地上制圧
「お前の後ろだ!」
アーシアの位置に気付いた別のソルジャーが叫ぶ。
その声に振り向こうとした時、ソルジャーが地面に突っ伏した。
アーシアが攻撃したのだ。
アーシアは次々と移動し、ソルジャーたちをなぎ倒していく。
銃を持っていても、何の役にも立っていない。
屋敷の窓からも、銃を構えたソルジャーたちが姿を見せている。
高い位置から全てを見ていた者にとって、アーシアの姿は化け物にしか見えない。
窓からマシンガンをアーシアに向け乱射するが、トリガーを引いた次の瞬間にはその場所にアーシアはいない。
鈍く低い離散的な音を断続的にたてて、地面だけがむなしく散っていく。
地上でアーシアを迎え撃っていたソルジャーたちは次々と肉塊と化していく。
アーシアの力を目の当たりにした者は動揺せずにはいられない。
アーシアに銃を向けるソルジャーたちの心の底には恐怖が芽生えていく。
何だ、あれは?
人間なのか?
銃が役にたたない。
このままでは皆殺しになる。
恐怖に包まれたソルジャーたちが、窓からあたりかまわず銃を乱射する。
狙いも定めず、絨毯爆撃よろしくマシンガンを振り回しているが、銃弾が鈍い音をたてて破壊していくのは屋敷の木々や地面だけでしかない。
地上に立っている者は再びアーシアだけになった。