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『不老不死の薬を作った少女』  作者: 根尾 彼方
8/12

僕と「僕」

 僕の代わりのクローンはもう既に沢山いたが、博士のクローンと共にここへ置いていくためにもう一体作った。

 「やっほー元気?」

 そう言って培養槽から出てくるあたり昔の僕だ……

 人懐こく、人に好かれそうだなぁ。と他人事のように思う。


 「あー、うん。これからここ任せたいんだけど良い?」



 「何のため?」

 笑って聞いてくる。



 「僕の自由のため」

 綺麗事なしで言う。


 「そう、なら任されよう。僕の(オリジナル)のためならね」

 案外素直に返されて驚いた。


 「僕らは、もうくり返し作られたデータがある。引き継ぎや共有もしている。(オリジナル)のために死んだ個体がいるのも知ってる。僕らはそれでも(オリジナル)に幸せになって欲しいよ」


 まっさらから作るのではなく、データ共有された個体に任せたから、博士と違い僕は育てる必要はない。


 幸せになって欲しいって、自分に願われるのは何だか不思議な感じだなぁ。


 「そう……ありがとう。後は頼んだよ。よろしくね。」




 それから数年かけて外との交渉に蹴りをつけた。

 オリジナルの重要性を解かれたりしたが、僕も彼女のお願いだから、手段を選ばなかった。自分の立場を最大限に活用し、しっかりと要求を通した。


 さて、彼女は今の空をどう思うんだろうか。


 「私」は、順調に研究成果をあげ出した。

 私より優秀だなぁと思う。




 「もう交渉は終わっているからいつでも出れますよ」

 と彼が言っていた。


 久しぶりの空をみて、久しぶりの空気を吸って……

 本物の山を見て海を見たい。


 そうホログラムの流れ星に願った。


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