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我竜転生《がりょうてんせい》  作者: 作読双筆
第一章 【誕生】
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第四話 【常夜の空へ】

リュウガは新たな名前ヴェルバーンをもらい上機嫌だった。


「ここから離れていろいろと見て回りたいな。」

「だったら、せっかくドラゴンになったのだから、空を飛んでみたら?」

「無理だよ、飛び方がわからないんだもん。」

「あなたそれでもドラゴンなの?ドラゴンは野生の勘ですぐに飛べるって聞いたのだけど。」

「そんなこと言われても・・・元々ドラゴンじゃなかったんだから。」

「それもそうね、じゃあアドバイスしてあげるから練習しなさい。」

「宜しくお願いします、クルアレイク先生。」

「その『先生』っていうのやめてくれない?むず痒くなるから。」

「了解した。なら、呼び捨てでいい?」

「今までもそうだったのだからそうして。じゃあ、飛ぶ練習を始めましょう。まずは、『人化』したままこっちに背中を向けてくれない?」

「OK、これでいい?」


流河はおとなしく指示に従いクルアレイクに背を向ける。


「うん。で次に左右の肩甲骨のところから羽が生えているイメージを浮かべて。」

「肩甲骨に羽・・・」

「次はその羽を動かして空気を搔くイメージを浮かべる。」

「空気を搔くイメージ・・・」

「想像できた?」

「なんとなく・・・でもこれを『人化』したままでやって意味あるの?」

「あるわよ。普通のドラゴンじゃダメだけど、あなたのように『竜化』『人化』を自由にできるならこの練習方法が一番効率がいいのよ。」

「なるほどね、次はどうするの?」

「羽が空気を上手く搔くことが出来て、自由に空を飛んでいるイメージを浮かべるの。」

「自由に空を飛ぶイメージ・・・フッ。」


急に流河が笑い出した。


「・・・どうしたの?」

「フッフッフッフ、あっはっはっは。」

「気味が悪いわよ。早く返事しなさい。」

「・・・悪い悪い。空を飛ぶことを想像したら楽しくなっちゃって。」

「ふ~ん。次は実際に飛ぶことになるんだけどね。」

「えっ!?もう飛べるの?」

「正確にはただ飛べるだけなんだけどね。安定して飛ぶにはもうちょっと練習しないと。さて、次は『竜化』してちょうだい・・・ってもう『竜化』してるわね。」

「えっ!?・・・あっ、本当だ。」

「自分でも気づかないうちに『竜化』してるなんて・・・どんだけイメージ力があるのかしら。」

「それは俺にも分からない。さあ、練習を再開しようよ。」

「そうね、じゃあさっきの反復をして頂戴。」

「反復ね・・・つまりさっきの肩甲骨から羽が生えてるってところから、今さっきの空を飛ぶところまでやるってことだよね?」

「そういうこと。さあ、練習練習。」

「え~と、まずは肩甲骨から羽が生えてるイメージ。

 ・・・次に羽を動かして空気を掻くイメージ。」


するとリュウガの羽が動き始めた。


「いいわよ、ちゃんと羽が動いてる。イメージを強くして。」

「分かった。空気を掻く、空気を掻く・・・」


だんだん羽の動きが大きく、早くなってきた。そして、とうとう


フワッ・・・


「飛んだ!飛んでるよ俺!」

「うん。飛んでるわね、ちゃんと見ているわよ。」

「よし、高度を上げていくイメージで羽を・・・」


リュウガの体がどんどん高く飛んでいく。100m程高くなったところでイメージをホバリングに変える。


「ここらへんでホバリングしてみよう。羽を動かして空にとどまるイメージを・・・」


するとリュウガの体が空中にピタリと止まった。


「よし、止まれた。」

「あなたなんか慣れてない?こんなにスイスイ体の制御ができるなんて。」

「そうかな?ただイメージしてるだけなんだけど・・・」

「まあ、そこを気にしても仕方がないから、この空を自由に飛び回る練習をしましょ?」

「そうだね・・・この体が空を自由に飛ぶイメージ。」


そして、リュウガの体が夜空を飛び回る。


「ふう。こんだけ飛べたら大丈夫だと思うわ。」

「うん。教えてくれてありがとうクルア。」

「どういたしまして。もう一つ言っておくと、慣れたらイメージなんかしなくても自由に飛び回れるようになるわよ。」

「そうなの?早くこの体に慣れないかな~~。」

「それだけは時間が必要ね。それより、さっき『クルア』って言ってなかった?」

「ああ、それはね。いちいち『クルアレイク』ってフルネームで呼ぶのももどかしいから、名前からもじって『クルア』っていうニックネームをつけたんだけどどうかな?」

「う~ん、まあ良いんじゃない?あなたが呼びやすいのならそれでいいし、私もあまり気にならないから。」

「ありがとう、これからはクルアって呼ばせてもらうよ。それと、一つ聞きたいことがあるんだけど・・・」

「何?なんでも聞いていいわよ。」


リュウガは地上で感じた『木が大きく感じる』ということと、上空では『木はそれほど大きくない』と思ったことを疑問に思ったからクルアに聞いた。


「ああ、それはね。さっきも言ったけどあなたの体は1歳未満の竜になっているの、だから年齢に似合った大きさになっているの。見た目は全高1.2mってところかしら。」

「1.2m・・・転生する前は1.7mあったのに・・・。しかも今は人型でもせいぜい1.4mか・・・」

「まあ、そこまで落ち込むことではないんじゃない?成長する余地があるってことでいいじゃん。」

「それもそうか、まだまだでかくなれるんだよな。気にしないことにしよう。」


そして気持ちを切り替えたリュウガは、


「それより、魔法についていろいろ聞きたいんだけど。」

「いいわよ。なんでも話してあげる。」


と、空をただ飛んでいるのもつまらないので質問をして暇つぶしすることにした。

どうも、作読つくよみ双筆そうひつです。


今回はリュウガが夜空に舞うお話となっております。

飛ぶことをイメージするだけで飛べるようになってしまうリュウガ

かなりのセンスを持っていると筆者も思います。


次回は魔法についてのお話になります。

次回もよろしくお願いします。


※この作品は不定期更新です。

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