クラウディアとオッタビア 到着!
外のもめごとを片づけるため、警官たちのリーダーが教会の中に監視のための警官数人を残して、足早に外に向かって行く。その背後には多くの警官たちが従っているが、その顔には緊張感が漂っている。
「外にマフィアが来て、警官ともめている。
マフィアの男の顔は記憶がある。
オッタビアたちがここを嗅ぎつけたのかもしれない」
中から出て来た神父が小さな声で言った。この教会には周りを警戒するための監視カメラが取り付けられ、教会の奥でその映像を見れるようになっていた。
「すると、ここを引き払いますか?」
「設備が使えなくなるが、致し方ないかも知れない。残るはクラウディアだけだし、何とかなるでしょう」
そう言って、その神父は再び中に戻って行った。
教会を出た警官のリーダーはマフィアと揉めている警官たちの様子を確認した後、一台のパトカーに向かって行った。そして、そのパトカーの完全なスモークが施された後部座席の窓をノックした。ノックに応え、その窓はほんの少し開き、中から声がした。
「どうした。何だ、あの騒ぎは?」
「はい。オッタビアの者たちが来て騒いでいるようです。
どうしますか?」
「コミッション同士の抗争は禁止されている。
我々は関わることはできない」
突き放すかのような言葉に警官は路頭に迷った表情になった。
「しかし、我々では相手できません。どうしたらいいんですか?」
「ただ、逆も真なりだ。向こうもこちらに手を出せない」
そう言うと、ドアを静かに開け、騒ぎの中心に向かって行った。
「静かにしろ」
男は一喝した。
オッタビアの配下たちは、いかにもマフィアと思われる風体の男の突然の出現に一瞬ひるんだ。
「ここには俺たちコルレオーネが用があるんだ。終わるまで、待っていろ」
コルレオーネの名前に一瞬さらにひるんだが、引き下がる訳にも行かず、反論した。
「ここはおれたちの支配下だ。コルレオーネが出てくる場所じゃない。とっとと帰れ。さもないと」
男はそこで言葉を止めた。相手の威圧感に、少し恐怖したのかも知れなかった。
「さもないと、何だ?」
男はさらに威圧した。その威圧に負けたのか、オッタビアの男たちは懐に手を入れようとした。
それを見た男の口元は緩んだようだった。やはり、こいつらはコミッション同士の抗争禁止を知らないらしいと。
男はオッタビアの男たちが懐から、銃取り出した時にはすでに自分の銃の引き金を引いていた。
「こいつらは俺を撃とうとした。俺は正当防衛だ」
マフィア同士の抗争に恐怖している警官たちに向かって言った。
「これで、問題は無くなった」
そう言った時、明らかにマフィアを思わせる何台もの車が警官たちの外側に停車した。オッタビア側の増援が到着した。そこにはオッタビアとクラウディアの姿もあった。
クラウディアは停車とほぼ同時に、ドアを開けるとコルレオーネの男を射殺した。
警官たちは事態が悪化の方向に向かっている事を感じ、自分たちを影で指揮していた男が射殺された事で、命を張ってまでこの場に踏みとどまる理由が無くなったと、警官たちは慌ててパトカーに乗り、逃走を始めた。
全警官がいなくなるのに一分もかからなかった。
その気配に、教会の中に残されていた警官たちが慌てて、外に飛び出してきた。そんな警官の一人をクラウディアが捕えた。
オッタビアはその捕らえた警官にゆっくりと近づき、あの神父が写っている写真を差し出した。
「この写真の神父がここにいるのか?」
警官は震えながら、小さくうなずいた。
「なるほど。で、お前たちがここへ来た目的は何だ?この神父の身柄確保か?それともこの女の方か?」
「レ、レ、レーザー銃の入手先を調べるため。女はいないらしい。この神父は場合によっては連れて帰る手はずになっていた」
オッタビアは警官を突き飛ばし、振り返って配下に指示を出した。
「ビンゴだ。神父を連れてこい」
目的の人物を目の前にした事と、あすかがいないと言う情報にそそのかされるように、オッタビアは教会の中に、自分のソルジャーたちを踏み入れさせた。
ソルジャーたちが指示に従って、教会の中へ走って行く。
教会の奥ではこの全てが監視カメラに映し出されていて、悪化する状況に神父たちは困惑の表情を浮かべていた。
「もう、やって来ますよ。やるしかないでしょう。
しかも、先陣をかけている中にクラウディアはいません」
一人の神父がもう一人の神父に決断を迫るように言った。
その言葉に押され、もう一人の神父も戦う決意を固めた。
神父たちは監視システムの電源を切ると、廊下を走り旧ベルッチ屋敷の地下とつながる地下通路を走って行った。




