。
「お嬢ちゃんイケる口だね、よかったら俺らと一緒に飲まねえか?」
気がつけば、私達のテーブルのまわりに明らかに善良な市民ではないお兄さん達が集まって来ていた。
【注文履歴】
肉のグリル 銅貨2枚 ×4
炒った豆 銅貨1枚 ×3
エール 銅貨2枚 ×14
※薫7杯、ダラム6杯、ヤヌック1杯