表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
森と海の王国 (雨蛙は苔の中へ)  作者: 森野うぐいす
第一章 ≪王国の物語≫
10/52

砂漠の朝顔

「おい、朝だ。」シロはクロを揺すって起こした。


クロはいつの間にか寝てしまっていたんだと思った。


地平線の向こうに太陽が見えた。なんと美しい神々しい光景だろうかと思った。


「朝のうちは少しは涼しい、水のある場所を探そう。」


とシロは言って、早々に出かけようとした。


「ちょっと待って、まだ顔も洗ってないよ。」


「あのな、そのお顔を洗うお水も無いの!」シロは呆れるように言った。



***



移動するうち、異音を発するものがあった。それは' 朝顔 'だった。砂漠の真ん中に' 朝顔 'が一輪咲いていたのである。


朝顔は顔を真っ赤にして、「ピーピー、ピーピー、ピーピー」と音を発していた。


「' 朝顔 'が威嚇音を発しています。」とアオが言った。


シロはおもむろに朝顔に近づくと、根元ねもとを掘り起こそうとした。


「ああやめて下さいまし、乱暴はやめて下さいまし。人が近づいてきたので驚いていただけでございます。」


それでもシロは掘り起こすのをやめなかった。


しかし、掘っても掘っても、朝顔の根っこは、いつまでも地中深くまで続いているようでキリがなかった。


「水脈をお探しですね。しかし私は頑張ったのです。かなり深くまで根を下ろしました。掘るのをおやめ下さいまし。」


「なんの因果か、種だった私はこんな所まで飛ばされてきたのです。生きるために必死に根を下ろしたのでございます。」


朝顔の咲く場所には水脈があるのだ。


シロはとりあえず朝顔の言うことを聞くことにして根元を掘るのをやめた。


≪登場人物紹介≫

・シロ ・・・ 本当の名をゲンカイ・ナダという。

・クロ ・・・ 本当の名をクロ・ト・ジュノーという。ジュノー王国の王子。

・アオ ・・・ 本当の名をアポトーシス・オルガという。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ