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『不老不死の薬を作った少女』  作者: 根尾 彼方
7/12

「私」

 「私」は、博士になるために作られた。

 培養槽の中で18になるまで育てられた「私」。

 博士は初めてあった時挨拶の後小さく


 「ごめんね」


 と言った。

 言葉の意味は理解出来たが博士の気持ちは理解出来なかった。私は、データを持っているが使い方がわからない。「感情」というものが無かったのだと後になってから気がついた。


 博士はそんな「私」に色々な事を教えてくれた。


 ここの空はホログラムで本当の空をまた見たい。と言うつぶやきにつられ、空を見たが私にはこれが全てだ。


 そして、「私」もしばらくして外に出たくなったら同じようにすればいいと言う。


 今の「私」は外に興味が無い状態だが、博士のようにそのうち外に興味を持つのだろうか。


 博士のクローンだから博士になれると思って、それを使命と知って培養槽の中から出た。

 しかし、現実は違った。

 博士は、「私にならないで」とまで言う。

 「あなたは、あなたでいいの」とも。

 私は博士の代わりのはずなのに、博士になる事を拒否される不思議を味わいながらしばらくの間一緒に研究をして、様々な事を「思う力」を養った。


 博士は言った。

 「研究の根底には知りたいという欲があって、その欲は結果的に成果になるのよ。だから、その感情を持って。欲を持って。」

 と。


 しばらく博士と研究を共にした事により、「私」は欲を持つ事に成功する。

 「私」の最初の欲は、博士を知りたいという欲だった。

 「私」は博士に幸せになって欲しいと思った。


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