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森と海の王国 (雨蛙は苔の中へ)  作者: 森野うぐいす
インタールード(2)
26/52

森の向こうのバー 〈カモノハシの大僧正〉

' やたらと太ったカモノハシ ' は男を追いかけてやっとのおもいで『森の向こうのバー』にたどり着いたのである。


大僧正はカウンターにうつ伏せで眠りこけていた。


「イチジ大僧正さま、イチジ大僧正さま、、起きて下さいませ。」


「おおジュウイチジではないか。いかにも私は大僧正である。西域の王に大僧正に任命され早20年である。」とイチジ大僧正と呼ばれたカモノハシは答えた。


「ジュウイチジよ、私は眠りこけていた。おそらくあの男に眠り薬を盛られたのであろう。」


' やたらと太ったカモノハシ ' はジュウイチジと呼ばれていた。


「イチジ大僧正さま、たぶん、お酒に酔って眠っていただけでございます。あのお方は薬など盛らぬでありましょう。」


「そうかの、ワシは酒に酔ったのか。弱くなったものだのう。歳を取ったものだ。」



***



「それより『玄界灘』の声が聞こえたように思ったが、、、。」大僧正は言った。


「『玄界灘』...『白』様でございますか、私が来たときにはおりませんでしたが、、それより私は ' あのお方 ' を追いかけて来たのでございますが、、どうやら入れ違いになってしまったようでございます。」


「ワシが寝ているうちにどこやらへ行ってしまったようだな。」


「ああしかし、どこだかの時間軸で ' ナダの力 ' を使うものがあったようだ。ううむしかし、ずいぶんと原始的な時間軸のようだ。」


「はい、かなり太古の時代のようです。しかし、私達にはその時間軸がどの空間軸かわかりませぬ。」


「どのみち『玄界灘』の小僧の仕業じゃろうて。」


「『白』様はここへ戻ってきますでしょうか?」


「どうかの、気ままな奴だからのう...。」


' あのお方 ' は大丈夫だろうか。とジュウイチジという名前のカモノハシは心配した。


≪登場人物紹介≫

・シロ ・・・ 本当の名をゲンカイ・ナダという。

・クロ ・・・ 本当の名をクロ・ト・ジュノーという。ジュノー王国の王子。

・アオ ・・・ 本当の名をアポトーシス・オルガという。〈死神〉と呼ばれることがある。


・男 ・・・ 謎の男。

・イチジ ・・・ 森の向こうのバーにいるカモノハシ。大僧正。

・ジュウイチジ ・・・ やたらと太ったカモノハシ。


・灘よう子 ・・・ 東京で探偵をやっている。

・鴨木紗栄子 ・・・ 灘よう子に仕事を依頼する。

・鴨木邦正 ・・・ 鴨木紗栄子の伯父。植物学者。

・黒戸樹 ・・・ 鴨木紗栄子の夫だった人物。

・蒼井瑠香 ・・・ 医者。


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