あすかの勝利
モニカと右半身が重なりあったあすか。
あすかの表情に笑みが浮かぶ。
あすかは右手に構えたレーザー銃をモニカの腹部にあてがっていて、そのモニカの腹部にまばゆいばかりの光が輝いている。
暗い部屋を照らし出す輝き。
そこから、煙と疑似血液の蒸気が立ち上り、部屋の中に異臭が広がっていく。
厚い装甲に覆われているヒューマノイドと言えど、どうしても関節などの可動部分と腹部にだけは装甲を設けることはできないでいた。
特に腹部は銃弾でさ容易に貫くことができるほど、無防備に近い。
それだけに、この腹部には重要な装置は置かれておらず、腹部にダメージを受けたとしても、戦闘能力には影響を与えることのない構造となってはいたが、あすかが手にしているレーザー銃の銃口の角度は上を向いていた。
弱い腹部を貫いたレーザー光は、胸部の厚い装甲に守られ、破壊される事は想定されていない重要な装置を内部から破壊していた。
しかも、あすかがその銃口の位置を少しずつずらしている。
内部から次々に重要な装置を熔解され、破壊されるモニカ。
やがて、モニカは全ての機能を停止した。
関節部分に供給されていたエネルギーを失ったモニカが、床に崩れ落ちる。
その頃には、あすかが手にしているレーザー銃はトリガーが引かれたままだったが、すでにエネルギーを使い果たし、銃口からは光が失われていた。
「ふぅ。
これで、やっと一体」
床に倒れこんだモニカを見下ろし、あすかはそうつぶやくと、足に取り付けているホルダーにレーザー銃をしまった。




