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リアル・サバイバルクラフター  作者: 竜野マナ(竜灯草)


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90/117

85S2.安全な場所で

「最近私おかしいかもしれない」

「どうしたの急に」


 世界が大変な事になっちゃってから、1ヵ月半ぐらい。流石にそれだけ同じ場所で暮らしていて、しかもそれが結構快適なんだったら、慣れもするし愛着も湧いてくる。

 運良く……そう、きっと運良く、この家に辿り着いた人達の中に親友がいたから、同じ部屋に半分ぐらい強引に来て貰ったのは、たぶん良かったんだと思う。悪い夢を見てうなされていても、すぐ起こせるし、起こして貰えるから。

 ただ。そうやって慣れてきたのはともかく、最近の私には、悩みごとがあった。


「ツミキさんがお姉ちゃんに見える……」

「とうとう他人も家族認定するように……?」

「ちが、違うの。分かってる、ツミキさんはとても親切だけど違うって」


 分かってる。一応。私は家族が大好きだ。そして家族も私を大好きでいてくれる。近所でも有名な仲良し家族。そう、だから、いくらツミキさんがお姉ちゃんに見えても、違うのは分かってる。


「本当にお姉ちゃんなら、抱き着こうとしても避けないだろうし、ご飯はあーんしてくれるし、あーんさせてくれるし、1週間に1回は私の好きなメニューにしてくれるし」

「ほんとあんたの家族って全体的に愛が重いよね」

「重いんじゃなくて大きいんだよ」

「一緒だわ。少なくともあんたのは重い」

「うっ」


 流石、私に何だかんだで付き合い続けてくれる親友。私への理解度が高い。何故ならお母さんにも言われたから。「美裕優実(みゆゆみ)の愛は狭い分だけ重いから、相手が潰れてないかはよくよく確認しなさい」って。

 大体はセットで、「見た目はお母さんそっくりだけど、中身は9割お父さんだから、本当に気をつけなさい」とも言われるから、親友相手であっても、その、節度、ってやつは、守るように全力で気をつけてるし。


「でもお姉ちゃんは家族で大事な人だから、全力でいっていいよね?」

「あんたの全力は誰相手でもダメだと思う」

「うっ」

「というか、ツミキさんとあんたのお姉さんはスタイルが違い過ぎるでしょ。流石に私も知ってるぐらいの超有名人じゃん」

「あ、違うの。そっちはいくお姉ちゃん。ツミキさんがそう見えるのはつーお姉ちゃん」


 そう。私には、2人のお姉ちゃんと1人のお兄ちゃんと1人の妹がいる。ツミキさんに、似て……? る……? のは、2人目のお姉ちゃんだ。


「IKUMI様じゃなくて?」

「うん。もう1人のお姉ちゃん。……といっても、大分前に1人暮らしをし始めて、今どこにいるかも分からないんだけど」

「行方不明?」

「ち、違う、かな? 一応、住所が変わったら、そのたびに手紙が届くし……何か日本全国あっちこっち、点々と変えてるけど」

「家族から逃げてる可能性」

「それは真剣に死んじゃうからやめて」

「やっぱあんたの愛は重いよ」


 うっ。い、いい、いま、も、ものすごい、角度で、言葉の刃が入った……。

 ……ち、ちが、違う、よね……? お母さんから、手紙の住所は、教えて貰えないから、手紙すら出せないけど……違うよね……?

 何て思っていたら、何か外が騒がしくなってきた。ん? 何だろう、もうちょっとでご飯の時間だけど、なんか違う……?

 親友と顔を見合わせる。どうしよう、と、思っている間に、足音が部屋の前まで来て……扉が、吹き飛んできた。


「「きゃあぁ!!」」

「ウゴクナ!!」


 扉を吹き飛ばしたのは、たぶん、宇宙人。声の感じが、そんな感じだったから。

 でも、動くな、と言いながら、銃みたいなものを構えてこっちに向けているのは、知らない宇宙人だ。


「テヲアゲロ! ユックリアルイテヘヤヲデロ!」


 何で、どうして、と、何も考えられないまま、銃みたいなもので脅されて、親友と一緒に移動していく。移動した先は玄関で、他の人も皆集められているみたいだった。

 集められた人を囲んでいる宇宙人は6人。でも私達を連れて来た宇宙人はまたすぐどこかに行ったし、他の場所からもドアを壊すような音が聞こえているから、たぶんもっといっぱいいる。


「セントウシュノカクホハジュンチョウカ?」

「マダテイコウシテイルヨウデス」


 見張ってる宇宙人とは別に、3人の宇宙人が何か言っている。せんとうしゅ……? でも、確保、抵抗している、なら、もしかして、せんとうって、戦闘……?

 戦える人、つまり工一さん達……? と思ったのは間違ってなかったみたいで、そこからしばらくして「セントウシュカクホ! タダシ、イチブトウソウヲユルシソウサクチュウ!」って言いに来た宇宙人がいた。

 その後で連れてこられたのは、探索に行ける人達だった。ただ、皆怪我をしている。血が出てる人もいた。


「マダカクホハオワランノカ」

「ソウサクチュウデス」


 ただ。工一さんと、ジェレックさん。探索に行ける人達の中でも、特に強い2人はいなかった。多分、何とか逃げる事が出来たんだと思う。

 ……日常が壊れた日。そこから何日か、ツミキさんの家に辿り着くまでに見てきた、宇宙人に捕まった人が、どうなったか。私は、見ていた。逃げる途中で、何度か。

 宇宙人が、あんな事をする理由なんて、分からない。……分からない、けど。



 あれをされたら、助からない事だけは、分かっていた。


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― 新着の感想 ―
すごい久々な出番だな妹さん、そしてそりゃ逃げ回るし素性を隠すわコレ。と思ってたら留守中に拠点襲撃イベントぉ……
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