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我竜転生《がりょうてんせい》  作者: 作読双筆
第一章 【誕生】
8/21

第七話 【約束】

「・・・・・ちょ・・・・」

「(誰の声だ?)」

「ね・・・りゅ・が・・・」

「(この声・・・確か・・・)」

「ちょっと、ねぇってば!」

「・・・ん。」

「起きなさいよ!リュウガ」

「・・・・・クルア?」


クルアの声で目覚めた流河が目を開けるとそこは知らない天井が見えた。横を見ると隣のベッドにクルアが座っていた。


「ここ、何処?」

「さぁ?私も貴方の数分前に目が覚めたから分からないわ。」

「そっか(本も気絶するのか?)、え〜と俺は確か空でキマイラと戦って倒してその後・・・」

「貴方は空腹で空から真っ逆さまに落ちたのよ。」

「あぁ、そうだった」

「全く・・・・・」


そう言ってクルアは流河の近くに来てそして流河に手をむけ・・・。


「ひひゃい、ひひゃいよ、くるは(痛い、痛いよ、クルア)。」


頬を思いっきり引っ張っられていた。


「あ・の・ね?あんた無理するにも限度って物があるでしょ?!危うくこっちも死にかけたじゃない!」

「へ〜?しょんにゃこほいはへへほ・・・(え〜?そんな事言われても・・・)。」

「いい?これからはちゃんと無理そうだったりなんか体調が悪くなったら言いなさい!いいわね?」

「・・・ひゃい(・・・はい)。」


そう言ってクルアは手を離した。


「いでてて、顔が変形すると思った。」

「なんか言った?」

「いえ何も。」

「ふ〜ん・・・あ、あと一つ言っておく事があったわ。」

「・・・・・え?」


流河はぎこちなく目を逸らした。そんな中またクルアの手が迫っている。


(ま、またやられる!)


そう思い流河は目を閉じた・・・。しかし頬を引っ張られる気配はまるでない。それどころか何か柔らかい物が・・・・・。


「え?え?あれ?」


そして流河はその正体に気づき脳内でパニックに陥った。


(まさか、これ・・・むむむむむむむ、胸?てかこれって抱きしめられているんだよな?)


そう、流河は今混乱していた。健全な思春期真っ只中な流河は女性との交流はあまり無いのだ。属に言う奥手という奴だ。


(やばい、なんかいい匂いが・・・これがマジで・・・)


「もう・・・・・無理しないで。」

「・・・・・!?」

「さっきは言い過ぎたわ、あなたの体力の事とか意識してなかった私にも責任はあるわ。」

「いや、俺もそんな事全然考えてなかったし。」

「いいえ、私の所為なの。いくら精神は大人びててもまだ体は子供なんだから今は素直に私の言うことは聞きなさい。」

「・・・・はい。」


なんか屁理屈こねてるなと思いつつ頷くしかなかった。


「それに初めてなのよ、私の話とかまともに聞いてくれる人は主を除いてあんたくらいよ?」

「え?クルアって友達とかいないの?」

「当たり前でしょ、私は本だもの。本が話す事なんて誰が聴きたいの?読めば早く済むじゃない?この時ばかりは主にムカついたわ。」

「はぁ・・・・・。」

「けどね、あんたと話したりしてるとなんかこんなのでも悪くないなぁ・・・って思うのよ。会ってたった数時間の間にね。」

「・・・・・俺も嬉しかったよ、突然ドラゴンになったり、異世界飛ばされたりして頼れる人なんていないし、第一俺の話なんて信じてもらえないと思ったし・・・。」

「ふふっ、確かにね、普通は転生なんて信じられないわ。」

「色々教えてくれて、それに名前もくれて・・・なんて言ったらいいのか・・・。」

「・・・何も言わなくていいわ、でもね、これだけは約束して・・・。」


そう言ってクルアは流河の頬に唇を触れさせた。


「・・・死なないで、約束よ・・・・・」

「あ、うん、わわかった。ぜぜぜ絶対約束する!俺は死なないよ」

「あら、妙に顔が赤いわね。もしかして頬にキスされるのは初めてだった?」

「ギクッ!」

「ふふふ、やっぱりね〜、貴方も可愛い所があるのね〜。」


さっきとはうって変わって流河をからかい始めるクルア。しかしその顔は確かな笑顔を浮かべていた。


(まぁ、やっぱりクルアには笑顔がよく似合うな・・・)


そんな話をしてると扉の外からギシギシと音がした。誰かが階段を上がるような音だ。


「だ、誰か来る?」


そしてクルアはパッと流河から離れた。


「あ、よく考えたら、俺たちの素性って言ったらヤバい奴だよね?」

「まぁ、異世界から転生した元人間のドラゴンと初代魔王が作って捨てた魔道書なんて真っ正直には言えないわね。」

「や、ヤバい!こっち来てるよ!どーしよう?!」

「こうなったらあれよ!適当に話をでっち上げなさい!・・・・・あんたが。」

「はぁ?!」


とかなんとか言ってる内にドアが開いた。


「おっ、目覚めたみたいだな。」


そこに立っていたのは緑の髪と顏に大きな傷をつけた青年と言うべき男だった。

どうも、作読つくよみ双筆そうひつです。


またまた後書きをだいぶ後に書きます。

そして、またまたお久しぶりの投稿です。


今回はリュウガとクルアのちょっとしたコミュニケーションのシーンを書きました。クルアに抱かれて赤面するリュウガ、会話をして明るく笑うクルアなど、皆さんに少しでも二人のことを理解していただくために書きました。


次回は、バッシュとの会話が中心の話になると思います。

次回もぜひお読みください。

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