65.防御と設備と人数と
まぁでも道路の片付け、で済ませていいのかは分からないが、ともかくそれが進むのなら良い事だ。しかし部屋自体の解放には私の許可が必要というか、私しか出来ないようなので、グルスニールに乗って一度戻る事にする。
ついでにあの牛舎の大穴を塞げる大きな板も持って来ることにして、メロ高牧場を出発。グルスニールを飛ばして移動して拠点に戻り、スマホで解体機へのあれこれの投入や絞り機へのお饅頭投入をしながら2階に移動して、「ドローン開発室」の鍵を開ける。
キウリさんが早速その中に入って機材を触り、きゃっきゃし始めたので、とりあえずここはこれで大丈夫だな。既に掃除と修理はしたし、素材の補充もしてある。ここの機械というか設備は強化が必要ない類だったから、このままでフルスペックだし。
「そういえば機械で思い出したんですけど、あの回収できない装置って何だったんでしょう」
「……そういやそんなのもあったな。一応見に行くか?」
「あの蔦の事を考えると、それこそあのロボットに関係してたと思うんですよね。リットさんのペンデュラムで示されてましたから」
「なるほど。なら少なくともキウリは知ってる筈だな」
という事で無事例の3つの装置についての情報をゲット。そして情報を知る事が出来れば、工一さんも「それって結界樹と何かシナジーがあるんじゃないか?」って思いつく訳だ。それはそう。だってあのロボット、とても丸かったからな。
既におやつ時だったし、ここから行動できる時間はそう長くない。って事で、グルスニールで大急ぎで回収だ。さて問題はこの3つの装置をどっちに、そしてどこに設置するかだが。
「[……なるほど。確かに結界樹の展開する結界に効果が追加される可能性はあるな]」
「まぁ単体で使っても強いとは思いますが」
「[とはいえ、守りはまず失えない場所を最大限強化する事が前提だ。こちらに設置するべきだろう]」
「どこに設置したら良いですかね」
「[キウリに聞け。少なくともこれの構造に一番詳しいのはあいつだ]」
うーん王子様のシステムガイドがとても優秀。助かる。
という事でキウリさんに相談すると、発電機の隣、焼却炉の逆側に3つ繋げておく事になった。ゲーム時代のベストポジションである。やったぜ。もちろんそこに植えてあった色々は別の場所に動かさせて貰った。すまんな。
まぁでもこれで更に守りが堅くなる=安全になるっていうのは大きいらしく、反対意見は出なかった。という訳で、無事設置からの起動である。よし。
「あ、あの、こちらには発電機があるんですか!? 大型浄水機も!?」
「もう1セット見つけていますから、牧場にも設置できますよ」
「お願いします!」
まぁそういう事をしていると、こっちに来ていた高師さん(旦那さん)も、こっちでは電気も水道も使える理由に気付く訳で。既に日は沈みかけていたんだが、そこから牧場に取って返し、設備を設置する事になった。分かってたからいいんだ。これは初日に設置するつもりだったから。
もちろん設置してから実際に動くまでには時間がかかる。とはいえ、こちらの拠点に来て不思議の波状攻撃を食らっていたらしい高師さん(旦那さん)は、この午後一杯ぐらいですっかり不思議に馴染んだようだ。建物の殻的なあれが出来ても、普通に受け入れてたからな。
そしてそのまま奥さんを含めた牧場の人達に色々説明してくれていたので、とても助かる。……まぁ何日かかかるから、その間は拠点の方に移動した方がいいと思うんだが。食べ物的な意味でも生活的な意味でも。
「そういえば、こちらの夜ってどんな感じなんでしょう」
「早めに明かりを消して、息を潜めて寝ずの番を立てていました」
「一時的にあっちに移った方が良くないか?」
「人数が居ますので……」
まぁそれはそうだし、牛の世話もある。時間ももう無い。それに全員が乗れるほどのグルスニールも無い。
代わりに探索組の人が何人か残ってくれるそうなので、私は一旦撤退だ。どうせ寝るなら自分の部屋の方がいいからね。……あそこで寝る事が「セーブ」になってないかな、っていうあれもあるし。




