表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

━ライン━


━チャットルーム(都市伝説)━


──ライン さんが入室。


ライン>ねぇ知ってる?


ライン>K町の湖の底にはね、沢山の死体が沈んでるんだって


ライン>その死体はね、全部頭部が引きちぎられていて、頭の無い死体ばかりらしい


──ライン さんが退室。


──────────


『ねぇ、ラインってハンドルネームの人知ってる?』

〖知ってる!なんか今チャットルームに色々書き込んでる人でしょ?〗

『そうそう、その人がね、私のチャットルームにも来てさ』

〖えー、なんて書いてあったの?〗

『えっとね──』


━━━━━━━━━━


「今日は転校生の紹介から始めます。」


教室に入ってきた担任の先生が、隣に立つ男子生徒を前に立たせる。転校生は、少しオロッとした表情を見せるもお辞儀をして教室内を見渡した。


「えっと、今日からこの学校に通うことになりました。榊原渉です。よろしくお願いします。」


自己紹介を終えれば少年は先生を見て後ろに下がる。


「榊原君はそこの席へ。」


そう指差す先生を横目に少年は、言われた席へ座る。窓際で縦3列目、隣は生徒会長の美咲利香だ。


「榊原君、わかんないことあったら何でも聞いてね。こう見えても生徒会長だから!」


そう言って少年に握手を求める生徒会長。少年は小さく頷いて「はい」と微笑んで軽く握手を交わす。


「「遅れてすいません!!」」


二人揃って、息ぴったりにドアを開けてそう叫ぶのは双子の佐藤悠と瑠だ。二人は少年の後ろの席とその隣の席に座ったと同時に1時限目開始のチャイムがなる。


「あれ?キミ・・・」


少年の斜め後ろに座った瑠が、少年の横顔を見てそう呟いた。その視線に気がついたのか少年は瑠の方を見つめて首を傾げる。


「僕は榊原渉と言います。今日からこのクラスで勉強させてもらいます。よろしく。」


小さく微笑みながら瑠を見つめそう言うと、前を向き授業に戻った──。


「ねぇ榊原君、ラインって言うハンドルネームの人知ってる?」


対策係の三咲利香がそう言って少年に話し掛ける。少年は平然とした表情で首を傾げて三咲を見つめる。


「その様子じゃ、知ってなさそうだね。気にしないでね。」


そう言うと少年に背を向けて教室を出て行った。


「「榊原くーん!」」


仲の良さそうに少年の前に現れる双子。


「榊原君ライン知らないの?」


そう言ったのは瑠だ。悠は瑠に「やめとけ」と言うと少年を見て小さく笑う。


「榊原ごめんな、きにしないでくれ。」


悠はそう言い残して、瑠をひっぱり教室から出て行った。教室に一人残された少年。


「ライン・・・」


と呟くと机にうつ伏せになりソッと目を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ