プロローグ 【灰色の竜】
ある晴れた春の日に温かい日差しの降り注ぐ空の下、とある学校の屋上で一人の少年が読書をしていた。
「ふぁ〜〜、ねみぃ。」
大きなあくびをかきながら、その目を本から逸らさない。
少年の名前は天野流河。彼はどこにでも居る読書好きの何事も普通な高校生だ。
今日も日課の読書をしようと昼休みに屋上へ行き、本を読みふけっていた。
(さて、そろそろキリのいい所だからっと。)
疲れた目をしょぼしょぼさせ、背伸びをしたその時・・・急に目の前が真っ暗になり、少年は意識を失った。
「・・・パリッ!」
何かが壊れるような音がする。ゆっくりと目を開け、あたりを見回してみる。周りは森のようだ。けれど、妙な違和感がある。
「木ってこんなに大きかったっけ?」
そう、なぜか周りの木が非常に大きく見える。まるで自分の体が小さくなってしまったかのようだ。
「・・・ったく、なんなんだよココは・・・痛っ!」
流河は考え事をするときはいつも頭をかく癖がある。頭をかくとなぜか頭に激痛が走る。
「・・・へっ!?」
自分の手を見て驚愕した。手は灰色の鱗に覆われ、爪は夜闇のように黒く、美しい弧を描いている。その手は、いつも見ている自分の手ではなく、まるで化け物のような手だった。
「なんなんだ・・・」
自分の身に起きた現実に戸惑い、混乱した流河は周りを見回した。すると、目の前に泉があるのを発見し顔を確認しようと覗き込んだ。そこに映っていた姿は、灰色の鱗を持ちトカゲのような口、鹿よりも太く鋭利な角、蛇のような鋭い眼光を帯びた瞳、そして流れるように長く美しい白銀の髪・・・それはまるで、物語の中に出てくる伝説の存在。
「ドラゴン・・・?」
そう、それはドラゴンになった自分の顔だった。
どうも初めまして、作読 双筆と申します。
初めての作品でございます。
まだ作り始めで慣れていないので、文章の長さや文章力のなさが
目立つと思いますが、温かい目で読んでください。
アドバイス等がございましたら、お気軽にコメントしてください。
さて、この小説は異世界転生ものをテーマとして考えた作品です。
高校生の主人公が竜に転生してしまうという内容になっております。
今後もこの主人公が活躍していく小説を書きたいと思っているので、
応援よろしくお願いします。