表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転職活動中のアラフォーパパに猫耳が生えた〜獣人猫配信者としてアラフォーパパは再就職しました〜  作者: 暁 とと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/25

第23話 スパチャ

なんと、僕たちのアカウントが収益化申請に通り、ついに収益化できた!


 ということで、僕と結衣で収益化記念配信をすることになった。ただ、どんな配信にするかは僕が考えなくちゃいけないらしい。


 そこで、少し前に見た料理配信を真似してみることにした。

 でも、普通の料理じゃ特別感がない――だから、今回はローストビーフ丼を作ることにした。


 早速、ローブを羽織ってスーパーへ。二千円の牛もも肉の塊を購入。

 夜ご飯に二千円も使うのは少し躊躇したけど、お祝いみたいなものだし……と思い切って買ってきた。


「パパ〜、配信何にするか決まった〜?」

「うん。料理配信する〜」

「良いね〜。じゃあ、パパはエプロン着てもらわないとね」

「うん」


 料理している感を出すために、結衣から渡されたエプロンを着て、いよいよ配信を始めることにした。


「「こんばんは〜」」


【こんばんは〜!】

【収益化おめでとう〜!】

【エプロン姿可愛い〜】

【エプロン似合ってる!(一万円)】


「い、一万円もスーパーチャットありがとうございます!! え、えっと……今日は収益化記念として、ローストビーフ丼を作ろうと思います!」


 突然の高額スパチャに、思わず動揺してしまった。


「え、ローストビーフ丼!? やった〜!」


 結衣が嬉しそうに声を上げる。


【豪華〜!】

【美味しそう!】

【想像するだけでお腹空く〜】


 結衣にカメラを持ってもらい、料理風景を撮ってもらう事に。


「じゃあ、まずは牛もも肉に塩胡椒をして、両面に焼き色をつけます。そして、ジップロックに入れて――空気をストローで吸って、空気を抜きます」

「パパ、空気吸ってる姿必死すぎて可愛い〜」


 必死で吸おうとしているけど、あまり空気は抜けていない。それでも何とか頑張って、ようやく真空状態っぽくすることができた。


【がんばれ〜】

【可愛い〜】

【うんうん】

【その必死さ最高!】


「はぁ、はぁ、はぁ……じゃあ次に、お湯を炊飯器に入れて、その中に牛もも肉を沈めます。浮かばないようにお皿を蓋代わりにして、保温モードで30分待ちます〜。その間に、結衣にすりおろしてもらった玉ねぎを炒め、赤ワイン・はちみつ・ウスターソース・すりおろしニンニク・醤油・酢を加えて――ローストビーフのソース完成です〜!」


ーーー30分後


「30分が経ちました〜。どれどれ〜」


 猫の手で薄くお肉を切ると、断面は見事なピンク色で、美味しそうだった。


「パパすごい!良い感じのピンク!」


【わあ〜美味しそう!】

【主婦力高い!】

【飯テロだろ!?】


「どんぶりにご飯を入れて、ローストビーフをご飯の上に敷き詰めソースをかければ〜ローストビーフ丼の完成です!」


【すごい!】

【うまそう〜】

【いただきます!】

【パパ天才!】


「お肉が柔らかくて、少し甘めのソースがご飯にぴったり!めちゃくちゃ美味しい!」

「でしょ〜」

「本当にパパってお肉大好きだよね〜」

「だーいすきだよ〜」


【大好き!その愛にスパチャ!(1万円)】

【お肉代(5万円)】

【もっと食べてほしい!】

【お肉代(5万円)】

【お肉代(5万円)】

【幸せそうで見てるこっちまで幸せ(5千円)】

【大きなお口かわゆい】

【お肉代(5万円)】

【お肉代(5万円)】


 ご飯を食べながらコメントを読もうとすると、コメント欄が真っ赤。

 一万円や五万円など、桁違いのスパチャが飛び交っていた。


「うにゃぁあああ!?」

「うぁあ〜、すっご!」


 僕は驚き、結衣は唖然。


「え、にゃ、にゃああ!?お金は大切にだよ!? お金って、稼ぐの大変なんだよ!?」

「パパに貢ぎたくなるのは分かるけど、程々にね〜」

「もっと、美味しいご飯を食べるとか、有益な使い方をしなきゃダメだよ! 無駄遣いダメにゃ!!」


【賢い使い方しようね!(2千円)】

【ほどほどに!(1万円)】

【無駄遣い注意!(2万円)】


     ・

     ・

     ・


 スパチャは続いた。


「うにゃああ!!ダメだって言ってるのに止まんにゃいいい!」


 アワアワしながらスパチャはもう要らないと訴えても、視聴者はスパチャを止めない。ご飯を食べ終える前に配信を終了した。


「パパ凄いことになってるよ」


 配信が終わったあと、結衣が見せてくれた画面には――日間スパチャランキング1位になっていた。


「にゅうう……ダメだって言ったのに。おじさんに、そんなにいっぱい要らないのに」


 少し落ち込むけど、嬉しいことではある。


「だけど、スパチャの5割近くを投げた『貴方のマスター』って人、やばいね」

「うん。僕がお肉大好きって公言したときの、『お肉代』って名目のスパチャが止まらなかった……怖かった」

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ