80.装備更新
翌日、転移1ヵ月10日目。
「爆発物と同じ場所から出てきたから、たぶん武器の類だと思うんですけど、よく分からないけど危険物なのは確定、って事で、外には出してなかったんですよ」
「[これがあればもっと楽になっていただろうに……]」
「だってリットさん、あの、アルラウネとかってのがいる間、ずっと不機嫌だったじゃないですか」
案の定、朝ご飯の時に工一さんに爆発する投げナイフの事を聞かれ、探索組の人達全員で前庭に移動。そこで王子様の世界の使い捨て遠距離攻撃手段と特殊武器、ついでに宇宙人の技術の使い捨て遠距離攻撃手段と特殊武器を見せた。
どうやら自分の世界の物は見れば分かったらしい王子様が悔しそうに呟いていたが、私がそう指摘すると顔を逸らした。そうか、自覚はあったか。
で、まず王子様が魔法世界技術の武器を選んで解説。じゃあ残ったこれは何なんだ? って事で、キウリさんが呼ばれる事になった。
「ブキイッパイ。ブキコンテナ、ヒロッタ?」
「たぶんそれに近いと思います」
で、キウリさんにそれぞれの武器を解説してもらう。なお今回私が持ち込んだのは、当たった所で効果を発揮する、投げる武器。当たった所で効果を発揮する、弾を撃つ武器。そしてそれらに見た目が似ている、ノックバック付き武器だ。
もちろん私は全部知っているし、これがあったら楽になるだろうなっていう系統で、なおかつ出来るだけあの巨大蔦で強化できる奴を選んだ。そうなんだよな。あの蔦、強化素材としても割と優秀なんだ。
ちなみに元々の世界の技術で作られたものもいくらか混ざっているんだが、私は自営業の廃屋リフォーム業者であって武器研究開発者でも軍人関係者でもない。よって手榴弾に見た目は似ているが、電撃マークがついていたりドクロマークがついていたりするものは一緒に混ぜて見せている。
「……リットとキウリさんのどっちにも分からねぇって事は、これはまさか、俺らの世界の技術か……?」
「消去法だとそうなりますけど、何でしょうねこのマーク……」
なお実際は火薬の代わりに金属粉と高密度酸素&水素のタンクを入れて、爆発代わりに電気を撒き散らすものと、シンプルに毒の霧を発生させるものだ。他にも粘性のオイルが入っていて炎が消えない、手榴弾型のクラスター爆弾みたいなものもある。
ゲームでは便利に使ってたが、現実にあると怖い以外の感想は無い。それに、それをいきなり実戦で使うのはちょっと好戦的すぎるだろう。だが他のに混ざっていた以上、試しに使ってみる訳にもいかない。
まぁだから、ここで混ぜて出す事で、とりあえず確認だけしておこう、って流れになるのを期待した。大丈夫。ちゃんと効果的に似ているものと、見た目的に似ているものを厳選したから、違和感は無い筈だ。とりあえず今のところは大丈夫っぽいし。
「[誰にも分からないのなら、試しに使ってみるしかあるまい。少なくとも同じ形をしているなら同じものだろう。……まぁここにある分だけしかない、というなら悪戯に消費するのはよろしくないかもしれんが]」
「結構ありましたね、この系統。よく分からなかったんで、地上の倉庫に移してないだけです」
「[ならば効果を確かめておくべきだろう。少なくとも、俺様に分かったものは非常に有用だった。有用であるなら使うべきだ]」
流石システムガイド代行王子様だぜ。その流れ、期待してた。
と言う事で、各種、特殊手榴弾はその効果を確認する事が出来た。もちろん敷地の外で、通路から通路の外にいる苔ゾンビに向かって使うって形なので、周辺被害は出ていない。
どの模様がどんな効果だったのかっていうのはメモに取って、一覧として見れるようにしている。若干、うわー、みたいな顔をしていた探索組の人達だが、それでも苔ゾンビや魔法世界のモンスターに対して、かなり有効だっていうのは分かったようだ。
「どうなってるのかってのはもう考えないぞ、俺は。今の探索班と、これから探索希望になる全員に近距離武器と遠距離武器を持たせられるんだ。人数が必要になる事があるってのは、牛の時に思い知ったからな」
「まぁそれはそうですね。何で最短経路を行かなかったのかっていうのは、たぶん考えても分からないやつでしょうし」
その理由として、牛に対する「護衛イベント」が大変だったっていうのが結構大きかったようだが。
ま、装備を充実させるに越したことは無い筈だ。単純に生存率が上がるし、素材の収集率も上がるし、戦闘時間が短くなるから探索効率も良くなる。
それに。
「(……次のエリアは、ボスが2体いるからな)」
ゲーム的に言えば4エリア目。
ここは『サバイバルクラフターズ』の攻略サイトに置いて、その全てに間違いなく「序盤の最難関」と言われる、非常に難易度の高いエリアだからな。




