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ツンデレを辞めたふたり オルタ姫のターン

恒例の先取り最終回!

オルタ姫

「ローゼンガールズの皆様、準備はよろしくて?」


5人の秘密クラブのメンバーは興奮の面持ちでうなづいた。


オルタ姫

「では、おのおの抜かりなく!」


ローゼンガールズは一斉に身体が透明になるマントを身につけた。


私が高名な魔術師に作らせた貴重なマント。


静かにバルコニーの端っこに座ってその時を待つ…。


もちろん、足元はバレーシューズ。


物音一つ許されない。


やがて、ふたりがバルコニーに出てきた。


今夜は満点の星空、ロマンチックな夜、完璧ね。


ふたりとは、もちろん新しい将軍のトゥルカナと宰相見習いのシュタインベルク。


ローゼンガールズのみんなは固唾を呑んで見守る。


私の手のひらにも汗が滲む。


無言のままふたりはバルコニーの手すりあたりまで歩いてきた。


しばらく沈黙が続いたがシュタインベルクは思い立ったようにトゥルカナの顔を見上げた。


シュタインベルク

「あ……えっと………う…………


そして真っ赤な顔で口をパクパクさせた後、トゥルカナに背を向けてうなだれた。


トゥルカナは目を細めた後、シュタインベルクを後ろからガバッと抱きしめた。


私は危うく声を上げるところだった、あぶないあぶない。


シュタインベルクもびっくりと目を見開いている。


トゥルカナ

「ベル………。


シュタインベルク

「え……………、ベ、ベルって僕の…………。


ベル、ベルですって!?シュタインベルクのベル!

なんて可愛い愛称をつけたのよ、トゥルカナは!

ツンデレ過ぎるわよ!


トゥルカナ

「ベル………、愛してる。」


愛してるですって!いきなり、愛してるですって!

私は興奮で血液が沸騰しそう。


あ〜シュタインベルク泣いちゃった、可愛い。


シュタインベルク

「僕も…愛してるよ。


うわあ………トゥルカナ、なんて嬉しそうな顔してるのよ。


トゥルカナはゆっくりシュタインベルクの身体を自分の方に向けると

優しく微笑んでキスをした。


これまでの分を取り戻そうかとするように長く、じっくり味合うようなキス…だわ。


私はここで我慢できなくなって、号泣しちゃった。


ローゼンガールズのみんなもきっとそう。


ところが、トゥルカナがビリっとシュタインベルクの詰襟を開いて首に舌を這わせ始めた。


シュタインベルク

「ちょっと、トゥルカナ!だ、だめだよこんな所で…!


トゥルカナ

「もう我慢できない、ちょっとだけ……。


シュタインベルク

「はあっ………誰かに見られる……よ………。


ああ、だ、だめ!これは想定外!


あ、待って、見てるから!乙女が!


やめて、それ以上は、だ、だめ〜!



………………………………………………………


ふたりがバルコニーから出て行った。


後には、鼻血を吹いて撃沈した

私たちローゼンガールズ秘密クラブの骸が残された。





おしまい


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