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ガンビーナファミリー ボスの最期

 クラウディアが後姿を見せているガンビーナのボスに向け、照準を合わせようとするが、自分の位置からでは、一発で致命傷を負わすことはできないとクラウディアは判断し、車の天井の上で向きを変えようとする。

 その時、猛スピードで接近してくる二台の車があった。

 クラウディアがその気配に、視線を接近してくる車に向ける。

 それはクラウディアが振り切ったガンビーナのボスを警護していた二台の車である。

 すでにその二台の車の中は多くの遺体と共に血の海のはず。

 それにも拘わらず、ボスを守るため、クラウディアを倒すため、ここまで追ってきた。

 それぞれの車の中ではハンドルを握っているソルジャーが銃器を手にして、クラウディアを狙っている。

 

 何発かの銃声が通りに響く。

 車に乗っているソルジャーとクラウディアの銃が火を噴いた。


 クラウディアの解析では、ソルジャーたちが放った銃弾は自分には当たらない。

 顔色一つ変えず、クラウディアは静止したまま、ソルジャーたちの末路だけを視界にとらえている。

 クラウディアの放った銃弾で額を撃ち抜かれたソルジャーたちの血が飛び散る。

 運転手を失いコントロールを失った二台の車が、道路沿いの建物に激突して止まる。


 一発必殺。

 クラウディアが男たちを葬るのに無駄玉は無かった。


 クラウディアの注意が二台の車から、ガンビーナのボスに戻った。

 クラウディアは車から飛び降りると、ガンビーナが消えたと思われる路地の横に立った。

 銃を構えるクラウディア。

 一気にクラウディアが、路地に飛び込む。

 ガンビーナは単に逃げたのでは無かった。

 路地を入ったすぐのところで、銃を構えていた。


 至近距離。

 しかも、ガンビーナは命中させやすい胴体付近を狙えるように銃を構えていた。

 クラウディアの方が先にトリガーを引いたが、全神経を集中させていたガンビーナもクラウディアの放った銃弾が自分の額を打ち抜く前に、トリガーを引くことができた。

 ほぼ同時に発生した2つの銃声。

 クラウディアは銃弾の弾道を解析し、その軌道上から自らの身体を移動させようとしたが、至近距離すぎたため、さすがのクラウディアもこの銃弾をかわすことはできなかった。

 精一杯かわした銃弾はクラウディアの胴体ではなく、左腕を撃ち抜いた。

 被弾したクラウディアはその左腕から赤い液体を飛ばし、一瞬動きが止まったようだったが、その直後には何事もなかったかのように、その場を立ち去った。


 暗く、細い路地。

 赤い血の海の上に、横たわるのはガンビーナのボス。

 コミッションの一角、五大ファミリーのボスの死に場所にしては、似つかわしくない寂しい場所だった。




 ボスを失ったガンビーナファミリーはボスの弟ヴィクトルを後継に決めると共に、ベルッチファミリーせん滅に全力を上げる事でまとまった。

 そして、その数日後、ボスを継いだヴィクトルの姿は五大ファミリーのボスたちの前にあった。

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