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アーシア vs エルカーンファミリー

 アーシアをはじめとするヒューマノイドの通常の動作速度は人間と同じだが、戦闘状態では状況に応じ、約5000倍の速さで動作できるようになっていた。

 しかし、速ければ速いほど、ヒューマノイドの構造体とエネルギーにかける負担は大きくなり、最大の速度を継続することはできず、ヒューマノイドの人工頭脳が状況に応じ、その動作速度を適切に調整するようになっていた。

 二人の男を倒した時の攻撃速度は、人間の100倍程度だった。


 続いて映像は屋敷の門に向けられ、そこに映し出された門柱には監視カメラが取り付けられていた。

 この監視カメラにより、エルカーンたちはアーシアが二人の男を倒した事を知っていて、おそらく屋敷の内部では迎撃にソルジャーたちが動いているはずである。

 ディスプレイの映像が門扉の上部に移動する。

 アーシアが門扉を飛び越えようとしている。

 その次の瞬間、映像が流れ、再び映像が安定した。

 そこに映し出されているのは緑の庭だった。


 庭の中には何人ものソルジャーたちが映し出されており、銃を構えて向かってきている。

 相手が素手の女だろうと侵入者であり、抹殺の指令を受けているソルジャーたちは迷うことなく、トリガーを引く。

 スピーカーからは止むことのない、いくつもの銃撃音が重なり合って轟いているが、映像は流れて全体を視認できない。

 一方、映像とは異なり、右側に表示されている情報は視認できている。

 レーダー状の表示領域に次々にさっきの二つとは色の違う点が表示されては消えて行く。

 それらは銃弾の解析結果である。

 アーシアの目には通常の照度環境下で、10万分の1秒で撮像できる高解像度CMOSイメージャーが搭載されていて、高速撮像された画像情報を処理するプロセッサも搭載されている。

 プロセッサの計算能力は映像としてとらえた銃弾全ての軌道を一瞬の内に計算できるものだった。


 アーシアが戦闘状態でその動作速度を上げ、銃弾の軌道上を避けて、ソルジャーたちに近づく。

 ソルジャーたちの横に突然現れては、側頭部を殴り飛ばす。

 ソルジャーたちが次々に頭蓋骨を陥没させ、血を吹き出しながら、地面に倒れこむ。

 屋敷の敷地内は瞬く間に、ソルジャーたちの屍で埋め尽くされ、立っている者はアーシアのみとなった。


 新たに屋敷から飛び出してきたソルジャーたちがその光景に動揺しながらも、アーシア目がけてトリガーを引く。

 逃がさない。

 そのつもりで、ソルジャーたちが標的を見定めてトリガーを引いた次の瞬間には、その視界からアーシアの姿が消えている。

 一瞬にして、人間が消えた。

 その信じられない状況に、ソルジャーたちは背筋に冷たい汗を流しながら、アーシアの行方を探そうと、辺りをきょろきょろと見渡す。

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