表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に連れていかれて  作者: かっしー
1/3

プロローグ

久しぶりに書いたのでとても不安ですが、楽しんでいただければとてもうれしいです。思い付きで書いているので何か矛盾がありましたらご指定ください。

よろしくお願いします。

ザザー...ザー...


もう3日も雨が止まない。

天気予報ではここ1週間は晴れって出ていたのに...

確実や絶対って言葉ほど信用できないなと改めて思う。


「カァー、カア!!」


「はい、はい...お前はすっかり元気になったね」


そういいながらここへ来る途中で見つけた、今ではすっかり元気になったカラスに缶詰のシーチキンをプラスティックの皿に移してあげる。


「どうぞ、召し上がれ」


「ガァ~!」


なんとも嬉しそうに食べ始めるカラス...

カラスは賢いって聞いたことあったけどこの子は特にそう思う。

最初は傷ついていてこちらをとても警戒していたのに、手当てをしたいだけだと言ったらこちらをじっと見て、そのあと大人しくされるがままになった。

話しかければ必ず返事をするし、回復も普通より早い気がする。


もう一度窓から見える景色を見ても相変わらず雨でが悪い...

一人になりたくて誰もいない山の中にあるこの別荘に来たけれど、結局どこだって同じかもしれない。人の声が虫や雨の音に変わっただけ...心はまるで凍ったみたいに涙すら流せない。いや、もう泣きつくしたのだ。そして、嫌というほどわかってしまった。

自分の人生がどんなに無意味になってしまったことを.........


「ガァ?」


いつの間にかこちらまで飛んできたカラスがまるで〝どうしたの?“って聞いているみたいに首をかしげて私を見た。


「私は何をしたらいいんだろうね?昔は願いが沢山あったはずなのに、どうしてもっと素直に生きれなかったのだろうかと思ってね..」


こんなことカラス相手に言っても通じないと思いながらも、ただこの子があまりにも熱心にこちらを見ているから理解してくれるんじゃないかと思ってしまう。


「私のパパとママは1ヶ月前に飛行機の墜落事故で亡くなったの。原因は未だに不明...海に落ちて死体すら見つからなかった。」


何度も夢で最後の二人の姿を見る。

〝お土産を楽しみにしていてね!“とママが少女のようにはしゃいで〝留守の間頼んだぞ?”とパパがママを愛おしそうに見つめながら私に言った。


「二人は結婚25年の記念旅行に行っていたの。いつまで経っても新婚夫婦みたいで見ているこっちが照れてしまうような2人だったのよ」


両親は本当に愛し合っていた。死ぬまで一緒だとよく言っていたっけれど、本当にそうなってしまってシャレにならない。


「2人は私にとって全てだったの。だから...」


私は二人が大好きで、喜ぶ顔が見たくて何でもした。パパが好きだった武道はあらかたやって、ママが好きだった料理や裁縫だって一生懸命できるようになった。

将来はパパのあとを継ぐんだって疑わなかった。それでも、まだまだずっと先になるだろうって思っていた。


「だから、二人が亡くなって初めて自分が空っぽだって気づいてしまったんだよ」


「カァ...」


―私は何がしたいんだろう?

―自分の望みは何だろう?


両親が亡くなって、今までずっと邪険にしてきた親戚がこぞって残った遺産を手に入れようと私に近づいてきた。


孤児院育ちのママと御曹司であったパパとの結婚に祖父母は反対した。叔父たちも隙あらばパパを蹴落とそうとしていたけれど、幸いパパは優秀でそんな隙はなかった。


「私は臆病だ」


どんなに強がってもまだ大人になれない。何か欠けていると自覚している。

「だから、変わりたい」


もう、他人のためだけに生きるのは止めよう。こんな思いは一度で沢山だ!


「もう、望まれるだけの生き方はしない。今度こそ後悔のない生き方をする!」


両親は厳しいところもあったけれど、自分たちのことはいいから私はなりたいものになれと言った。今更遅いかもしれないけれど、これからはもっと自分に素直に生きよう。


「そう、思っただけだよ...」


そう締めくくった私は返事が来るとは全く思っていなかった...


「はぁ!おまえ、ものすごく親に依存していたんだな...ちょっと引いたぞ」


...は?あぁ、幻聴か!びっくりした。


「おーい!ここ3日おまえを観察していたけど、やっと暗い面していた理由を言ったな」


「おかしいな、カラスくんが言葉をはなしている幻聴が聞こえる」


「幻聴じゃないけどな」


「ならこれは夢か」


「突っついてやろうか...」


「いっ!...え、痛い!」


おもいっきり手を突かれた。


「ちょうどいい、変わりたいおまえに提案がある」


「待って、その前に何で話せるの?!」


今更ながら焦る私...私はさっきこいつに何を聞かせたかな...いや、通じないと思ったから話したのに、全部通じていた。恥ずかしすぎる!


「いいから、聞け!お前に選択させてやる」


どうやら聞かないと話が進まなそうだ。


「おれは別の世界からある使命をもってやって来た。おれは誰か“異世界人”を連れて帰らねばならない!そこでだ、生まれ変わる覚悟があるならいっそのことおれと一緒に来るといい!こっちもあんまり時間がねぇしな」


「はい?...」


ものすごい壮大なはなしになってしまった。


「そうか!引き受けてくれるな!いやぁ、よかった!よし、じゃあ早速行こう!」


...え?


「待って、そいう意味じゃ」「しっかり付いて来てくれよー!...っは!」


とっさに何が起こったか理解できない...いや、本当はしたくないだけかもしれない。

カラスがどこからか出した白い玉を床に思いっきり落とした瞬間、真っ白な霧が出て身体が落下した。


「...#$%&!!!!」


驚きすぎて言葉も出ないとはこのことなんだなと思ったのまでは思えている。


「ちゃんといい能力貰えよ~?もう、おまえに賭けたからな!」


カラスが何か言った気がするけど、意識が朦朧としてよくわからなかった...


コメントをお待ちしています!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ