Memory of people ruling over the night
外伝です。
ヴァンパイアの歴史やそれらにまつわるお話。
我々はヴァンパイア。
血を吸い、永らえる狂気の生物。
人間の住まう世界とは真逆に【暗く黒い世界】で生きている。
「王、我々の世界は荒廃してきております。いかがなさいますか?」
「どうもしない…。滅びの時が近いのだ、見守ろう。」
ヴァンパイアの王。
その者はヴァンパイア達から【夜の支配者】と呼ばれていた。
「そう致しますか…分かりました。皆に伝達して置きます。」
― 集合の合図 ―
ヴァンパイア達は自分達の属する階級毎に整列し、王の側近である者の指示を待つ。
「下級は、この城の壁を守れ。」
一斉に「御意」という。
「次、上級は王の側で待機。」
さっきと同じ。
「最後に最上級、君達は戦闘準備だ。」
さっきと同じ。
足音が聞こえる。
真祖が来られた。
「真祖様、どうなさいましたか?」
「今すぐ全員止まれ。この世界は滅びる時が来た。抗うことは我等種族が対抗意識を燃やしていると人間に悟られる。至急地下へ潜り、息を潜めよ。」
これ以降ヴァンパイアは『外の世界(人間の世界)』で見なくなった。
これは一つの想像である。
本作品に於けるヴァンパイアの中で語られている旧吸血鬼達の最後いくつか伝承があり、これはその一つというわけだ。
タイトルは日本語訳で『夜を支配する者達の記憶』です。