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御前試合バトル トゥルカナのターン

まるで天使のようだった。


シュタインベルク、俺の敵。


全然シュタインベルクなんてゴツい名前とはかけ離れた華奢な、

触れたら壊れてしまいそうなやつだ。


完全に名前負けしてるだろう、あいつ。


だから俺はあいつの事をベルって呼ぶことにした。


直接呼ぶ機会はないだろうが、

もし寝言や女とやってる時に呼んだとしても、

バレる事はない。


それにしても、この俺が一目惚れなんてものをするなんて予想外だった。


しかも男で、俺の出世を邪魔するやつだぞ!


ふう………俺を見つめたあの青い瞳が忘れられない。


それにこの前のくだらないお茶会…。


あの馬鹿な女達の言いなりになって、

あんな格好させられて………。


いかん、思い出したら興奮する。


あやうく、キスして、そのまま犯してしまうとこだったじゃないか!


トゥルカナ

「おっと、アブねー!


俺が素振りした剣が手から滑って地面に突き刺さった。


バラトン将軍

「どうした、雑念があるぞ。


トゥルカナ

「父上、可愛いプリンセスのことを考えてましてね。


バラトン将軍

「ハハハ、それはちょうど良かった。

今度の御前試合、少年の部、当然ながらプリンセスもご覧になるぞ。

絶対に勝てよ。


トゥルカナ

「俺は実戦経験者ですからね、正直言って少年の部じゃ物足りませんね。


バラトン

「まあ、そういうな、ミューリッツの息子も出るからな、

コテンパンにして、恥ずかしい思いをさせてやれ。


トゥルカナ

「へ、え……、あの野郎も……、よくもあんなちびすけが出場しようなんて考えましたね。


バラトン

「なかなかレイピアの腕が立つらしいぞ。


トゥルカナ

「なるほど、それは楽しみだ。


それからひと月後、年に一回の大イベント、闘技大会が始まった。


闘技大会は貴族も平民も関係なく、腕に自信があるものが出場できる。


しかし、ここ10年以上、優勝は父上のものだ。


会場に着くと、俺はベルを探した。


いた、貴族席で呑気に親父とお茶を飲んでやがる。


軽さを生かすためだろう、森のエルフの服に似た皮鎧だ。


胸の前は金の紐で結んである。


服をし立てるにはおそらく相当金がかかっているだろう。


しかしなんというかな、いつもより、可愛い…感じだ……。


あの紐を取ってしまったらどうなるかな。


俺はぞクリと疼いた。


ああ、次はベルの試合だ。腕前はどうだろう。


相手は街のゴロツキのような奴だ。


ベルは果敢に攻めて、攻撃もすばやくよける。


本当に森のエルフに見えてきた。


流れる金の髪しなやかでよく動く華奢な身体。


ああ、俺も早くやりたい。


近くで見たい。


その時、ゴロツキの剣を少し避けきれず、腕をかすった。


服が裂けて、白い肌から血が流れているのが見えた。


俺の中に怒りがうずまいた。


よくもベルの白いシルクのような肌に傷をつけやがったな。


許さん!


その試合は結局ベルが勝って終わった。


出てきたゴロツキを路地で待ち構えて一発殴ってやった


二度と闘技大会に出たいと思わないようにだ。


そして順当に俺たちは勝ち進み、ついに決勝戦。


俺の可愛いベルを目の前にして身体が疼く。


試合前の挨拶で俺はベルに近づいて呟いた。


トゥルカナ

「俺の剣をお前に突き刺してやる。

逃げるならいまだぜ、おぼっちゃま。


ベルの頰がピンクだ、可愛い!


ああ、それにベルの汗の香りだ。


マジで、この場で犯したい。


シュタインベルク

「お前のその汚い腹わた、取り出して切り刻んでハゲタカの餌にしてやるよ。


ベルは俺のことが憎くてたまらないんだろう、歯を食いしばって睨んでいる。


いよいよ試合が始まった。


ベルは開始と同時につきでガンガン攻めてくる。


たしかにレイピアの腕は超一流。


だが所詮は安全な街の中での剣術だ。


俺はことごとくロングソードで弾く。


だが、いきなり終わらせる事はしない。


そうすればまたベルとはしばらく会えないのだから。


惜しいところで弾いているふりをしながら、

俺は隙を見て一本一本ベルの服を切る。


もちろん白い肌を傷つけないように、丁寧に。


たまにぶつかるふりをしながら身体に触れる。


肩を掴んだ時は心底驚いた。女かと思うくらい細くて華奢だったからだ。


ベルの汗が飛び散るとすかさず身体に浴びる。


顔にかかった汗をペロリと舐めてみる。


ああ、俺って変態だ。


そうとも知らずに、ベルは必死な形相で攻撃一辺倒。


たまには守備に回らないとくたびれて終わってしまうぞ、まったく。


ついに紐が全部切れて、皮鎧がぽとりと落ちた。


ああ、これは………、悶絶だ。


シルクの下着一枚でしかも汗で透けて、ああ………公衆の面前で…。


しまった、これは俺でなくとも興奮する奴らが出てきそうだ。


ベルを襲おうという輩が増えては困るし、終わらせるか。


俺はしっかりベルのいやらしい姿を目に焼き付けた。


スタミナ切れのベルのレイピアを叩き落として、首元にロングソードを突きつける。


トゥルカナ

「お前など、殺す価値もないな…。

弱すぎて俺の剣が汚れる。


うわあ…………、へたり込んで苦しそうにハアハアしながら俺を睨んでるよ。

胸元開いてるし、なまめかしすぎるだろ、

やっば………触りたい。

服の中に手を………………。

我慢だ!心頭滅却だ、こらえろ!俺!ぐわあああ


シュタインベルク

「いつか、殺してやる……。

僕のレイピアでトゥルカナ、きさまの喉を掻っ切ってやる。


今、ベルに名前……呼ばれた。


俺は胸がキュンと締め付けられた。


名前を呼ばれただけでこんなに嬉しいなんて、

本当にどうしちまった、俺。


トゥルカナ

「いつでも相手になるぜ、おぼっちゃまくん、

勝つのは俺様、ハハハハハ。


嬉しさのあまりテンション上がって、高笑いしながら俺はベルから離れた。


これ以上いたら抑えが効かない。


好きすぎて……………。




つづく














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