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ビーチと温泉とバカンスバトル 1 トゥルカナのターン

俺がいつものように城下町で女とイチャイチャしてたら…


出会ってしまった。


ベルに!


またあのサイマーとかいうスカした奴と一緒にいる。


この前、姫が企画したなんとかパーティでどさくさに紛れてキスしまくったんだよなあ。


ベルは完全に俺を姫さんだと思い込んでそれはもう積極的に……。


それにあの猫の格好…エロすぎ。


ごめんにゃあとか言わせられて………


ああ、思い出しただけでやばい…


しかし、そんな俺の思いとは裏腹に…


ベルは俺を見つけるなり、うおおおーとか言いながら殴りかかってきた。


避けるのも可哀想だし、へなちょこパンチをあえて受けてやる。


トゥルカナ

「ってえな…………。

こら、チビオレンジ何しやがる!


シュタインベルク

「きさまああああ!

姫の夫を狙っていながら、何故他の女性といる!


オークの歯くそ野郎が!


ゲスゲスゲスゲスーーーーーーーゲス!」


ベルはゲスゲス連呼しながら、俺のすねを蹴りまくって去って行く。




女性

「あの子…………、ヤキモチね。」


トゥルカナ

「あ?嫉妬だと?」


女性

「ええ、そういう風に見えたけど。

あなたの事好きなんじゃないの?」


トゥルカナ

「ふふふ、そりゃないない。

あいつは真面目なんだよ。」


俺の方はゾッコンなんだが、ベルは姫に夢中で完全に俺を敵視している。


しかも今は変な男といつも一緒にいやがる。


本当は俺が助けたのに…あの男が助けたことになってるし。


あーも、むしゃくしゃするぜ!


だが明日からは………姫さんが企画した海でバカンスの会。


あのスカした男からベルを離してやる。




…………………………次の日


ここは海岸沿いにある宮殿、王族が保養地として利用する施設。


ここで一週間若い男女が親睦を深め合うらしい。


参加者は姫と5人の女達、俺とベル、サイマー、

その他5人の貴族男子。


ぶっちゃけいつものメンバーだ。


王都からは馬車で3時間ほど。


俺が馬に乗ってちょっと挑発したら、

ベルも馬に乗ってついてきた。


ベルといつものように毒づきながら馬を走らせるのはかなり楽しい時間だった。


あの邪魔なサイマーやら姫さんもいない、二人きりだったからな。


ここの宮殿の目の前はプライベートビーチですぐに泳げるようになっている。


青い海、白い砂浜、最高だ。


辺境で毎日オークと戦ってた俺にはまるで天国。


それに一週間もベルと一緒なんて神様がくれたご褒美か?


部屋はたんまりあるので、それぞれ広々とした美しい客間をあてがわれた。


俺はベルの隣になったが、サイマーもベルの隣で、ベルの部屋に入り浸っている。


かなりイライラさせる奴だ。


ランチを食べて少し休んだ後、早速浜辺に出る事になった。


砂浜のデッキで冷たい飲み物を飲んで海を眺めているだけではつまらない。


俺は服を脱ぎ下履きだけになるとベルを挑発してみた。


トゥルカナ

「あの島まで泳げる奴、いたら一緒に泳がないか?

あ……いないかな、じゃあ、俺ちょっと泳いでくる。」


シュタインベルク

「待て!僕も泳ぐ。」


あ……簡単に釣れた。


ベルは薄くて白いシャツと下履きになった。


シュタインベルク

「姫、見ててくださいよ、どっちが早いか。」


サイマー

「シュタインベルク!結構距離あるよ、あの距離泳いだことあるのかい?」


シュタインベルク

「大丈夫だよ、サイマー。

僕池で何度も泳いで練習してるんだから。」


サイマー

「むう………………。」


ふふふ、お前は泳げまい!


トゥルカナ

「行くぜ!チビ猫!」


シュタインベルク

「あ、こら、待て、ズルいぞ!」


…………………


あー最高……………。


平泳ぎで青い空を眺めながらゆっくり泳ぐ。


後ろからベルがクロールで追いかけてくる。


今にも溺れそうにゴボゴボしてるが、頑張っている。


溺れたら助けて恩を売っておこう。


2キロほど泳いで小さな島にたどり着いた。


もちろん俺の方が早かった。


ベルはゴボゴボ、ゼーゼー言いながら浜に倒れこんだ。


俺は片手でベルを抱えて、涼しい日陰に運んでやった。


ついでにヤシの実を取ってきて、飲ませてやる。


飲み終わったら、また寝転がってポカーンと空を見上げている。


俺も隣に寝転がった。


波の音、潮の香り、隣にベル、最高だ。


1時間くらいこうしていただろうか俺は眠ってしまったらしく、


ベルに起こされた。


シュタインベルク

「おい、起きろ。そろそろ戻らないと。」


トゥルカナ

「あ……、ああ。」


シュタインベルク

「トゥルカナ、お前の泳ぎ方教えてほしい。

それから、お前がやってた、まっすぐ浮かぶやり方 。」


俺はベルのこういう所も好きだ。


トゥルカナ

「いいけど………、お願いにゃあって、言ったらな。」


シュタインベルク

「う…………。」


ベルは真っ赤になって目をそらした。


シュタインベルク

「お、お………。」


え……、マジで言ってくれるのか?冗談だったのに。


シュタインベルク

「お願い………にゃあ。


ベルはなんと上目遣いで言いやがった。


しかもスケスケの白シャツにショートパンツ…。


すごい破壊力だ。頭の中にハートが渦巻く。


このまま押し倒したいが、なんとか理性で抑えて泳ぎを教えてやる事にした。


ベルは真剣に俺の講義を受けて、すぐに覚えてしまった。


まったく覚えが早すぎる。


シュタインベルク

「トゥルカナすごいな! これならいくらでも海に浮いてられるよ!」


あれ………ベルが俺の方に笑いかけてる。


俺が驚いて見てるとベルがハッとして泳ぎ始める。


ベルが俺に心を開き始めてる…?



…………………………………


無事に浜辺についた頃には夕日で海は染まっていた。


もう姫達はバーベキューを食べる準備を始めている。


オルタ姫

「あら、おかえりなさい。」


そう言って姫はにっこり笑う。


周りの手下達も。


サイマーはベルに駆け寄ってタオルでくるんだ。


ほんと、うざったい。


ディナーは外でバーベキューだ。海の幸が新鮮で美味い。


ベルはサイマーと一緒にエビを焼いている。


サイマーの手がベルの腰に添えられて離れない。


本当に目障りだ!


あの無人島に戻りたい。


あの島ではベルはすごく素直で、

俺の事を嫌っていないみたいだったし……。


あの、サイマー邪魔だ。


トゥルカナ

「オルタ姫!

俺が姫にとっておきの肉を焼きましょう!」


シュタインベルク

「僕も!姫に焼いて差し上げる!」


よっしゃ、釣れた。


ベルはサイマーのいやらしい手から逃れて俺の横で肉を焼き始める。


他の男子も次々に焼き始めた。


結局焼かれた大量の肉は姫が食べる事なく男子が平らげた。


この宮殿には大きな浴場があって男も女も薄い風呂用の服を着て入る。


ああ、まただ。


あの男がベルに密着して髪を洗ってやっている。


なんだ、あの目。


サイマーの奴、絶対やましい目で見てるぞ。


俺もだけど。


トゥルカナ

「おーい、そこのー貧相なちっこいオレンジ、どっちが風呂に長く入っていられるか、

姫の前で勝負しようじゃあないか!」


シュタインベルク

「ふん、いいだろう!その勝負受けて立つ!」


ベルはザバーンと飛び込んだ。


オルタ姫

「こら、チビ猫、お風呂で暴れないの!」


シュタインベルク

「は、はい…」


姫もチビ猫って言った?まあ…気のせいだろ。


とりあえず、釣ってやった、サイマーがため息をついている。


ベルと罵り合いながらこんなに近くで一緒に風呂に入ってるなんて、

マジ極楽。


赤く火照った顔が色っぽい。


黄金の髪についた雫がキラキラ光って宝石のようだ。


口からはオークのフケだの爪垢だの汚い言葉が飛び出しているが

俺はベルに釘付けだ。


10分くらい罵るベルを眺めていただろうか、

ベルが無言になったかと思ったら風呂に顔から突っ伏して、

沈み始めた。


サイマー

「シュタインベルク!」


しまった!出遅れた!


サイマーがベルをお姫様抱っこで連れて行く。


サイマー

「まったく君は、暑さに弱いのに無茶をして!」


シュタインベルク

「う………ん…………ごめん。目が回る……。」


サイマー

「姫、さきに部屋に戻っています。」


オルタ姫

「ええ、すぐに冷たい飲み物を持って行かせるわ。」


やられた、あんな状態のベルとあいつを二人っきりにしたら何をするかわからん!


俺だったらいろいろする。


オルタ姫

「トゥルカナ、責任とってあなたお水を持って行きなさいよ。」


おー姫、ナイス!


トゥルカナ

「そんな、俺は姫と入ってたいのに…。しょうがない…。」


なんて心にも思ってない事をぶつぶつ言いながら、


急いで水と氷を持って走る。



つづく















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